第一部 各章あらすじ・登場人物・単語説明
第一部 各章あらすじ・登場人物・単語説明(ネタバレあり)
第一部 各章 あらすじ
第一章 灰色の現実
幼馴染とのデート中、交通事故に遭って死んでしまった主人公─在原 環─は、実は魔法使いであった─赤原 葵─によって魔法で蘇生され、紆余曲折あり魔法使いのような身体になってしまう。
魔法使いになったことにより、魔法教室の教師─立花 改─により強引に入校することになり、非現実の世界を生きることになるが、その矢先に魔法教室の生徒である─天原 雪冬─に因縁をつけられる。それを危惧した立花により、環と雪冬による模擬戦闘が行われたが、環の身体は雪冬の魔法を反発し雪冬が負傷、結局どちらにも勝利が導かれることはなかった。
模擬戦闘終了後、雪冬のお見舞いに行く環。そこで因縁をつけた雪冬の記憶、環の感情の整理が行われ和解。環は魔法教室に改めて向き合う。
第二章 天使時間の歯車
模擬戦闘が終わってから一か月ほど経過したが、環は未だに魔法を扱うことができなかった。魔法を使えないことにより、葵が環のことを心配する中、立花は環に黒魔法を教えようとする。
黒魔法は精神を代償にする非現実的事象であり、その行く先は廃人であることを説明された環は、黒魔法を使うことに躊躇いを示す。そんな中、巷で騒がれていた吸血鬼事件により、魔法教室は休校となる。
その間にも吸血鬼事件は進行していき、立花はそれを魔法使いが行っている事件だと断定、唯一魔法を反発できる環に魔法使いの殺害を命令した最中、世界のすべてが固着する「天使の時間」という黒魔法が発動してしまう。
そんな固着している空間でも動くことができる環と、魔法教室に通っている素性のわからない─天王寺 天音─。彼らは協力して天使の時間を発動した犯人を殺すことを画策。事件が解決した時には在原 環の魔法を反発する理由について教えるという天音。彼らはなんとか天使の時間を終わらせることに成功する。
第三章 灰色の対極
吸血鬼事件終結後、在原 環の身体について知っている天音に話を聞こうと魔法教室に行くものの、そこに天音はいない。また、環と葵以外に天音の記憶を持つ者はおらず、彼らで天音を探すことにする。
自身の過去に関係があると考えた環は、幼い頃に通っていた教会の近くにある保育園を訪ねる。そこに天音がいることを確信した彼らは、夜中に侵入することで天音と邂逅するが、その際に環の中にある劣等感が暴走し、天音を襲おうとする。その時、天音の助けに入った、環の姉を自称する存在─在原 朱音─により、暴走は収まったものの、環の劣等感がこれからも暴走することを朱音は語る。また、環は魔法使いではなく悪魔祓いの家系であり、魔法が使えないことも教えられる。
環の劣等感は対極という、悪魔祓いが迎える試練であり、それに向き合わない限りは暴走を続け、最終的には自死につながることを教えられた環は、死ぬ前にけじめとして葵に告白されるが、葵はそれを拒絶する。失意のままに対極と向き合うことになる環、空間にて負の自分である対極と向き合い、悪魔祓いとして自分が生まれたことを改めて自覚した。
対極を受け容れたその後、環は魔法使いと関わることを許されず、魔法教室でかかわった面々の記憶を消すことになる。一番大切な存在であった幼馴染である葵の記憶もひとつ残らず消して、環は魔法教室に立ち去っていく。
登場人物
灰色の対極の主人公。
突如として現れたトラックから幼馴染である葵をかばった際に、四肢欠損をして完全な死体になったが、魔法使いであった葵に蘇生・輸血をされたことをきっかけに魔法使いになったらしい。
一人称は「僕」。全体的にツッコミ役になることが大半。
幼い頃から父親がおらず、母親と一緒に生活してきた。
そのことで大人の痛い目にさらされてきたことがコンプレックスとなっており劣等感を抱いている。
在原 環の幼馴染。ヒロインポジション。
トラックに轢かれた環を助けるために、禁忌とされていた魔法使いの血液を輸血して蘇生させた環の命の恩人であるとともに、環を魔法の世界に引き込んだ張本人。
ボケ役。たまにおじさんみたいな口調で喋ったりして和ませてくる。天然っぽい雰囲気がある。後始末が雑な性格で部屋はあまり片付いていない。
