第3話 10話 模様
10話 模様
迷宮地下3階。
ここが最深部かどうかは進めばわかる。
ボスが近いならもっと早くに誰かに攻略されているはずだが、今もこうして存在しているのなら、2つ考えられてもっと下にも階層がありたどり着くのが困難でボスも強いのか、まだ生まれて時間が経っていない迷宮。
この2つのうち後者なら俺にもチャンスはある。
「敵か!」
ネズミではない鳥のようだが…。
サーチをしてみるとデビルバードレベル1。
悪魔の鳥とは演技悪いなコイツ。
あまり会いたくはないが、倒しておきたいのでシュナリとともに冒険者の剣で斬ってみた。
しかしというか、鳥だけに当たらなかくて簡単にかわされてしまうが、サンドネズミと大きさは同じくらいかと思っていたらデビルバードは俺に目がけて攻撃をして来た。
「速いっ!」
思っていたよりも速いがなんとかかわせたがタチの悪い鳥だ。
「大丈夫ですかご主人様」
「心配ない」
「グッ!」
相手の攻撃を避けて安心していた、しかしデビルバードはクルリと向きを変えて俺の後方に口ばしで斬りつけてきて、油断した。
1度目はかわさせておいて油断させ、そうしておき次の攻撃を繰り出す。
抜け目のない鳥だが、口ばしの威力は弱いようでサンドネズミの牙よりも弱いな。
だが空中を飛んでいる相手に剣を当てるのは思ったより大変で当てたと思ってもかすりもしないし、オマケに腕も疲れた。
上に腕を振るうからで何回も連続で振れるものじゃない。
デビルバードからの攻撃に、しかし落ち着いて近くまで来るまで待った。
もっと来い。
まだ早い。
今剣を振るっても逃げられるので怖いが我慢の時としていると、デビルバードの口ばしが俺の体に急接近する。
「ここなら!」
冒険者の剣を振り抜いた。
「グワァ」
一瞬だが俺の剣が勝ち、デビルバードはあっけなく地に落ちていって落ちると魔石に変わりすぐに拾う。
最初は戦い難かった相手も戦うコツさえ掴めれば、体力はなく一激で倒せる。
そうは言ってもギリギリの戦いでしたが。
相打ちになってもいいからという覚悟が必要だな。
「シュナリの協力もあったから倒せたよ」
「いいえ。さすがご主人様でした。私などサポートしてるだけですよ」
「この調子で行こう。楽しくなってきたぞ」
「う〜ん、こっちよりも…」
シュナリは胸を強調するようにして谷間を作った。
「そ、そんな谷間を作らなくていいからな。ここは迷宮なんだから」
いったいどこで覚えたというのか、困ったな。
3階のフロアにはデビルバードとサンドネズミが生息していた。
どちらもレベル1で倒せる相手。
冒険者の剣にしたのが影響しているようだ。
冒険者の剣には不満はないのだが、俺の能力スペックをフルに活かしてはいない。
魔力量はまだ余っている。
魔書を見ても俺の冒険者レベル3の使用できる範囲が限定されているから。
レベル3以上の武器はどれだけ魔力量があっても余ってしまうのだ。
悔しいが従う他ない。
魔書をペラペラとめくる。
レベルの高い武器のページへと。
やはりどの武器にも同じ傾向があった。
冒険者レベルに比例して魔力量も上がる。
要はコツコツとレベルを上げていくのが1番のようだ。
たいがいのゲームも同じ設定。
どちらにせよ冒険を先に進めよう。
3階のフロアマップをメモ帳に記して歩く。
ある程度進むと階段の場所は特定できる。
まだ足を踏み入れていない箇所。
探索しながらも魔物は狩っていく。
そこでまた俺の視界に写る物。
「!!」
足を1旦止めてみる。
フロアの壁に描かれてある印だ。
上へと矢印がある。
上向き。
天井の辺りを見てみた。
「壁にあるのは模様だな」
「迷宮には謎があると聞いたことある。きっと謎があってボスの部屋にいくのに必要な物かもしれません」
普通に迷宮の壁しかなかった。
これも偶然に生まれた模様なのかな。
意味のない模様なのか…。
気にはなるよな。
実は地下2階の壁の物は下向きであった。
今度は地下3階の壁の物は上向き。
何か理由があるのかと思いウインドウを開く。
アイテムボックスからメモ帳を取り出す。
「メモっておこう」
念のため。
いつか役に立てばいい。
「!!」
油断しているとデビルバードの攻撃に。
メモ帳を持っていて防御するのが遅れた。
「グッ」
「この鳥はしつこいです」
口ばしで突き刺してきた。
この卑怯者め。
背後から襲うとは許せん。
カッとなって冒険者の剣を握ると、デビルバードを仕留めた。
ムカついていたので、何回も斬りたいのに消えて魔石化。
俺を怒らせるとこうなるんだよね。
ちょっとした事でムカついてしまうのは、いつものクセてあった。
私生活ではおとなしいのに、ゲームだと感情が出やすい性格。
敵キャラに悪気はないのだけど。
イラついたのを落ち着かせる為に深呼吸を1回。
それが実ったのか、先には階段を発見。
まだ下の階層が存在していた。
このフロアにはボスが存在していない証拠である。
早くボスと遭遇したいのだが。
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