厄災と掌握


短いですが、重要回です。

次回更新は20日、月曜日になりますのでよろしくお願いいたします。


――――――――――――――――




束縛の鎖錠ロック


 第四魔錠マナロック……壊錠。


 第三力錠パワーロック、異常なし。

 第二才錠タレントロック、異常なし。

 第一神錠コアロック、異常なし。


 施錠対象、『ジャック』。



「……は?」


 第四魔錠マナロックが砕かれた。

 脳内に鳴り響いたアラートと浮かび上がるテキストに、少女は――少女の形をした厄災は茫然と声を上げた。


「は? は? 意味わかんない。何勝手に解除してんの? 死ぬの?」


 爪を噛み、少女は苛立ちを如実に表情に出す。


主人公ジャックの秘められた力を解放するのはヒロインアリスでしょ? 何勝手に覚醒イベント踏んでんだよ。どんな展開? 二次創作でも寒いわ、まじできしょい」


 目の前の机を足蹴にしながら、『転生者テンセイシャ』と呼ばれる厄災級の魔物が吠える。


「あーもう最悪。世界が自我出してくんなよ。チートでオールハッピーでしょ? やりたい放題第二の人生で酒池肉林でしょ? 魔王系妹ルート台無しじゃんか……あーうっざ。小さい頃から覚醒イベント全部踏んずけて来たのに……あのクソ女ども全員遠ざけたのに……」




「また、掛け直さなきゃじゃん、にーさん。劣等感煽って、折れたところで私登場。マッチポンプで最強主人公と、裏で手を引く影の妹。……まず邪魔した奴見つけ出して潰す。ぜってー潰す。主人公に甘くない世界とか、誰も求めてねーんだよ、ボケが」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る