英雄と災害
ヴェーム大森林での異変から数日後。
魔獣の出現とその討伐。
そして、七人目の
錯綜する情報に、大聖堂は揺れていた。
ヴェーム大森林での死傷者はゼロ。
依頼を出した『狂骨』エンダークは、「わり、失敗した」とだけ残してアルヴァリムを去った。
なによりの
彼の尽力で、皇女を発端とする事態は終息したと言っていい。
だがその少年の存在は、大聖堂にとって最も都合の悪い者へと変わっていた。
魔獣を討伐した少年。皇女誘拐犯の思惑を未然に防いだ少年。
七人目の
齢十歳にして次世代の英雄の片鱗を見せる彼は、相反して大聖堂の禁忌に触れてしまったのだ。
「
存在こそが禁忌なのだ。
大聖堂が
曰く――――天使の天敵。
人間から逸脱した存在である
絶対無敵の存在であるはずの天使。
過去、その中の一柱である
天使を殺害した人間こそ、
故に大聖堂はその存在を禁忌とした。
アルヴァリムの皇女を救った英雄か。
どちらにせよ。
少年はとっくに、常人の道を踏み外していた。
――――――――――――
一章終了。
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