現代で携帯やゲームを持ち合わせていない現代っ子とは言えない現代っ子。よく環とトランプで遊ぶ。
環や葵の先生になる人。いわば魔法教室の先生。
ものすごく冗長で饒舌、そのために一文のセリフが長いのが特徴。
人間に対して「人間ごとき」という口癖がついてまわり、どこか強烈な敵意を感じる場面がある様子。
とある学校の保健室の先生。いわば養護教諭であり、一部の生徒には人気があるらしく、サボりに来る生徒と駄弁ることが職場では大半。よく他の教諭に怒られている。
環や葵と比べれば現代っぽい人。趣味はゲームでRPGをこよなく愛している。
魔法教室に通う茶髪の青年。高校二年生。
立花先生曰く、普段は街でナンパをする見た目通りのチャラ男。
一人称は「俺」。
魔法使いではあるものの、環と同じように血や痛いのが苦手で、なかなか魔法を使うことができない臆病な人。
今後は環の友人ポジ。紋章は風だが、前述にある通り、血や痛いのが苦手なため魔法を使うのも結局苦手。一応、長い時間心の準備をすればやれる。
魔法教室に通う白髪赤目の女子。高校二年生。
本人曰く、人と話すのが苦手で、会話ではどもることが多い。そのため、基本は無口。
天音自身は魔法を普通だと称しているが、立花先生からは『化け物』だと評されるほどだから、おそらくすごい。
紋章については他人に隠しており、得意な魔法についても隠している。今のところ謎が多い人物。
魔法教室に通う眼鏡男子で高校一年生。舐めた後輩ポジ。魔法は苦手ではあるが努力でカバーをする勤勉な人。
人間と魔法使いのハーフで、それをきっかけに孤独になってしまったことから人間という存在が嫌い。その価値観を拭おうと努力している。
紋章は氷で、一貫として氷の魔法を使う。殺傷能力についてはピカイチで、当たった人の身体を切断できるほど。
魔法教室ではツッコミ役。本人はこの役回りを嫌がっているものの、彼しかツッコむ魔法使いがいないため、甘んじて受け入れている。
灰色の対極 用語説明
魔法使い
魔法を使うことができる種族。基本的に不死に近い存在で、血が無くならない限り死ぬことはない。魔法使いの証として、右手に紋章が刻まれており、紋章を基に魔法研究を行う生活を送っている。魔法研究を行うことで『世界』へと到達しようとしている。
魔法
魔法使いだけが扱うことのできる非現実的事象。魔法を使う際には血液を媒介にして、呪文の詠唱を唱えることで非現実的事象を呼び起こす。魔法の規模は個人の現実の上書きまでしかできず、世界の構成を変えるような大規模な魔法は行えない。
紋章
魔法使いの右手の甲に刻まれる絵柄。それぞれ本人の属性、その先にあるものが刻み込まれており、魔法使いが魔法の研究を行う要素の一つとなっている。また、魔法使いにしか紋章は刻まれないため、魔法使いの証明として扱われている。
世界
あらゆる存在そのものであり、魔法使いの最終的な目標とされるもの。あらゆる惑星を無限に内包した宇宙を、無限に内包した内海を、更に無限に……、を無限に繰り返した後にある、あらゆる存在の外側の器のこと。
空間
無限という概念を空間として広げたもの。無限という存在は普遍的なものであり、物理的な空間として顕現させたもの。果ては文字通り存在せず、入り口以外には壁が存在しない。
黒魔法
普通の人間でも扱うことのできる非現実的事象。精神を代償にする魔法であり、精神という概念を扱うために普通の魔法の規模とは異なる次元違いの魔法を呼び起こすことができる。
悪魔祓い
魔法使いとは対極の存在であり、悪に堕ちた魔法使いを狩る存在。悪魔祓いの体質として魔法を反発する作用を持っており、悪魔祓いは世界を上書きする存在を浄化するために活動をする。魔法使いと同様に紋章が宿っているが、悪魔祓いの場合は左手に決まった絵柄が刻まれており、知る魔法使いからは畏怖の象徴として見られている。
対極
存在の対となるもの。あらゆる存在には対義があり、正と負、陰と陽、白と黒といったもののことを言う。
悪魔祓いの対極
悪魔祓いが悪魔祓いとして覚醒するための一つの試練であり、負の自分を受け入れるというもの。
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