第57話 バカンスは突然に
煌めく波飛沫、ザバーンと言う波の音……蒼く澄み渡る紺碧の水面
白い砂浜との対比による美しさ
素晴らしい景色だと思う。終末世界では有り得なかった景色
それはまあ良いものだ。うん
「────城の中じゃ無ければなぁ!!」
現在、内田直人を倒した後……先に帰宅したローラン、アリア、メリッサの後をおって俺達も帰ったのだが
城が水で覆われていた。一瞬、ミズカの攻撃か?とも思ったのだが……中に入ると
「……すまん、エイル様……まさかここまでになるとは……」
「わりぃ、まさかこの刀がそこまで範囲が広くなるとは思わなくてなァ……ま、せっかくだしバカンスを楽しん」
「……『終末機構/転移直送』」
「……ここならいいぞ?」
俺は城の中身をさらにいじくり、巨大プールを生成する
そこに先程の水を全て流し込み……そのうえで、立体音響やら……偽りの太陽やらを作り出し
それらを複合させてひとつのバカンスを作り出した
魔法による空間の拡張により、城の中とは思えないほどの広さの海が生み出される(激うまギャグ)。
まあせっかくだし、みんなの水着……見たいでしょ?
というわけなので、水着回の始まり!
◇
「水着とは何でしょうか?」
「それはどのようなメリットが……?」
「あの、私は影に籠り……」
「血が消えるからNGよ!」
始まらなかった。
驚く程にみんな水着を知らなかったし、水着回のためにいちいち説明しなければならないことに俺はため息を吐き出す
「メリッサ、それは水着じゃなくて下着だ」
「?サラシって水着に入らねぇのか?」
入るわけが無いだろうが。どう見てもそれで水に入れば……透けてしまうだろうが
「ふへへへへへへ、このオーディン、皆のために立派な水着を作ってきましたぞぉ!」
『アビスの水着、ど、どうでしょうか?』
「うん、いいと思う、でも色がちょっとエリミネーターだねぇ」
流石に赤黒紫の水着はちょっと怖いかな?
ともかく、オーディンのおかげでなんとかみんなに水着を配ることに成功した訳だが
男性陣(オーディン、俺、バアル)は割と満足そうであったが
「オーディン!貴様我の水着のサイズ間違えていないか?」
バハムートの言葉はご最もだと思う。流石に健全な物語において、そのサイズは色々とまずい。
「フン、似合ってると思いますよ!駄獣風情に手渡すモノとしてはね!」
「フン!お前さんのは水着に見えなさすぎるんじゃ無いのか?……機械だから水に入ることも怖くて出来ないと?」
2人はいつもの如く睨み合いを始めた。まあホントよく喧嘩するよなぁこの二人
「バアル?この私の前から消えなさい?私の美貌の前には悪魔など浄化してしまうかもしれませんからね!」
「ソロモンに比べればお主など屁でもないわ、この女神の恥野郎め」
「よぉし潰しちゃうぞ☆!」
照れるソロモン。殴り始めるラジエル、防御するバアル
ちなみにソロモンはめちゃくちゃ可愛い服を纏っている。うん、たぶんオーディンじゃなくてバアルが自分で選んだものだろう
「オーディン様、僕の服は適当で良いのに」
「なぁにをぉ!言うんですかァ!いいですか!モーガン!貴方はもっと自らの可愛らしさをアピールすべきなのです!」
「やめて、フツーに恥ずかしいから」
いやそれは俺も思う。と言うかモーガンちゃんポテンシャル高くない?
んーなんと言うか、この子一人で新しく物語を作ってもいい気が……おっと気のせい。
ちなみに、この場に出禁になってるのがアザトースである
なぜって?
▽◇
「アザトースお前さんは今回出禁な……すまんな」
『別にいいよォ?……ワタシきにしなイ』
◇▽
と言うのも、アザトースの肌を見てしまうと高確率でほかの奴らがSAN値直送されてしまいかねない
外界のルールに従うと、矮小なモノはその魂を破壊されるというね。
怖いね、流石にラスボスの中でも3番目にヤバいやつ
え?カオス?あ〜あいつはまあ出てこん
『おや、盛り上がっているじゃあないか』
───世界の時が止まる────
出てきちゃったよー。いやまじ?
「珍しいな、お前が出てくるとは」
『おいおい失礼だなぁ……折角の水着回だろう?……ならこの私もアピールしないとねぇ!人気取りには欠かせないからさぁ』
俺は苦笑する。お前もある意味俗世に染まってきたなぁと
実際、俺がこいつと出会った時はもっと色んな意味でヤバいやつだったんだがな
まああの時から変わらず、水を見掛けるとはしゃいでいたな?
「お前ってひょっとして水に何か関連があったり?」
ふと、不思議に思ったので聞いてみた
『……ん〜特に?まあ強いて言えば、私は基本海に入れないからね』
それはそう。たしかにな、と俺は納得した
カオスの本体は巨大な銀河そのものである。
それ故に、カオスは海に入るという考えが元々無かった
まあこの子、摂氏100000度は有るからなぁ……普段出てこないのもそれが原因なんだよなぁ
と、俺を呼ぶ声がした。
「エイル様!ここ、このような格好が正しいの、でしょうか?!」
「似合ってるわよ、ローラン!……あたしはちょっと、……」
「エイル!この服水で溶けたりしないよね!?」
「影に潜りたい」
俺は三者三様の反応を見せてくれる彼女らを眺めて
うんうん。眼福と呟いた
「あれ?あたしの服には反応しないの?」
メリッサの服は、うん。……やめてくれないかな?
「……いやぁ、サラシがダメならもうこういうのしか覚えてなくてさぁ」
だとしてもね。流石に競泳水着は色々と気まずいのよ
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