第11話 18話 一緒に買い物へ

18話 一緒に買い物へ


 翌朝。


 目が覚めるとすでにシュナリは起きていた。


 ベッドにチョコんと座りコッチを見ている。


 残念ながら服は着ています。


 まだ眠そうな顔をしているが、それも可愛い。




「寝れたか?」




「よく寝れました。ベッドはいいです」




「迷宮に行こうか」




「……」




 おや…あまり行く気はない反応が。


 迷宮に行きたくない理由がある。


 そんなしぐさだ。




「怖いのかい」




「行ってみたいです」




 じゃあどうして…。


 怖くないのに行きたくない。




「言ってみな」




「私は砂丸サーマルを持ってません。砂丸がないと迷宮では戦えないとききました」




「うっかりしてた。砂丸は絶対に必要なアイテムだ。俺も付けている。よしシュナリの砂丸を買いに行こう」




 何で気付かなかったのか。


 馬鹿だな俺は。


 シュナリの両腕は何もない。


 綺麗な肌だけ。


 アクセサリーもない。


 買ってあげたい。


 …待てよ。


 どこに行けば売ってるのかを知らないぞ。




「砂丸はどこで売ってるのかな」




「道具屋に置いてあると思います」




「道具屋なら行ったことはある。直ぐに行こう」




「買ってもらえるなんて! ありがとうございます。お礼に脱ぎます」




 シュナリはお礼に着た服を脱ぎだした。




「ぬ、脱がなくていいんだよ。嬉しいけど」




「ご主人様、これ好きなのでしょ?」




「好きだけど、そんなこと覚えなくていいからな」




「はい、着ます」




「防具を付けてから出かけよう。俺はガイルの防具を付ける。シュナリは昨日付けたガイルの仲間の物だ。いいな」




「はい。着ます」




 その場で防具を装着させる。


 ウインドウから俺のステイタスを確認。




 堀進 


 冒険者レベル6




 木の棒   レベル1 魔力量 50


 風の剣   レベル2 魔力量 100


 冒険者の剣 レベル3 魔力量 150


 バジリスク レベル- 魔力量 900000




 おお!


 知らない間にレベルが6に。


 確認してなくてわからなかったが、嬉しい。


 迷宮ボスのアシナガグモを討伐したのも大きい。


 ボス1匹でレベル1は上がったかもな。


 防具も身に着けて冒険者らしくなった。


 見ためも大事だからな。


 相手にナメられない為にも防具は必要でしょう。


 防御力はあがっているはずだ。




「どうだ似合うかな」




「すごく似合ってます」




 シュナリはえらく褒めてくれる。


 ガイルさん…どうもありがとう。


 言っても無駄でしたね。


 次にシュナリを確認させた。




 シュナリ 


 冒険者レベル1


 


