第10話 17話 裸防具

17話 裸防具


 シュナリの体をもっと見たくないのか。


 見たい。


 ずっと見ていたいです。


 今なら…今なら間に合う。


 言うしかない!




「あのさ…下着を脱いでから防具を装着して欲しい」




「えっ……」




「ダメならこのままでいい」




 俺は何を言ってんだ。


 自分でも何を言ってんだかわからないぞ。


 着ろと言っておいて、また脱げと言うのは意味不明。


 俺のことをアホだと思ってるだろう。


 しかしシュナリは嫌な顔はしていない。




「下着を脱げばいいのですね」


 


 下着に手を当てて答えた。


 ちょっとだけ、胸の大事な物が見えそうだぞ。


 疑問に思うことなく下着になると、下着を脱いでいく。


 これは…スゴイです!


 目の前でシュナリは下着も脱いで立っている。


 裸のままで…。


 つまり全裸に。


 俺は悪い事をしてるのか。


 ダメなご主人様なのか。


 この際どうでもいい。


 見つめているとシュナリは少し恥ずかしそうにした。




「ご主人様…そんなに見られると照れてしまいます」




「見ていたい」




「ご主人様がそうしたいなら…」




「防具を着てみてくれ」




「はい」




 シュナリは裸の上から防具を装着した。


 何だこれは!


 裸エプロンてのはあるけど。


 裸防具なんて知らなかった。


 想像すらしていない。


 しかし悪くはない。


 ここではだけど。


 とても迷宮ではこの姿では連れていけないけどね。


 もちろん町中も歩けない。


 俺が変態だと思われるだけですから。


 防具を身に着けると、嬉しそうにして。




「似合ってますか」




 裸の防具を着て、似合ってますか?は、ヤバイよね。




「うん。似合ってる。防具は初めてか?」




「初めてです。人狼族は戦闘能力は高いと言われても男性の方で、女は家事や農作をしています」




「その防具はシュナリの物だ。大事に使うんだ」




 差し上げよう。


 こんなにも似合うのだし。




「ありがとうございます」




 とは言っても盗んだ物だから。


 ガイルの仲間が装着していた防具をシュナリの物にした。


 この姿を見て興奮しないわけはない。


 猛烈に興奮が押し寄せてくる。


 高い金を払ったのだから、この位の楽しみはあって当然だ。


 いや…もっと楽しみたい。


 楽しみたいけど、シュナリの態度次第かな。


 我慢して今日のところは寝るか。


 それとも…見たい欲求を出すかだ。


 嬉しそうにしているシュナリに、またも裸になれと言ったらどうなる?


 頭がおかしい主人と思われるか?


 どちらか1つの選択肢が俺の前に現れる。


 寝るか…脱がすかの2択。


 足がガクガクしてくる。


 震えてる。


 目の前にある興奮に震えが押さえきれない。


 ……決めた。




「シュナリさ…また裸を見たい」




「えっ……私のでいいのなら…どうぞ見てください」




 いいのか!


 本当にいいのかい?


 嘘のようだがシュナリは防具を脱いでいく。


 素晴らしいぞっ!!!!


 こんなにも間近で全裸を見れる。


 これは見るだけでも100万払った価値はある。


 言葉もなく見ていて、楽しい。




「恥ずかしいかい?」




「恥ずかしいかな…。でもご主人様が見たいというなら…」




 やや顔を赤くして、照れているのも可愛いです。


 髪の毛は赤くて肌の色は日本の女の子と同じです。


 ただ尻尾が生えてるので、やはり異世界って感じだよな。


 あまり長く見ていても悪いので、もう着るように言おう。




「もう着てもいいよ」




「はい」




 ゆっくりと服を着た。


 それでも目にはシュナリの裸が、くっきりと残像されている。


 強烈なまでに。


 もうご飯も食べて寝るだけに。


 明日からはシュナリも一緒に迷宮入りする予定。


 まだ本人には確認していないけど。


 確認しておいた方がいいかな。




「迷宮に行けるか?」




「ご主人様の力になります」




「そうか。魔物とは戦った経験は?」




「魔物なら村にも度々出没していたのがいました。弱い魔物なら戦いの経験はあります。剣術は習っていて短剣、片手剣が得意です」




「明日は迷宮に行こう」




「はい」




 シュナリは話によると剣術が使えるようだ。


 数匹魔物と遭遇しても、2人いればあせらずに戦えそうだ。


 素早さは俺よりも上なのかもな。


 狼の血をひいてるくらいだ。


 話では、鍛えれば人狼族の能力を引き出せると言っていた。


 慌てずにゆっくりと経験を積めばレベルも上がってゆくだろう。


 今日は、疲れたしもう寝よう。




「俺はコッチのベッドに寝る。シュナリは別のベッドで寝ていいぞ」




 2つあるベッドで、別々に寝るように言う。


 本当は一緒に寝たい。


 寝てみたい。


 それが本音です。


 でも最初から寝るのは難しいと思えた。


 服は脱がせたのはラッキーなだけで、やすやすと触らせてくれるかはわからない。


 契約書にサインした。


 契約では迷宮についていき、俺のサポート役として役に立つという物だ。


 ベッドで触ってもいいとは書いてなかった。


 契約違反なんてことになっては困る。


 あせることはない。


 じっくりと育てて下さいと獣屋の女は言っていたのだ。


 まだ初日。


 あせり過ぎだな俺。


 シュナリの体を見て落ち着くのは至難の技であるが。


 俺はベッドで横になると、隣のベッドではシュナリも寝ていた。




「ふかふかです」




「獣屋ではベッドじゃないのか」




「床に寝てました」




「それでは痛いだろ」




 床に寝させてたのか。


 ベッドくらいは用意してもいいだろうに。


 客には見えないので、金はかけないようだ。


 悪ドイ女だな、獣屋も。




「もう、慣れました。このベッドは気持ちいいです」




「よく寝れるだろう」




「寝れます」




 シュナリはベッドで横になり寝むったようだ。


 今日は色々とあり疲れたので寝たい。


 シュナリを仲間にした。


 シュナリを獣屋に追い込んだ盗賊団の黒死蝶。


 黒死蝶の団員を殺した俺。


 何の因縁か知らないが、黒死蝶とは繋がってるようだ。


 シュナリの村を壊滅させたのは許せない。


 とは言え俺に仕返しが出来るのかどうかは、怪しい。


 戦っても勝てる自信はないように思える。


 話によると蝶野は相当な強さだと。


 いつかは殺り合うのだろうか。


 俺からは黒死蝶と関わらないように、避けて冒険をしよう。


 シュナリはもう寝たのかな。


 寝顔も可愛いです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る