第4話 【呆然】

伊川くんって、スゲェなー。ホントに同級生かってくらい、観察してる。もしかしなくても、あの事故は、ホントは事件なんじゃ……めっちゃ気になる。後で、絶対伊川くんを捕まえるぞー!




<委員長が、決まらない!! 誰も手を上げない、俺には向いてないけど、やるしかないか…。よし! いや…でも、うーーん>



『うーーん…困りましたねー。じゃあ、私が推薦してもいいかなー? 私が推薦したら、拒否はしないでほしいなー』

『先生いいよー!』『いいぜー』『意義なーし!!』





『伊川くん、任せてもいいかなー?』

<えっ!?えーーーーーーーーーーーー!>

(はっ!?はーーーーーーーーーーーー?)



『実はね、元々決めてたのよー。昨日、みんなには書類を色々提出してもらったんだけどね、クラスと番号は、知らなかったはずよね。だから、みんなのには私が書くつもりだったし書いてたんだけども、伊川くんだけは、クラスと番号を書いてあったのよ、ビックリしちゃって…。つまり、初登校してきて、番号見て、書いたとしか考えられなくて、しっかりしてるんだなーって思ったの。そして、さっきの渡くんとの会話。正直驚いた。そんなに分かるなんて、みんなのことをよく見てる証だよね。まぁ、口は悪いし、自分勝手な行動も見えるけど、きっと、大丈夫だろうと思うんだー? どうかな? 』


[えっ…普通に嫌です……。でも拒否しないでって言われましたしね……(まぁ、委員長なら職員室に入って調べても…)]





[分かりました、やります]


『やってくれる!? よし! 伊川くんに拍手! 』


パチパチパチパチパチパチパチ


『じゃあ、副委員長はー…わt』

「俺にさせてください!!」

『えっ…あっ、うん、じゃあみんな任せてもいい?』

『いいんじゃねw』

『じゃあ、渡くんに拍手』


パチパチパチパチパチパチパチ


<これで伊川くんと話せる…>



『じゃあ、委員会を決めていこうかなー』

『はーーーい』














キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン


『委員会も無事決まったし、じゃあ、気をつけてね帰ってねー』



「伊川くん、ちょっといいかなー?」


[なんだ…]


「2ヶ月前の崩落事故、覚えてないかな?」



[っ!! お前も居たのか…。あぁ、そういえばいたな…こいつ…。だから、無防備に手を合わせてたんだな……]


「それでね、君は、こう言ったんだ……Murder って、これってどういう意味なの?」



[過ぎたことは忘れることを奨める。]


「ねぇ、もしあれがホントに殺人なら、犯人はのうのうと生きてるんだよ! 忘れていいの!? 許していいの? 罪は償わなくちゃいけないよね! どうして、どこも殺人だって、報道してないの? 」






シーーーーーン

徐に口を開く…探偵……何を語るのか


[はぁーーーー。私は警察ではない、ましてや、記者でもない。つまり公表も発表もする立場にない。私の興味が湧かなければ、動く気はない。]

[端的に言えば、事件にも犯人にも動機も興味なし。それだけのことだ。]

[いいか!! お前は、ただの学生だ。興味本位で手を出していい山ではない。それに、正義を振りかざすのは、よしたまえ。身を滅ぼすだけだ。]













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