第38話 かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
【冬香side】
「願わくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月の頃 」
制服を受け取った帰り道に
西行法師の歌なんて、私達みたいな子供は興味がなければ知らないでしょうからね。
歌人であり僧侶であった彼は
如月の望月というのは二月十五日の釈迦の命日のことで、同じ日に逝きたい……という釈迦への
しかし、残念なことに西行法師が亡くなったのは二月十六日……
私も兄さんも転生者、それも二人共がブラック企業に勤めていた上で過労死しての転生だというのが分かっている。
兄さんとの情報交換の際に、いつしか二人で誓ったのだ。
今度こそ、ホワイトな人生を歩もうと !
かくとだに えやは伊吹の さしも草
さしも知らじな 燃ゆる思ひを ※
今、私の秘めた想いは隠しておこう。
せっかくの第二の人生、青春を大切にして欲しいから……
※あなたのことを、これほど好きだというのに言えないでいます
言えないから、あなたはそうとも知らないでしょうね
ちょうど伊吹山のさしも草のように燃えているこの思いを ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます