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第1話
愛の神、ラナは人間に化けて森に出かけ、ライトに勉強を教えさせられてるフォレスティアの代わりに、森の精霊達の様子を見に来ている。
「はぁ、
ため息をつきながら、精霊を含む多くの生物が住処にしている森の広場へ向かっていく。しかし、
ドーン!
という音がすると共に、ラナは激しい痛みを感じた。
「父さん…姉さん…兄さん達…ごめん、私、死んじゃう…かも…」
神は、不死身であり、怪我をすることはあるが、リュウの反感を買わなければ死ぬことはない。また、別の生物に変身もできる。しかし、別の生物に変身している時、神としての力があるだけで、怪我して重症を負えば死ぬかもしれないし、とてつもなく長い間その状態でおり、生物の寿命が来た時は死ぬ。また、傷を負っている状態では、神には戻れない。つまり、この傷が治らなければ死ぬと言う事だ。
「兄貴、見て!こいつをを打ち抜きましたよ」
「間抜けそうだが、顔は美しいな」
「こいつの首、晒して自慢しましょうぜ」
「…………」
意識が朦朧とする。治療を使おうとしても、力が入らず使えない。
ラナは、そんな中で、彼らの鞄からはみ出していた一枚の紙を見つけた。
-全ての神の中で、ラナを慕い、その教えを守り抜くというものだ。
ラナは、その信者達に、こう言った。
「無駄な殺傷はするな。必要最低限の殺傷をしろ。」
と。
「(これでも…食ら…え…罰…だ…[茎の金縛])」
茎の金縛とは、周りの植物を操り、対象を金縛り状態にする技。フォレスティアが考え、公開されておらず、フォレスティア本人とラナしか知らない。魔力はあまり使わないので、これくらいならできる。
「なんだ…!?」
「まさか…あの女が…」
力を振り絞り、テレパシーを使う。
『えぇ、そうよ…私は、貴方達の慕う神、ラナよ…』
神を殺ってしまった男達が驚愕するのを無視し、続ける。
『私は言わなかったっけ?無駄な殺傷をするな、と。今はここら辺では戦争は怒ってないし、私が化けていたのは貴方達と同じ人間。言ったよね?』
「…………………………」
『まあ、もういいわ。もう死ぬし。それじゃあ、天罰。[風船化]』
「ギャァァァァァ!」
男達は体が膨らみ、透けていく。そして、浮き上がる。
空気が薄い空の上では、おそらく凍え死ぬ。
「死にたくない…!」
木に捕まりに行った男も居た。しかし、
パァン!
割れて、破片が地面に落ちて行く。
(…もう、無理…)
そのまま、ラナは息を引き取った。
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