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わわを

第1話

「シルフェ」


真っ白な手に、べっとりと赤い血が付着する。


「シルフェ」


虹色の瞳が血塗れになっている少女を見落ろす。


「シルフェ、あなたが好き」


無表情、真顔。でもその顔は、血の通っていない真っ白な顔でも、どこか人間らしさを感じられた。


「私にはあなた以外いらない」


血塗れになっている少女を抱きしめ、噛みしめるように、自分の気持ちを確かめるように囁く。


「だから」


虹色の瞳が#9900FFに光る。その瞳には憎悪が、殺意が、呪いがこもっているようで。


「皆。消しちゃうね」


でもどこか、血塗れの少女にはやわらかい光で。


「存在も。何もかも。許さない」


血塗れの少女は、悲しそうに目を閉じた。

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