第6話 厨二病だって恋がしたい !

福岡姫子ふくおか ひめこside】


 必死に九頭龍珠緒くずりゅう たまおと一緒に逃げた。

 追ってくるのは、機動新撰組の一番隊 組長 沖田聡子おきた さとこと副長の土方歳絵ひじかた としえだ。


姫子ヒメ、二手に別れましょう!」

「了解、九頭龍クズ


 俺達は二手に別れ逃げる。

 ゲッ ! 俺の方を追いかけて来たのは、鬼の副長 土方だった。

 ヤバッ、 逃げ切れるか !?

 クソゥ、クズにしてやられたのか !

 胸は残念だが、その分の栄養が頭に行っているのか、クズは頭だけは良い性格は悪い


「どうした、自称 項羽▪▪ ▪▪。 腕に自信があるなら、この土方歳絵と勝負しろ ! 」


 鬼の副長、戦闘民族、戦闘狂バーサーカーと呼ばれるような奴と勝負しても面倒臭い。

 何故なら、彼女は勝負を挑んでくるだろうから……

 しかし、恭介は『項羽と劉邦』を知らないのか ?

 無難に三国志の『呂布と貂蝉ちょうせん』にしておけば良かったのだろうか ?


「随分と余裕じゃないか !?

 男に現を抜かすような奴に私は負けたりはしない !

 ましてや、厨二病なんかにはな ! 」


 余計なお世話だ、バカヤロウ !

 厨二病だって恋をしたいんだよ !

 木刀を振り回す土方歳絵は確かに強い。

 天然理心流は伊達ではない。

 だけど、呂布の生まれ変わりを名乗るのだって伊達じゃないんだ。


 バキッ !


 土方が打ち込んできた木刀を隠し持っていた特殊警棒で受け止めた。


「なにっ !アタシの打ち込みを止めただと !」


「まだだッ、まだ終わらんよ!」


 颯爽さっそうとした赤服グラサンの男へと気持ちを切り変えた俺は、自身の体内に気を練り上げる。そうだ、今度は俺の番だ。














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