第8話 【親友】
(軽いな……だが…お前もか…)
{//なぁ、プリンス! ここのクレープうめぇだろーwww//
[あぁ…そうだな……だが、なんだ、そのプリンスってのは…]
//えー、お前のニックネームだよー、お前は、"伊川おうし"だろー、だから、王子 に変えて、プリンスだよー//
[なんだ、そのキテレツな渾名は…呆れて、何も言えん……]
//えー、そうか~? 俺の趣味だから悪くねぇと思うがなー。まぁ、クレープ食ったら友達だって、よく言うだろーwww//
[脈絡ないな…お前。そんな言葉聞いたことないがな……]
//まぁまぁ、いいだろーwww・・・・・//}
『それじゃ、伊川くんは、料理係ってことで、渡くんは、立端もあるし、火起こしねー。はーい、他の人もどんどん決めてくよー』
コンコン、ガラガラ
『失礼します。中川先生Aの方は、粗方決まったんで、そろそろ…』
『あっ、ありがとうございますー。分かりました~。こっちも決まったんで、そろそろA組の方に移動しますねー』
『あの娘めっちゃ可愛くねぇーかw』『ほんとほんと!!』
『でも、広松が、一番じゃね』
『わー文ちゃんだー、こっちこっちー』
『ザワザワザワザワ』
『アイツ、ホントに黒い格好だぜwww』
『指差すなって…』『なんでも、めっちゃ口悪いらしい』
『目つきわっる…こぇーー』
『伊川くん…絶対…話しかけて……仲良くならなくっちゃ』
『奏、ブツブツ何言ってるの?…怖いよ…燃えてるの?』
『うんうん、なんでもないよー、ゆうちゃん』
『はい、じゃあ、まずは、到着してからの挨拶する人決めてくよー。』
・
・
・
・
『それじゃあ、伊川くんは帰る時の挨拶、お願いねー』
(はぁ、めんどうだが……仕方ないな。職員室調査のためだ…)
[分かりました……]
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
『じゃあ、今日は解散ってことで……気をつけて帰るんだよー』
『ねぇ、伊川くん……。』
[…なんだ……広松…奏]
『えっ!? 覚えててくれたんだ…嬉しいな!! …5年も前なのに…助けてくれて、ありがとう!! 』
(忘れるわけないさ……アイツとの最期の事件だしな)
[だが、あの時、無傷で…助けられなくて……悪かったな…女の命とも言える顔に…消えない傷をつけてしまった……]
『うんうん、謝らないでよ…あの状況だったから、命あるだけで儲けもんだよ。ねぇ、君の隣で私を襲おうとしてた犯人を遠ざけてくれたハイネックのお兄さんは? 元気? あの人にもお礼が言いたいんだー』
[っ!? あっ…あー。それを聞いたらきっと喜ぶ…。]
初めての体育の授業
『それじゃ、体育の授業の説明をします。体育は、A、B合同授業です。主に屋内スポーツをします。夜のグラウンドは危険だからね。』
『する競技は、バドミントン、バレーボール、バスケットボール、雪が降るような寒い季節は、卓球をします。今日からしばらくは、バドミントンをする予定です』
『授業が始まるまでに着替えられてたらベストかな、でも廊下は走らないでね。着替えられてなくても遅刻扱いとかにはしませんから。体育館にさえいったら、セーフね、OK? 』
『はい、着替えてらっしゃい』
『あの…先生…』
『どしたー、加藤? 』
『えーーーーっと登校の段階で下に着ててはダメですか? 』
『うーん、運動したら汗かくやろー、それで帰らせる訳にはいかんからな…まぁ、授業終わって絶対に着替えるなら、許可するけど…どうする? 』
『着替え、持ってくるんで、それでお願いします。』
『よし、それじゃ、みんなもそうしたいなら、それでも構わないからね』
「なぁ、伊川、俺とペア組もうぜ! 」
[はぁ……構わないが…期待するなよ……私は運動が苦手なんだ……]
パンッ、スカッ… パンッ、スカッ…
<伊川、運動音痴か…笑いそう…堪えろ、俺w あの真剣な顔…いかん、笑ってしまう……w…ww>
(あれで、隠しているつもりなのか……笑ってるじゃないか…だが私は苦手なんだ…どれほど練習しても上達しないんだ…)
[私は頭脳労働専門なんだ…それにしてもお前は上手いもんだな…フォームが崩れない……]
「ブフッw まぁなー。へへ~ん運動は得意なんだよ。」
「伊川、サーブ打ってみろよ」
[期待するなよ……]
「ネットさえ越えれば打てるからさー」
(ふーーーーーぅ、よし)
フッ…………ポトッ…
ガーーーーーーーーーーーーーン
「ブッワッハハハハハハwww、ヒィヒィヒイ、ワハハハハハハwww」
「だwいwじょうぶだって…www」
(やはり、運動は苦手だ……)
合同会議より一週間後。
引率は、学年主任の小島、A担任 林田、B担任 中川、副担任の 細川、そして、養護教諭の高山。
参加生徒はA、B合わせて、19名。
『さぁ、着きましたよー七色島!!』
『いいお天気で、よかったですよねー』
(あぁ嵐にならなかった…やはり、てるてる坊主の逆向き、あれは迷信か)
荷物を置いた俺たちは、レクリエーションとして島を探索することになったのだが……
施設の裏口を見た、伊川は、裏手に歩きだした。
「どした伊川~」
(真新しい靴跡。27cmのトレッキングシューズか…。だが、なぜ、こんなところに……っ!?扉の鍵にピッキングの跡…)
「なぁ、伊川ー、どしたー?」
[渡、この靴跡見てどう思う? ]
「どうって、施設の人が使ってんじゃねぇか? それより、行こーぜ。みんな待ってる。」
(施設の人間に、トレッキングシューズを履いてるやつは、いなかったが……あのピッキングの手口どっかで………思い過ごしか…或いは…後で、調べてみる必要はあるな…)
壁から覗く……ニット帽の男が…1人…
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