離婚したい、けれど、言い出せない
@2321umoyukaku_2319
第1話
離婚したい思いが強まっている。
別れたい理由を、ここに綴ったところで、他の人間に理解してもらえるとは思えないが書いておく。ずっと秘密にしておきたくないので。
とにかくイライラする。私たちは夕食を交代で作っているのだが、その片付けに関して、腹が立つことが多い。使った鍋やフライパンを私は、汚れたまま放置しておきたくないタイプだ。手が空いたら洗う。パートナーは違う。下手をすると翌朝まで流しに置いたままだ。放っておけなくて私が洗うと、向こうは苛立った態度を取る。自分が洗おうとしていたのに、勝手なことをしないで! という理屈だ。
いや、理屈でもなんでもないな。単なる屁理屈だ。聞くに値しない戯言だ。
相手の作る食事も嫌だ。私の口に合わない。食べ物の好みが合わないのは、食器洗いの苛立ちよりも遥かに強烈なストレスとなる。食べずに残すと、物凄く不機嫌になるので、嫌でも食べざるを得ない。拷問かよ、と思う。
掃除に関する見解の相違もある。私は掃除する前に床の上に置いてある物を片付けたい。掃除機や箒を使う際、邪魔者がたくさんあると作業が滞るからだ。しかし同居人は、あまり気にしない。それどころか掃除道具を床に置いたままにする。すぐに使うから、収納場所へ戻すのが面倒! と言うのだ。それが邪魔で掃除しにくくなると私が言うと、それならば自分でしまって、と反論する。自分で出したものを他人に片付けさせるとは何事か! と思う。どうかしている。
こんな苛立ちをパートナーには見せないでいるのだが、それにも限界がある。別れたい。この秘密の感情は、いずれ表面化するだろう。相手が納得してくれるのなら良いが、そうとは限らない。その場合、泥沼の戦いが待っているかもしれない。それはそれで正直、ストレスだ。もしかしたら、そちらの方が大変なのかもしれない。それなら我慢を続けるべきか? しかし、もうたくさん! という思いは強い。悩む。ずっと秘密にしておいた方がいいのかどうか。どうなのか。
離婚したい、けれど、言い出せない @2321umoyukaku_2319
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます