拝啓─俺を終末世界に追放しやがったクラスメイトの皆様方へ。無事帰還の目処が経ちましたのでラスボス共を引連れて殴り込みに行かせて頂きます。───覚悟の準備をしておいてね!
第17話 異世界聖戦②/ノウリー・トシ(蒼原 俊典)序
第17話 異世界聖戦②/ノウリー・トシ(蒼原 俊典)序
次の日俺様はゆらゆらと目を覚ます
「おや?目が覚めたか……ふーん案外頑丈だね君は」
目を覚ましたら俺の前の前に見たことない女が立っていた。
それだけならまだしも
「……な?!お、俺様の城が……!?」
城には巨大な風穴が空いていた。
辺りには衛兵が滅茶苦茶な方向にねじ曲げられて、潰されていた
「お、お前は誰だ!?……応えろ!」
俺様は久しぶりに恐怖を感じてそいつに、見たことない女に罵声を浴びせる
「おや失礼……わたくしの字名は『七つの大罪/色欲のフラミンディ』でごいますが……貴方には私と適性がある様ですなぁ……くくくく……あなたのその体の痛み、苦しみを私ならば無効化できますが……如何かな?」
俺様は体の痛みが無くなるならば何でも良かったが故に
「なんでもいい!俺様の体を治せ!」
そう、言った。それがどんなことよりも最優先事項だったからだ
「くくくくではわたくしと契約、といった形で貴方様を支えて差し上げましょう!」
途端、俺様は体が一気に軽くなり……いつも以上の肉体に変化する
「うお?!すげぇ……いつもよりハッスルしてるぜ!」
俺様は久々の万全の肉体に感謝する
「どうやらこれをやったヤツらは相当な魔術の使い手のようだ……おそらく、エイルと言う男の部下だとわたしは思いますねぇ……」
「何?!アイツかよ!ならさっさと俺様の痛みのお返しをしてやらねぇとな!……おいお前ら!……今からあいつの城に……あ〜でも城にいく為の道が」
その様子を眺めながら、色欲のフラミンディは心の中の笑いが止まらなかった
まさかここまで私に適正のある男がいるとは……くくくく……
彼女はかつてこの世界で封印された悪魔の一体であり、七つの大罪を犯せしものを手助けする義務がある
このままこの男を操って再び世界をハーレムで満たして……
などとほくそ笑んでいた、その時である
「……困るなぁ……そう言った戯言をほざく奴らがいるのは」
いつからかそこには一人の男が座っていた。手には杖を持ち、右手の中でルービックキューブをくるくると回している
「誰だ!……お前は!……待て、その顔……まさかお前は……!?理一か!」
理一。そう呼ばれた男は悪魔と転移者の前でゆっくりと微笑みながら
「正解だ……まあ商品は何も無いがな」
そう言ってため息をついた。
「あ〜悪いね……せっかく俺のシナリオ道理に進行してたのに変な邪魔が入ったせいで計画がパーだ……全く苦労して仕込んだってのに」
「シナリオ……?計画……?まさか俺様がこんなに病気で苦しんでいるのはお前のせいか!……許せねぇ!ボッコボコにしてやる!」
俺様は立ち上がり、怒りに身を任せて武器「ラブソング」を振り回す
俺様の攻撃が当たる度、そこから火花が散り焔が吹き出す。
「あいにくこっちはお前によってかけられた魔術を解除されて……その上いつもより万全なんだよなぁ?!……ちょうどいいぜお前のからだでベッドを作ってやるよ!」
俺様はそのままそいつをぶん殴る。
「ぐぁ?!」
「へっ、どうした?雑魚いなぁ?!」
俺様の攻撃で文字通り横に吹き飛び、壁にめり込む理一
俺様は日頃の恨みを晴らすべく
女を殴るようにいつもと変わらないような感じで
理一をぶん殴る。ずん、ずん。
と言う音がして、理一は動かなくなる
「お見事!……流石は私が見込んだ男なだけありますね!……ああこいつ弱すぎませんか?」
俺様は必死にその場から逃げようとする理一を捕まえて壁に叩きつける
「や、辞めてくれぇ?!お、俺が悪かった……だから命だけは?!」
「はっ!お前の命乞いなんていらねぇ!女ならば生かしてやるけどよぉ……男なんざ死んでしまえ!」
俺様は幾度も幾度も殴る。そのうち動かなくなった理一を片手に担ぎ馬車に乗り込む
「目的地はどうされますか?……」
目的地?もちろんコウキの城だ!
俺様はあっという間にコウキの城にたどり着き、驚くコウキたちの前に理一の屍を掘り投げる
「オイオイこいつ雑魚すぎな……!正直弱すぎて途中から片手でボコせたぜ?……HAHAHA!」
「流石だなトシ!お前ならやってくれると思っていたぜ!」
俺様を見つめるクラスメイトたちの視線は妙に気持ちよかった。
正直俺様のことを馬鹿にしているような目で見てくるこいつらに尊敬の眼差しをされるとなんか心地よくてたまらない!
「俺様こそが真の勇者だ!……お前らもそう思うだろ?」
「さすがトシ様!」「トシ様素敵ー!抱いて欲しい!」「アタシも!アタシも!」「ずるい!あたしだって!」
「ハッハッハ!お前たち、俺様に任せれば何でも叶うぜ!?……さあ!俺様に着いてこい!」
あ〜なんて幸せなんだ。素晴らしいことじゃないか
女を殴る時より快感が違う
これこそが俺様の求めていた立場……すなわち
「王座に着く気分はサイコーだぜぇ!」
と、そこに青井が現れて
「アンタまだ気が付かないの?」
そう言った。何だよ?リエスティナ?……おい?待てちょ……
俺様は突然ふと気がつく。
辺りで拍手をしているヤツらの顔がどんどんと変化してのっぺらぼうに変化していくのを
「え?……え?」
「いやぁすごいな、流石はトシ様!」
そう言って俺様に声をかけてくれるのは執事の……あれ?顔が……顔がない?!
「何だ?びっくりしてるのか?……オイオイ疲れてんだろ?」
コウキの顔も無くなっていた
見ると俺様以外の全ての人間が、顔が無かった
────パチン
突然何かが弾けた。
その音を皮切りにそいつらは突然俺様に剣を突き立てる
「え?……え?」
俺様の下の地面が突然割れて飲み込まれる。落ちると言う感覚を味わった瞬間に今度はまるで巨大な怪物に飲み込まれるような奇妙な感覚に陥る
いや、本当に飲まれていたのだ
「……は!?……な、え?」
焦る俺をどんどん飲み込む怪物。そいつは俺様は見覚えがあった
「な、俺様に楯突いた奴ら?!……なんで!生きて……」
『「「お前のせいだ!お前さえいなければ!」」』
待て待て落ち着け?そう言って見るがまるで相手にされない
そいつらはどんどん増えていく。ふと当たりを見るとのっぺらぼうにその怪物
そいつらがどんどんと俺様を追いかけて走ってくる
「な、く、来るなぁ!来るなぁ?!」
俺様は必死にバットを振るうが、そいつらは全く効いていない様子でゆっくりと俺様を丸呑みにした
「へ?……ひ、ひい?!!!」
飲まれた先には、たくさんの子供が血まみれでいて俺様を見つけると
「あ!お父さん!ねぇねぇ……あれ?なんで逃げるの?」
ペタペタと歩み寄ってくる。
大口を開き、そうして俺様は何も抵抗できずに飲み込まれた
飲み込まれる最中、俺様をたくさんの腕がどんどんとメキメキと俺様を絞る
俺様はまるでただの雑巾になったように、奇妙な感覚を味わう
同時に、俺様の額を、背中を、体のアリとあらゆる場所から汗が吹き出す
それは多分罪、なのだろうか?
◇◇
「おや?目が覚めたかい?……せっかく手紙を出してあげたのに気が付かないもんだからねぇ……来ちゃったよ?」
俺様はベットに横になっていた。
それはいい、問題は
「……え?」
ベットごとつるし上げられていたことだ
俺様が唖然としているとどうやらそれを行った奴がゆっくりと顔を見せる
「どうだい?俺からのお前に殺されたものたちの恨みの籠った夢のサプライズは?……いいだろ?」
◇◇
エイルはうなされて横になっているトシを眺めながら、辺にいる悪魔たちに命令を下す。
「んじゃ次はこの夢を見せてあげて〜ほら、こういったふうによろしく!」
「相変わらず恐ろしいことをなさいますね……エイル様は」
「まあコイツには1回心をへし折らないとそもそも会話にならなそうだからねぇ……致し方なしだよ!」
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