第39話 出逢い
【舞side】
入学式が終わり、新しい教室に入ると見知った顔を見てホッとした。
恭介を含めて、幼馴染みたちも同じクラスだ。
「おはよう、埼玉さん……三人いるから、『舞さん』と呼んでいいかしら ?」
青山詩乃が聞いてきたので、もちろんOKした。
「
私が青山さんに聞くと、彼女は複雑そうな顔をしながら、
「
見ると恭介は楽しそうにしながら、能美くんとお喋りしていた。
男友達の少ない恭介には珍しい光景だ。
それは、能美くんも同じようで、
「珍しいよね。 あの伸美太が男の子と仲良さげにお喋りするなんて……もっとも、ボク達のせいでもあるんだけど…… 」
それは噂で知っていた。
「どうだい、スゴイだろう~ !
鷺田が栃木兄弟に自慢している。
「クッ、羨ましくなんて無いっぺよ !
オラ達だって、悪元興業の北海ピンクレディーや阿呆鳥の御笑いライブを見に行くんだっぺ !」
不毛な争いをしていた。
一方、粕谷は教室の隅で一人目を瞑り座っている。
それを遠巻きに見ている男子たち。
担任教師を呼びに行っていた凄井殂と近衛が戻って来た。
また、クラス委員長をやる気らしい。
こちらとしては助かるけど、あんな面倒臭い役職をしたがるとは変な奴である。
近衛は凄井殂に他の女子生徒が近づいて来ないように、顕性しているのか、これ見よがしに凄井殂と仲良しアピールをしている。
まあ、恭介には劣るけど、他のガキっぽいクラス男子よりはマシな方だから仕方ないかな。
私達のクラス担任だった横須賀百恵先生は急遽、産休に入り代わりに非常勤講師がクラス担任に成ることが決まっている。
大学を卒業したてで、既に大江戸グループに就職が決まっていたのを拝み倒して来てもらったようだ。
かなり優秀な女性のようだが、……
ガラ ガラ ガラ !
凄井殂たちに案内されて入って来た女性教師は小柄で正直、スタイルが幼児体型……ツルペタだった。
生徒が席に座ると担任の挨拶が始まった。
みんな緊張している中、何故か恭介と冬香の顔色が悪い気がする。
「皆さん、はじめまして。
妾……私が皆さんの担任に成る、
皆さんと同じ先生では一年生だから、一緒に頑張ろう ! 」
私達の中学生活が始まった。
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