第10話
昼ごはんを買って帰ると、玄関に君の靴があった。
けれど、君の姿はない。
「テール?」
リビングにも台所にも、僕の部屋にもいなかった。
ひとまず洗面所兼脱衣所へ行くことにすると、風呂場の扉が開いていた。
「テール? 風呂ならもう洗ったけどっ……!?」
半身でのぞき込むと、風呂場の中の鏡の前で、水着姿の君が背中のホックをとめているところだった。
気づいた君はみるみるうちに真っ赤になって、磨りガラスの戸をバンと閉めた。
「……ごめん」
テールなりに、気にかけてくれていたらしい。淡い花柄のセパレートは、まぶしいくらい似合っていた。
────────────────────────────────────
この小説のトップページ(表紙)または最新話のページの『★で称える』の+ボタンをいっぱい押したり、ハートを押したりして応援していただけるととてもうれしいです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます