第16話 ギルドプレート
「では、お名前とステータスをギルドプレートに記しますので少々お待ちください」
受付嬢は後ろに座っていた男性に先程の紙を手渡した。どうやらギルドプレートとやらを作成するみたいだ。
すると、再度こちらに向き直って俺の後ろに置いてある椅子を指さした。
「では、お呼びするまであちらにおかけになってお待ち下さい。もしくは他の方がいらっしゃいますとそちらの対応が優先になってしまいますが、簡単に冒険者ギルドの説明を致しましょうか?」
「ええ、お願いします」
俺は当然説明を受けることを選択した。話を聞いておいて損はない。
「わかりました。各所のギルドに寄っては設備は違いますが、受付があり、依頼書や賞金首の情報を貼る掲示板は何処にもあります。この街のギルドには酒場も併設されてますが、併設されてないところも勿論あります。武器屋や宿屋なんかも併設されているところもあります」
あれが掲示板か……文字は読めないが似顔絵みたいなのはわかる。多分あの似顔絵は賞金首なのだろう。
「俺みたいに依頼書が読めない人はどうするんですか?」
「ギルドプレートを見れば冒険者ランクがわかりますから適した依頼をこちらで斡旋することも出来ます。ただ、あっせんに関しましては有償になります」
なるほど、読み書きが出来なくても大丈夫なシステムはあるようだ。有償なら当分アリアに頼むしかないかな。俺も少しは読み書き出来るようにならないと、アリアに頼りっぱなしになってしまう。
そんな話をしていると、先程の男性が何かを受付嬢に手渡した。受付嬢は裏表を確認してから、カウンターの上にそれを置いた。
「はい、お待たせしました。これが貴方のギルドプレートです」
俺はギルドプレートを手に取った。素材は分からないが、金属っぽい触感だ。表に何か書いてあるのは多分、名前やステータスなのだろう。裏には何も記されていなかった。
「このギルドプレートがあれば冒険者ランクが分かりますし、ステータスを相手に教えることが出来ますから、パーティーを組む際に必要になります。ステータスの更新等で新規作成したい場合有償で承りますが、冒険者ランクが上がる際には合わせて更新しますので、その時は無償で行えます」
「なるほど……」
「旅をしている際に誰かのギルドプレートを見つけた場合は回収して冒険者ギルドにお持ち頂ければ、幾ばくかの謝礼はさせて頂きます。紛失した場合は届けがある場合がありますので、冒険者ギルドにて確認して下さい。最後に……冒険するにあたって、冒険者ギルドではすべての冒険者をこのギルドプレートにて管理しております。当然、冒険するにあたっては命の危険もありますし、落とすこともあります。御家族にはこの番号をお伝えしておいて頂ければ、もし回収された場合は遺品としてお渡し出来ます」
「わかりました。ありがとうございます」
俺は礼を述べてギルドプレートをポケットの中にしまった。
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