第7話 14話 換金

14話 換金


 迷宮屋には俺以外にも冒険者はいた。


 カウンターには美人の店員さんが立っていて笑顔を作った。


 可愛い。




「迷宮お探しですか?」




「今日は魔石を持ってきました」




 アイテムボックスを開いてアシナガグモの魔石を取り出す。


 


「えっ、はい。ただいま鑑定してまいります」




「受付けの女性が驚いてました」




「俺のような駆け出しの冒険者が迷宮をクリアして来たからビックリしたんだな」




「私も誇らしいです」


 


 ちょっとビックリして魔石を受け取る。


 鑑定なんかするのか。


 鑑定士のような者もいるのだろう。


 そこまでするのは偽物を持ち込む奴もいる証拠。


 まぁ俺のは本物なので心配はないけどな。


 偽物を持ち込めば、このお姉さんに怒られるのとか。


 少ししてお姉さんは帰ってきた。




「確認しました本物です。偽物でしたら国王からの命令で牢獄行きでした。ムライ迷宮攻略の報酬は100万トパーズですどうぞ」




「ありがとう」




 牢獄行き。


 怒られるどころでななかった。


 金は、ありがたく頂いた。


 アイテムボックスにしまっておこう。


 初めての迷宮を攻略し報酬を得たのは嬉しい。


 この金があれば食い物や宿屋にも困らない。


 腹もペコペコです。




「ご主人様、嬉しそうですね?」




「えっ。そりゃあ大金が入ったんだ嬉しいさ」




「あの受付けの女性を見ると嬉しそうにする気がする」




「気にしすぎだよ。大金が入ったんだウハウハだ。シュナリも喜べ」




「ウハウハしてるご主人様は楽しそう。私もあげられる物があるかな……」




「別に何も要らないよ。同じ苦労を共にした仲間から」




「これあげたら、ウハウハしますか」




「うわぁ! パンツを脱いで渡したらダメだろう!」




 なんとシュナリは店内でパンツを脱いで渡してきたのだった。


 さすがに俺の予想を遥かに超えた行動である。




「ダメなんですねパンツは。でもご主人様、ウハウハしてますでしょ」




「そ、そりゃあ、ウハウハしてないわけないが、こんな人前でする行為じゃないんだ。さっさと履きなさい」




 見ると店内では冒険者がシュナリの異常な行動を見つめていた。


 中には口を大きく開けて、固まってる者も少なからずいた。


 男なら当然見るだろうし、スマホがあれば画像として保存ものだ。


 受け取った俺もニヤついてたのを変に思われたようだ。


 不用意に受け取ったのが失敗であるが、初めて見て触った女の子のパンツに興奮したのも事実である。


 シュナリはパンツを履きなおす。


 この調子で次の迷宮もいってみたいが明日でも間に合う。


 今日は帰ろう。




「進さん。迷宮は他にもありますので、よろしくお願いします」




「ええ。また明日にも来ます」




 よろしくお願いしますと言われて照れてしまい又もやニヤついてる俺。


 迷宮屋を出よう。


 出るときに何か重いものを察した。


 店内にいた冒険者からの視線だろうか。


 俺に対して向けてるようにも。


 きっと俺がムライ迷宮を攻略したのをうらやんでるに違いない。


 俺も有名人の仲間入りってか。


 しかし、のん気な事を思っていると、会話が耳に入った。




「どうも噂ではガイルがムライ迷宮に居るらしいぜ」




「そりゃ嘘だろ」




「間違いない。ガイルと数人が入っていったから」




「でもムライ迷宮は攻略されたよな」




「うん。ガイルより先に攻略したのだろうな」




「よく出来たな。じゃあガイルは手ぶらで帰ってくるのかよ。ガイルってのは名前だけじゃねぇのか」




「おい……よせよ。黒死蝶の奴らに聞かれたらヤバイ」




「……」




 俺はその冒険者達の会話をそこまで聞いて店を出た。


 ガイルは手ぶらどころか帰っても来ないです。


 死んでますから。


 会話を聞く限りではガイルは少しは名のある冒険者らしいな。


 レベル15もあれば当然か。


 ガイルはいいとして、問題は黒死蝶とかいっていた。


 何かの組織の名前のようだ。


 冒険者達の会話からとても恐れている風に思えた。


 ガイルはその一員だと会話の内容から推察した。


 俺がガイルを殺したと言ったらどうなるのだろう。

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