第44話 ~真央の小説~ 論外
~真央の小説~
(作者注)演出上、かなり読みづらいので読まずに飛ばしてオッケーです!
俺の名前は黒野真央、最強の異世界転生者である。容姿こそ親からもらった濡れ羽色の黒髪以外は目立つところのない平々凡々な俺であるが、その攻撃力は魔力によって超強化され一撃で大地を粉々に粉砕するほどに強大無比であり、剣を一振りするごとに大気が恐れ
そんな最強たる俺にとって――
(以下、延々と続くので割愛)
「魔王さま、最初からツメツメな上に漢字がいっぱいでー。スマホの説明書みたいでー。だから読むのがすっごくしんどいですぅ」
冒頭の冒頭しか読んでいないであろうロゼッタが、あっさり読むのを中断すると、スマホを机の上に放り出すように置いて、呆れたように言った。
「なっ……んだと……っ!」
会心の力作が超が付くほど雑に低評価されてしまい、俺は思わず絶句してしまった。
そんな俺を横目にロゼッタはルミナに会話を振る。
「ルミナちゃんもそう思うよねー? もーこれ、すっごく読みにくくない? 目が滑っちゃうんだけどぉ」
「ええっと、もう少し文章を短く区切ったり、せめて改行を増やしたりした方がいいかなとは、ちょっと思ったかもです。ですが、ちょっとですよ? 私も人のことは言えませんから」
「そ、そうか……そんなに読みにくいか……」
ドストレートにぶった切ってくるロゼッタと、明らかに俺に気を使いながら問題点を指摘してくれたルミナの態度に、俺は己の敗北を痛感した。
「魔王さま、普段読んでるのとぜんぜん違うなー、とか思わなかったんですかぁ?」
さらに追い打ちをかけてくるロゼッタ。
別に俺をバカにしているわけではなく、本当に思ったことをただ素直に言っているだけなのは分かる。
ロゼッタはそういうストレートに思ったことを言ってしまう女の子だから。
だがしかし!
いつも失言ばかりして俺を窮地に追いやってくるアホの子ロゼッタにダメだしされると、言いようのない悔しさがこみあげてくるんだよぉ!
「うるさいな。俺にも不得手はあるんだよ」
「あははー、魔王さまにもできないことってあるんだねぇ。なんか新鮮だー♪」
楽しそうに笑ってくるが、これも煽りとかでは全然ない。
ロゼッタは本当に素直に思ったことを、ただただ口にしているだけだから。
しかし分かっていても、さんざん俺を窮地に――(以下略
「そういうロゼッタはどうなんだよ?」
ルミナだけでなく、この頭脳明晰な俺ですらこんなにも苦戦するんだ。
執筆というのは、どうやら思っていたよりもかなり難しい――というか専門性が高いと俺は感じていた。
つまりロゼッタだって執筆は初めてなんだから、俺やルミナと大差ないものしかできていないはずなのだ。
死体蹴りしながら余裕こいて笑っていられるのも今のうちだぞ!
さぁ見せてみろロゼッタ。
俺がじっくりガッツリとチェックしてやるからな!
「じゃあ投稿するねー」
ロゼッタはまったく臆することなくそう言うと、自作小説を投稿した。
その内容とは――
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