(新)花子さんと口裂け女とゲストさん
「さぁ、今回から新番組の[花子さんと口裂け女とゲストさん]始まるわよ!」
パチパチパチ
「MCはレジェンドオブレジェンド!トイレの花子さんの私と」
「私!口裂け女だよ~♪」
「イエーイ♪」
「イエ~イ♪」
パチンッ
「前の番組[トイレの花子さんラジオ(仮)]が生まれ変わって、この番組が始まったわけだけど…あんた、ちゃんと自己紹介してなかったでしょ。今しなさい」
「は~い…私は口裂け女。ひどい事はしないから恐くないよ~。あとポマードは苦手じゃないよ。あ、でもポマード塗ろうとしたら、さすがに逃げるよ~」
「『ポマード塗ろうとしたら』って、そんな変態が居たら私も逃げるわよ」
「だね~」
「ところで、あんた幽霊のくせに怖がりだけど、夜はどうしてるのよ?」
「ん~?お泊まり?」
「は?」
「えっとね、知らない人の家に上がらせてもらってるんだ~」
「なにやってんのよ!」
「でもでも、ちゃんとお邪魔しますって言ってるし、お礼も言ってるよ。まぁ、姿消してるから聞こえないけどね」
「はぁ……念のため聞くけど、一人暮らしの男の家には泊まってないでしょうね?」
「なにか問題あるの?」
「あんた、女が男の家に泊まるってどういう事かわかってんの!?」
「私、幽霊だから大丈夫だよ」
「ダメよ!あんたのそういう脇の甘い所がのっぺらぼうみたいなのを寄り付かせるのよ!」
「……じゃあ、これからは女の人の家だけにする~」
「わかればいいのよ」
「おいおい、ゲストを放りっぱなしは関心しないぜぃ。尻子玉抜かれても文句言えねぇぜぃ」
「今世紀最悪のセクハラね」
「今世紀かはわからないけど、最悪のセクハラなのは同意~」
「勘弁してくれぃ、カッパジョークだよぃ」
「まぁいいわ、それじゃあ、今回のゲストのカッパと……あれ、あと1人は?」
「ほれ、俺の背中に隠れるんじゃねぇよぃ」
「う、うん」
「じゃあ、俺からでぃ!俺は妖怪界のキングオブキングのカッパでぃ!」
「花ちゃんと同じ事言ってる~」
「チッチッチッ、違うぜぃ。花子は幽霊界のトップ、俺は妖怪界のトップ…同じトップでも畑が違う」
「そういう事よ。お互いレッドオーシャンを生き抜いて頂点を取ったの。いわば戦友みたいなものね」
「レッドオーシャン?レッド…赤……血、オーシャン……海、血の海!私の知らない所でそんな過激な事してたの!?」
「違うわよ!経済用語で競争相手が多い分野の事よ」
「そういう事か~、安心した。あ、もしかして、パーちゃんが妖怪に拘るのは未確認生物のネッシーに勝てないから?」
「おおっと、聞き捨てならねぇなぁ、まるで俺が逃げ出したみたいじゃねぇかぃ」
「たしかに、あの知名度には勝てる気がしないわね」
「同じトップの者として、その発言は悲しいぜ、花子。仕方ねぇ、ここで妖怪と未確認生物の線引きをしようじゃねぇかぃ」
「聞こうじゃないの」
「まずは未確認生物!例えばだ、パンダやゴリラ。動物園では当たり前に見れるがよぉ、昔は未確認生物だったんだぜぃ。それが、未確認じゃなくなったのは生物として生態を観察できるようになったからなのよ!」
「へ~、初めて知った~」
「だが、ネッシーは目撃はされてるが観察が難しい、それで未確認生物なのよ」
「未確認生物の定義はわかったわ。じゃあ、妖怪は?」
「妖怪はな、昔から目撃されてるが謎が多い。探しても簡単には見つからない。そんな所だよぃ」
「ん~、それって……未確認生物となにが違うの?どっちも目撃されてるけど見つからないのは一緒だよね?」
「なんてこったぃ!線引きするつもりがより曖昧になっちまったぃ!」
「あの…」
「どうした、あずき?」
「幽霊と接触出来るか出来ないか…」
「おお、それでぃ!助かったぜ、あずき」
「えへへ」
「そんじゃ、次はお前ぇの番でぃ。出来るな?」
「う、うん…おいらはあずき洗い。いつもカッパの食べるきゅうりを洗ってる………」
「それだけなの?」
「え?う、うん」
「あんた、そんなんじゃ、目立たないまま終わっちゃうわよ!それでいいわけ?」
「ひぃっ!」
「花ちゃん、怖がらせちゃダ~メ!」
「ふぅ、こいつぁ今のでわかる通り人見知りなんでぃ。これくらいで勘弁してやってくれぃ」
「仕方ないわね、それじゃあ、今日はこのへんで終わるわよ」
「そだね~」
「ほら、あんたら別れの挨拶でもしなさい」
「おぅ!それじゃ、またどっかでな!」
「えっと…それじゃあ」
「はい、終わり!」
「なんか、終わりの挨拶とか決めたいね~」
「次の放送の時にでも決めるわ」
「うん!じゃあ、ばいば~い♪」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます