第5話 一人脱落 !?

【埼玉愛side】


「愛ちゃん、まだぁ~。 恭ちゃんが心配しているから、代わりに見に来たんだけど……」


 真弓が迎えに来た途端に、さっきまで自信満々だった藤堂先輩の顔色が変わった。


「真弓お嬢様、わざわざ来て頂き申し訳ありません。

 もう、用件も終わりましたので、私が教室までお送りしましょう」


「そんな。藤堂先輩も忙しいでしょうから、わたしと愛ちゃんだけで教室に戻れますから大丈夫です」


 どうやら、真弓と藤堂先輩は知り合いのようね。

 わたしの疑問を払拭するように真弓が説明してくれた。


「藤堂先輩はウチの道場、千葉道場の門下生なんだよ、愛ちゃん。

 ウチのお父さんも藤堂先輩のことを褒めるくらい、強いんだって 」


 真弓のウチの道場と云うと北辰一刀流の道場よね。

 藤堂先輩の顔色が赤く成っているところを見ると、もしかして……チャンスかしら。

 上手くいけば、ライバルが一人減ることに……


「真弓。 私は、もう少し藤堂先輩と恭介を守る為の大事な話がありますから、先に教室に戻ってくれるかしら 」


「恭ちゃんを守る ! わかった。 後で、いろいろ聞かせてもらうからね 」


 真弓が教室に戻ったところで、藤堂先輩に話かけた。


「藤堂先輩、取り引きをしましょう。

 私と藤堂先輩の利害は一致すると思いますの。

 よね、藤堂宜虎とうどう よしこ先輩」


 悪く思わないでね、真弓。

 悲しいけど、これ戦争なのよね恋のバトル・ロワイアルなのよね


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