第19話 裏切り者
【能美伸美太side】
正義感の強い凄井殂が僕を罠に
凄井殂と茨城くんは同じクラスだけど親しい様子は無い。
体育館裏に着くと
「脛夫、ちゃんと言えよ !」
なんだかんだで面倒見の良いシャイアンは僕と脛夫の仲を持つつもりなのだろう。
「…………る」
「えっ ?」
「シャイアンが言うから謝ってやる !
ボクちゃま達が、やり過ぎたよ 」
あの脛夫が手を差し出してきた。
仲直りの握手と云うところだろう。
脛夫の言い草は、しゃくにさわったけど素直じゃ無い彼らしいと思い手を差し出そうとしたら、茨城くんに止められた。
「
その手に持っているモノは何 ?
とても友好的には見えないよ。
仲直りする気が無いでしょう、君 」
茨城くんの言葉に驚いて脛夫の手を見ると画鋲を持っていた。
シャイアンや凄井殂を見ると驚いていて、『自分は知らない !』と云う意思を示すように首を横に振っている。
「脛夫……お前、何を考えているんだよ !」
怒ったシャイアンが怒鳴ると脛夫は残念そうな顔をしながら、
「チッ、勘の良い奴め ! 伸美太だけだったら、絶対に
脛夫が邪悪に笑っていた。
「脛夫、お前『反省した』と言うのは嘘だったのかよ !」
悔しそうに悲しそうに言うシャイアンに脛夫は、
「シャイアンが悪いんだ !
伸美太なんか無視しておけば良いのに何故、ボクちゃままで謝らないといけないんだよ !
たかだか、
弁償したらいいのかよ、血統書付きが欲しいんだろう本当は ! 」
脛夫、君と云う奴は……
「伸美太、茨城、
二人に脛夫を謝らせようとしたのに、こんな結果に成ってしまって……」
シャイアンは本当に知らなかったのだろう。
顔を青くしながらも頭を下げて謝ってきた。
以前の彼なら見れない行為だ。
「鷺田くん、こんなことをして恥ずかしく無いのかい ?
さすがに
凄井殂が脛夫に忠告するけど、
「うるさい、凄井殂 ! 優等生ぶっているお前も気に入らなかったんだ !
シャイアンもシャイアンだ、ボクちゃまは別のグループに移ることにしたよ !」
脛夫が体育館裏に進むと学生服を着た上級生が現れた。
「ボクちゃまは中等部に上がったら、蛇骨会に入る。
もう、シャイアン達なんてお払い箱だよ !」
「……蛇骨会、ときめき学園の不良グループで高等部なら小等部にまで広がる問題児の集団だよ 」
優等生だけあり凄井殂が説明してくれた。
「へぇ~ ……でかしたよ、脛夫。
アタイ好みのお子ちゃま達が居るじゃないか 」
昭和の不良映画から飛び出して来たような
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