第2章【宿泊研修での誘拐と黒幕】

第7話 【友情】

伊川くん、あの格好で、抹茶スイーツには目がないらしいw

ちょっと、意外だったなー

俺もスイーツ好きだから、仲良くなれそう!!

あっ、そうそう、伊川くんのヒールみたいな音は、革靴の踵の音みたい、なんでも、大切な友だちの趣味で、丈夫な木製らしい。哀愁漂うって、あんな感じなんだろうな…ヒールって言われるとイメージするのは、女性もののピンヒールだけど、紳士靴でも、ヒールって言うらしい……物知りだなーw





キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン



『はい、今日の総合学習は、来週の宿泊研修の為の会議をします! 』

『待ってました~』『授業じゃねぇなら、なんでもいい~』

『なにするんだろうね~w』『さぁ?どっかの海で囲まれた島に行くらしいぜー、部活の先輩が言ってたー』『船で行くしかないってか…』


<あぁ、入学者説明会で言ってたやつか…クラス間の融和を目的としたってやつか……>


(アホくさ……めんどくさ…どうでもいい…あぁ、嵐にならねぇかな…)



『西高校定時制1年次の恒例行事、七色島にある研修所で行う1泊2日の宿泊研修です。でも人数が少ないから、班とかは作れないので、大したことは決めないです。ただ、この時間の後半は一応、施設の人への挨拶とか、ラジオ体操の指揮とか、細々したことを、A組と合同で話し合います。じゃ、まずはB組だけで決められる、夕食、カレー作りの分担と火起こしの分担を決めまーす。』


『ザワザワザワザワ』



『ねぇねぇ、伊川くんは料理とかできるん?』


[ん?あぁ、1人暮らしだからな…一応はできるが、それがどうかしたか?]


『先生の話、聞いてなかったの!?』


[カレーを作るだけで、料理の上手い下手は、関係ないと思うがね…そうそう失敗するような物でもないだろうに……]


『どうせ食べるなら、美味しいものがいいかなーって、ダメだった? 』

『文ちゃんにそんな言い方しなくてもいいじゃん! 』


[まぁ、そんなに熱くなるな…大里。ん? 文ちゃんって、誰のことだ? ・・・]


『君の前に座ってるでしょ! この娘、荒川文花っていうのー、知らないの? 』



[あぁ、そうだったのか…へぇー、荒川文花っていうんだな…名前覚えてなくて、悪いな……ええっと…荒川さん?]



『うんうん、全然いいよ…、なんかごめんね、印象薄いよね…よく言われるんだ、覚えてくれると嬉しいな……(モジモジ)なんて…』

『文ちゃん可哀想!!!!! 伊川、てめぇ、ひでぇぞ!!!!! 私の文ちゃんに謝れ!』


[だから、謝ったろ…それと、私のってなんだ? そういう仲なのか? ]


『違うわーw 私たちガールズは友だち、まぁ、心の友ってやつなんですー、君にはわかんねぇだろうけどな、いかにも友達いませんって感じだもんなw 』


<伊川を恐れず、ハッキリ言えるやつがいるんだなー、大里ゆめ、恐るべしwww>

「まぁまぁ、その辺にしとこーぜ。伊川も、もうちょい気を遣えよなー、大里のその感じ、俺からしたら、ナシよりのアリだな」





ガバッ…黒い男が、席を立つ。コツッコツッコツッ……静かに窓へとあるき…窓から見える暗くなった外を眺めながら……


寂しそうに…懐かしむように……



[あぁ…私には……友など………いない。そもそも必要ないからな…。]

[お前たちは、ことあるごとに……友だちだの、友情だのと口を開くがそれは本当の友情か? ただ、独りになりたくないだけの、仮初のものじゃないのか? いつも思うんだ…本当の友情とは、想っても言わないものじゃないのか…とな。その友の為にお前は、いやお前たちは……命を懸けられるか?]




シーーーーーーーーーーーーーン

<誰も口を開けない…大里も、先生も…ポカンってしてる…>


「なぁ、伊川、そんなに深刻に考えるなよなーwそんな機会そうそうあるもんじゃねぇだろー。一緒にクレープ食べたら、友達だろ!! なっ!!」



(軽いな……だが…お前もか…)

















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