どこでもドア持ってるのに拉致られてスパイをやらされるオレは金髪凶暴女から逃げれない
真心 糸
第1話 どこでもドアぁ
「ふぁ、眠い、、」
時刻は8:45
本日は平日、会社は休みじゃない
オレは営業職なので在宅勤務はなんて素敵なもんはない
スマホの時計を見て、就業開始まであと15分しかないことを確認する
「ねむい、、昨日も遅くまでラノベ読んでたからなぁ、、
ふぁぁ、、」
大きめのあくびをしながら洗面台に向かう
髪を整えてからスーツに着替える
8:55
「そろそろ行くかぁ、、だる、、」
オレは玄関に向かい、革靴を履いて、ポケットからガサゴソと鍵を取り出す
それは、古びた洋風の鍵で、どう見ても現代日本のアパートの鍵には見えなかった
というか、玄関を出る前からなんでコイツは鍵を取り出したのだ?
スッ
男はいつものことだといわんばかりに
玄関のドアに鍵を差し込んだ
内側に鍵穴なんてない
しかし、鍵がさされたドアノブはやんわりと光りながら鍵を受け入れていた
ガチャリ
男が鍵を回す
「じゃ、会社の男子トイレで」
言いながら、目をこすってドアノブに手をかける
ドアを開けた先は、アパートの外ではなく
男が勤務する会社の男子トイレの個室、、
のはずだった
チョロロロロ
「なんの音?」
目をこすっていた手をどけ、両目をあけて前を見る
男子トイレの無人の個室を指定したはずだ
人がいるはずはない
しかし、目の前のトイレの便座には
女が座っていた
「やっと来たか、クソヤローが」
金髪碧眼のロングヘアの女だった
しかし口が悪い
そいつは便座に座って、タバコを吸いながら銃を構えている
オレに向かって
「は?はい?」
女?タバコ?銃?
てか、すげースタイルいいな、、日本人、、じゃないよな?
金髪のその女は鋭い眼光でオレを睨んでいて、白いタンクトップにはバインバインの果実が詰め込まれていた
チョロロロロ
しかし、それよりも、この水音が鳴っている先が気になってしまう
オレの目線は、自然とその人の下腹部へ向いていく
「見せもんじゃねーぞ、、」
その金髪女は、デニムの短パンを下ろして
絶賛オシッコ中であった
金色のものが金髪の陰毛の間から放出されていた
「おぉぅ、、あへあ??
オレ、昨日こんなAV見たっけ?
そっか、夢か、、かえろ、、」
男は踵を返す
Bang!
突然の爆音
それがなんだったのかはすぐわかった
目線のすぐ横、右側の扉の板に風穴を開けていたのだ、銃痕だ
あ、、ここ会社なのに?、、警備員くるんじゃね?
男は、銃痕を見て、寝惚けた頭でそんなことを考えていた
「待て、戸塚明(とつか あける)」
後ろの女から声をかけられる
カラカラカラ
トイレットペーパーで何かを拭き拭きする音が聞こえてくる
カチャカチャ
おそらくベルトを閉める音だろうか
あ、オシッコ終わったんすね、おつかれっした
「おいおい、ご挨拶だな
人の恥ずかしいところを見学しておいて、なんも言わねーとはなぁ?
あーん?」
とても恥ずかしそうには聞こえない声色で金髪女が話しかけてきた
そして、
左肩を掴まれる
さらには、右側頭部にゴリッと銃口を突きつけられた
おい、手洗えよ、触るならさ
なんて考えるが状況は変わらない
帰りたい、、
「おまえの平穏は今日までだ
これから、おまえには我が国のスパイとして働いてもらう」
「なんでそんなことを?イヤだが?」
堂々と拒否する
オレは断れる日本人だ
「おまえに選択権はねぇよ
うちの大将とテメェのジジイが魔法で契約してるからな
テメェにその鍵を渡したジジイがな」
「じいちゃん?鍵?はて?なんのことやら?」
とぼける、全力で
「ぶっ殺すぞ」
ゴリゴリ
頭に銃口がががが
「やめてください!!鍵なら差し上げますから!
へいおまち!」
オレはくるりと振り返り、
寿司を握るように、女の胸に鍵を押し付けた
ぽいんっ
柔らかかった
タンクトップをパツパツに引き伸ばした、ご立派なものがそこにはあった
「おぉぅ、、すんごい、、」
「てめぇ、、オシッコだけじゃあきたらず、、
オッパイまで、、許せねぇ、、」
「おお?」
上を向くと、綺麗な碧眼がオレを睨みつけていた
瞳の色は綺麗なのに表情は激おこだ
てか、こいつ話し方は暴力的だし、筋肉質だから意識してなかったけど、
結構美人じゃね?
「おまえ、、俺の旦那様にしてやるよ」
「は?」
「つまりスパイファミリーってやつだ」
「最近流行りの?」
「何言ってんだおまえ?」
「おまえがな?」
Bang!
頭の左側にも風穴が開く
「ドードー!落ち着けよ!」
「テメェが俺をからかうからだろうが!」
「からかってないよ!
オレにはキミみたいな美人は勿体無いさ!
じゃあまたね!」
あわてて方向転換し、鍵をドアに差し込む
自宅に逃げるのだ!グッバイ!
「待てよ」
むぎゅ
後ろから抱きつかれた
逃げれない
てか、おぱーいが、、すごい、、
「イクぞ、、」
耳元でなんだか色っぽい声で囁かれる
「ど、どこに?」
「グリザリア帝国」
「ぐ、ぐりざりあていこく?」
ゴクリ、、喉を鳴らしながら、つい復唱してしまった
ガチャリ
すると、女が勝手にオレの鍵をひねっていた
「お?」
ドン!
オパーイが離れたかと思ったら尻に強烈な一撃を喰らう
オレはなんの抵抗も出来ずにそのままドアの向こうに押し込まれてしまった
あのやろう!蹴りやがったな!?
「へぶっ!」
そして、ドアの先の地面に倒れ込む
「連れてきたぜ~、大佐~」
後ろからダルそうな声で女がついてきた
「大佐?」
顔を上げると、
そこは作戦会議室のような部屋で
光り輝くモニタに照らされた軍服のオッサンがオレを見下ろしていた
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