第1話
「この日が遂に来た訳ですね……」
能力測定から1ヶ月経とうとする頃。
才生高校に届いた書類を担任の
「今日ダメなら俺は
誰でもない虚空の前でシャドーする
「誰が悪いかってさ、結局待たさせるやつなのよ」
「なにしてんの?」
「びっ……あ、いや」
誰も見てないはずの時に限って見られてしまうのなんでだろう。なんでだろう。
「まあ、どうでもいいんだけどー。ねえ、1組の
「光?まあ……あ!いや、そんなに?」
幼なじみと言いかけて言いよどむ
「……ふーん」
「な、何か?」
「別に?あたし、
「はぁ……」
「なーんだ違ったのか。じゃーね」
「え、あぁそう?」
緑がかった色のツインテール。隣のクラスの姫菜と名乗る小柄な少女は興味が薄れたのか去っていった。
「なんだったあの子?」
○□∬+☆
「……はぁ、もうどうしたらいいんだ僕は」
「なに、どったの?話聞くよ?聞くだけだけど」
「しんたろー……聞いてくれるかしんたろー」
黒髪のショートカットに小さい十字のピアス。
④希少系の能力者で、
いつも友達に囲まれている幼なじみが人払いをしてかまってアピールをしているということは十中八九。
「
「……ふぇえ」
「ふぇえじゃねぇよ、ふぇえじゃ。この人たらしめ」
「それ、僕悪くないよね?」
「はいはい。次、俺の番ね」
「それこそ当ててあげようか?それの件でしょ」
茶封筒を指差す
「いや、少しぐらい成長してるよね?俺」
「そうだね、身長は伸びてないけどね。で、話は戻って僕の話ね」
「うぬ……」
バッサリ、あっさり話は終わり。
「実は、妙な話があってさ」
「なに、妙な話って」
「最近、天才狩りってあるんだって。なんでも、超能力の才能に満ち溢れた学生を、快楽の底に引きずり込むとかなんとか……」
「……」
「ちょ、
「しょうがない、この責任をとってお前の能力をもらいうけよう」
「そんなこと出来るわけないでしょーが」
「あ、あの」
「あ!あなたは」
「あなたはって、同じクラスの
「
「どうどう。テンションどした?落ち着け、STAY《すてい》。
「……」
②身体系の能力者。能力名は
本人の周囲半径500m、近未来予知は5分先の事までであれば外れた事がないという。
「ふぅ……あ、改めて。
「え、あぁ、
目にかかりそうな程長い黒髪。メディアがつけて広まった愛称、目神様。
「そーれーでぃ!」
「いった!?」
両手合わせて振り下ろした亜麻音の一撃はぎこちない距離の二人を両断するいい風となる。
「もしかして律ちゃん。天才狩りについて何か知ってるの?」
「何かというか、実はこういうのが私の机に入ってて……」
見澄が差し出したのは折り畳まれた紙。
ノートかルーズリーフであろうものに筆跡が残らないようにメッセージが残されていた。
「『頭ハH』」
「……えぇ?」
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