第2話

「速報です」

ラジオを聞いていた俺、リオの耳に、慌てた声が聞こえた。

「愛の神、ラナ様が御眠されたとのことです」

御眠とは、神様が亡くなられる事。

「神々は、新しい愛の神様を今年中に決めるとの事です」

新しい愛の神様って、どんな方かな…と考えていると、

「リオさん」

優しい声が聞こえた。振り返ると、

「森の神、フォレスティアです」

「フォレスティア…様…」

「ここで本題。ラナに聞いたところ、あなたに愛の神としての役目を引き継いで欲しいって。だからラナの代わりに愛の神をやってください!」

…は?

ちょっと何言ってるかよく分からない。

「愛の神は、いなければこの世に愛という概念が消えて、繁殖しようと生物は思わなくなる。そしたら、全ての生物が滅んじゃう。」

「俺が受け入れなければ、世界は滅ぶってこと…ですか?」

「まあ、そんな感じ。」

プレッシャーという文字が俺の上にのしかかった気がした。

「分かりました…」

「それじゃあ、ちょっとこっち来てください」

と言われて、家の外に引きずり出される。

「行くよ」

と言って、フォレスティア様は翼を広げ、俺の手を引っ張った。

…といっても、フォレスティア様は力が弱かった。

「お、落ちちゃいますよ…!」

「あ、ほんとだ」

そんな軽く言わないでください。人の命かかってるんですよ?

「よいしょっと」

気づいたら、俺は雲の上に立っていた。

「テレポート、結構魔法消費するんだよなー」

「すみません」

「大丈夫大丈夫!あ、父上が来た」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

なんか神様に気に入られて、神様になってしまいました 額田兼続 @Nekofuwa-jarashi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