供養感覚で昔のやらかしを置いてくだけ
曲輪ヨウ
今思えば秘密にするようなことではない
これはまだ、曲輪ヨウが小学校一年生の頃の話。
え?今いくつ?そういうのは聞いちゃダメですよ。
「いいなー。Aの消しゴム!!」
「ええやろ!!」
ある日、関西圏から引っ越してきた友達、Aが動物の形をした消しゴムを学校に持ってきていた。
皆似たり寄ったりな消しゴムを持っていたので、クラス全員が物珍し気に見ていた。
M○NOかまと○るくんしか、皆持ってなかった。
自分はM○NOでした。
「ヨウ、皆には内緒やで」
「なにが?」
「これ、ヨウにあげる」
「いいの!?」
「母ちゃんに言うたら怒られるから、ほんまに誰にも言わんといてよ」
「分かった!!」
こんな微笑ましい(?)ことがあった。
Aは方言と元々の口の悪さのせいで、引っ越してきたばかりの頃は遠巻きにされていた。自分は吞気なのと口が悪い人間は祖母で慣れていたので、何も思わなかった。
それがAとしては、すごく嬉しかったらしい。
母親同士の会話で知ったので、本人から言われたわけではない。
でも自分で言うのもアレだけど、Aは自分にはすごく優しかった。
先生が「二人一組作れ」と体育で言った際、ぼんやりしてるせいですぐ余る自分を見て、既にペアがいるのも関わらず「ヨウと組む!」と言って聞かなかった。
そんなこんなで、Aの消しゴムを貰ったのですが次の日.......
「A、消しゴムどうしたんだろう?」
「なくしたのかな?」
なんて噂が立ち始めた。
Aと秘密にするという約束だったので、聞かれても知らないフリをしてた。
でも話はどんどん飛躍してしまい.......
「誰かがAの消しゴムとったのかな」
「絶対、そうでしょ」
内心、えーーーーーーーーーとなった。
今思い出しても、そんなに話が飛躍することってある?
しかも本人がいない所で、勝手に憶測されてる。
ま、まあでも大丈夫。どうにかなると思ってたら、たった一日でことは大きく進み、犯人捜しが始まった。
なんで本人不在&事実は不明な状態で、ここまで進むの!!?
そして、クラスの中心核達による荷物検査が始まった。
運良く自分の順番が来る前に、放課後になった。
が、もう気が気じゃなかった。
「どうしよ...明日は俺の番.......いじめられる.........」
普通に半泣きだった。
そして何を思ったのか、家の近所の砂場に消しゴムを埋めた。
刑事ドラマの見過ぎというか...幼さ故の突拍子のなさというか...
結局、このAの消しゴムについての話題は気づいたら消えていた。
でも何故か誰にも言っちゃいけない気がして、マジで今まで誰にも言ってこなかった話です。
自分でも「しょーもな」と思いますが、何故かずっと秘密にしてたんです。
もう時効だろうし(犯罪ではない)、供養感覚で書き殴りました。
終
供養感覚で昔のやらかしを置いてくだけ 曲輪ヨウ @kuruwa_yo_u
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