第11話 【失踪】

カレーを食べた俺たちは、片付けをして風呂に入ることになったんだが、風呂の時間までは、自由時間らしい。



『なぁ、お前ら自販機ってどこにあるか知らねー? 』

『うーん、さぁなー』『見てねぇなー』



「伊川は?」


[あぁ、自販機ならば、1ヶ所だけ。この下の階でだいたい宿泊部屋の下辺りにある。]


『おっ、サンキュー』


「よく分かったな、使ったのか?」

[いや、昼間にこの施設を全て調べただけだ。]

「あぁ、あん時か!! 追い出された後の…あの短い時間で!? 相棒は、やっぱ、すげぇなー」


[よせ…普通のことだ]

<照れてやがるw 褒められるのに弱いなー相棒は…>


『たっだいまー!!! しっかし五つ矢のサイダーが500mlで190円したぞ、ボッタクリだー』

「島なんだし、仕方ねぇよ」



加藤が階段から下りてきた……


『なぁ、加藤、上の階で何してたんだ? 』


『えっ!? 自販機でジュースを買いたくて…でも、なかったけどなー』

『俺と同じか~それなら、下にあるぞ! 』

『えっ!? そっそうなんだー……じっ、実はさ、トイレに行ってたんだよー』


『おっ、おぅ……』

『えっ? 』



[……そろそろ、風呂の時間だ、男ども、とっとと行くぞ…渡も行くぞ]


皆が出ていくなか、伊川は、振り返り…


[加藤、落ち着け……]

[少し夜風に当たるといい。んじゃ、また後でな]






『きもちいーーーー』『ごくらく、ごくらくw』

『ぷはーーー』


『背中洗ってやるよ~』『おっいいねー』『やろうぜ、やろうぜー』


「伊川は俺となー」

「なぁ、伊川、背中の傷は、どしたんだ? 」



[大したもんじゃない……ただの失態だよ…昔のな…]




30分後


[先生、全員出ました。]

『おっ、そうかー。皆には、寝る準備するよう言っといてくれー』

[分かりました。]










『さぁ、みんなー、消灯の時間ですよー』

『7時に起こしに行くまで、部屋の外にでないでくださいねー。それじゃー、おやすみなさい』






7時


『たっ、たっ、大変です!! 』『先生方来てください!! 』


7時5分

『入るよ!! いない? いない…』


『なんだ? なんだ?』『どしたんだろー』『さぁ?』

『女子に聞いたんだけど広松がどこにも居ないんだってー』




[なんだ。この騒ぎは……尋常ではない…]


『広松がどこにもいないんだって』

(なに!? ………まさか!? だが…)



『奏に電話してみよーぜ』『そうだな、そうしよーぜ』

プルプルプルプルプルプルプルプル



『おっ! 繋がった。奏かー? どこにいるんだー 』


『話せよー』



シーーーーーーーーン


ツー ツー トン トン トン

トン トン トン ツー ツー ツー トン トン トン

トン トン トン ツー ツー ツー トン トン トン


[おい、それ、ちょっと貸せ! ]




[(またか…運悪すぎな……)ツー ツー ツー ツー トン ツー

ツー ツー ツー ツー トン ツー じゃあな。]


『勝手に切るなよ』『奏、電話に出たんですけど、伊川くんが切っちゃいました。』


『ちょっと伊川くん! 説明して!! 』





[……はぁ…先生たち集めてください。ちょっと下に]




『さっ、説明してちょうだい! 』


[流れてきたのは、トン、と、ツーです。情報処理部顧問の林田先生、化学部顧問の小島先生、心当たりは? ]


『えっ!? まさか!?』『モールスか…』


[ええ、その通り、モールスです。流れてきたのは、

トン トン トン ツー ツー ツー トン トン トン

です。


意味は、S O S。助けて です。]






































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