 冒険者レベル1でしたか。


 まあ問題ない。


 逆に俺よりもレベルが高い方がやりにくいと言うものだ。




「装備した物を確認してみて」




「砂丸腕輪、麻衣の服、厚底の靴、日除け帽子とあります」




 防御力も上がっただろうし、なるべく俺が倒していく感じになりそう。


 服も着ていた物は汚れていたので捨ててしまおう。


 とても売れそうにはないし。




「これは捨てていいか」




「構いません。この服は気に入りました」




 気に入ったなら良かった。


 迷宮で金を貯めたら、服を購入してあげよう。


 まず道具屋に行くことに変更だな。


 迷宮屋にはその後でいいや。


 宿屋をチェックアウト。


 カウンターには、オッサンがいつもの様に立っている。


 通り過ぎる時に、オッサンはニヤリとしたのを俺は見逃さない。


 完全にニヤけた。


 オッサンの野朗、シュナリを見てやがった。


 俺とシュナリがお楽しみな事をしたと想像していたに違いない。


 今のニヤけはムカついた。


 まぁ俺もシュナリの裸を見て楽しんだので人の事は言えないが。


 他人にシュナリを想像されて楽しまれるのは嫌なもんだ。


 表通りに出ると真っ直ぐに道具屋に向かう。




「いらっしゃいませ」




「砂丸腕輪が欲しい」




「砂丸ならコチラです」




 真面目そうな男が接客する。


 砂丸が並んでいる。


 俺の砂丸と違いがあるのか。


 考えたことはなかった。




「どれも同じか」




「デザインが違います。性能は同じ様に使用できます」




 デザインの違いか。


 シュナリが好きな物に決めたらいい。




「どれがいい?」




「選んでもいいのですか」




「シュナリの好きなのでいいよ」




 何個か手に持って確かめる。


 模様が可愛らしい物や無地の物まであるようだ。


 俺のは特に普通っぽい。


 もらった物だから文句は言えないけど。


 楽しそうに選んでる。


 女子学生が買い物してるのと変わらない。


 2つにしぼったのかな。


 どっちにしようか迷っている感じだ。




「2つ欲しいのか」




「1つに決められない。どっちにしたらいいのかな」




 2つ持つと両手に持ち、見比べて悩んでいるようだ。




「俺は回復薬を買ってるから、その間に選ぶのだぞ」




「選べるかな……」




 時間がかかりそうにので、その間に回復薬をいくつか購入。


 迷宮では必需品だとわかった。


 いざという時に貴重なアイテムなので多めに購入しておこう。


 次の迷宮の備えはできた。


 シュナリの様子はどうかな。




「決まりました」




「これでいいのかな。じゃあ購入する」




 シュナリの決めたのも購入する。


 かなりの出費に。


 ムライ迷宮での稼ぎはいずれ底をつく。


 迷宮に行き金を稼ぎに行く必要がある。


 シュナリはまだ新米の冒険者。


 ムライ迷宮と同レベルが望ましいな。


 命を危険にする必要はないので。


 大金を払ったのだから、大事に育てます。




「ご主人様、ありがとうございます」




「さっそく手首に付けてみな」




「ぴったりです」




 これで迷宮にもいける。


 あとは砂丸魔書から武器を取り込めばオーケー。


 俺の砂丸魔書も使えるのかな。


 共有出来ると便利だから。


 片手剣が使えるようだと言っていた。


 アイテムボックスを開き魔書を出した。




「片手剣が使いやすいのか」




「片手剣ですと力がなくても扱えるので訓練は片手剣でした」




 女性なので軽い物があってるのだな。


 なら片手剣に決定します。


 魔書を開き片手剣のページをめくった。


 シュナリの冒険者レベルは1。


 冒険者レベル1の武器はと…。


 これかな…。




 ブロンズダガー


 冒険者レベル1


 必要魔力量100




「ブロンズダガーでどうだ」




「訓練で使用したのもブロンズダガーでした」




「使い慣れてるなら大丈夫だな」




「お願いします」




 魔書のブロンズダガーのページを開いたままシュナリの砂丸腕輪に読み込ませた。


 俺の場合はこれでいけた。


 魔書を共有できるなら、この方法でシュナリはブロンズダガーを作れる。


 表通りは地面は砂が覆われている。


 シュナリは砂を手に取る。




「作ってみな」




「はい。ブロンズダガー…」




 シュナリが言葉にすると砂丸腕輪は反応した。


 手に取った砂は硬質化していき短剣の形へと変わる。


 ブロンズダガーは完成した。


 成功したようだね。




「このダガーだったか」




「同じ物です。嬉しいです」




「似合ってるぞ」




「裸よりも?」




「は、裸はまた違うんだ。今は探索に行く為の準備だから裸は比べちゃダメだ。そりゃあシュナリの裸を見れれば元気になるが、見せてくれるなら迷宮から帰ったらだ」




「迷宮で疲れて元気が無くなったら、裸になります。元気になってくれるなら」




「いやいや、それは困る。戦うどころじゃなくなるんだ、わかってくれ」




「ご主人様の力になれるように頑張ります」




 シュナリは獣屋にいた時よりも元気が出てきた感じがして、俺も嬉しいです。


 ただし、俺には刺激が強いから扱いが大変ですかもだな。

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