第2話:タイムキューブから現れた女。

さて時代は1980年、昭和55年の桜の咲く温かな季節。

携帯なんてまだ普及してない時代。


ちなみに、はじめて携帯電話が普及したのは1985年。

N◯Tから発売された「ショルダーホン」デカくて重たい携帯電話だった。

1990年には便利さと安さでポケベルが大ヒットした。

2000年代になると買い物ができる携帯などが登場して、2010年以降スマートフォン

の時代となり現在にいたっている。


俺「青山 大輔あおやま だいすけ」は「長澤 桃ながさわ もも」が自分を求めて過去からやって来てること

なんか知りもしないで、真面目に仕事して適当に遊んで特に劇的な出来事もなく

日々平和に過ごしていた。


最近は忙しく、出版社の依頼でカメラ持参で日本中飛び回っている。

久しぶりにマンションに帰って来たものの、疲れがピークに達している

からか変な夢を見るようになった。


夢の中で未来にタイムスリップして未来の女の子とラブラブなことをしている

美味しそうな夢・・・そんな夢を毎日のように見ていた。


俺がSFやその手の漫画や本が好きで読んでいたこともそんな夢を見る要因に

なっていたかもしれない。

で、結局未来の女の子に告って、いざこれからって時にかならず目が覚める。

でもちゃんとジ・エンドを迎えた試しがない。


「ああ、なんだよ・・・毎晩これか? 中途半端な夢」


変な笑いしかでない。


俺は寝ぼけ眼で一旦起き上がると洗面所へ行って顔を洗った。

で、ベッドまで戻って来ると、そのまま二度寝するつもりでベッドにダイブ

しようとした・・・その矢先、眼の前のベッドのど真ん中あたりが光り始めた。

光はどんどん強くなって大吉が見てる目の前に四角い箱がピョコンと飛び出した。


ピンク系のメタリックシルバーの50センチくらいの箱「キューブ」


「な?なにこれ?・・・まだ寝ぼけてる、俺」


するとその箱から、にゅ〜って片方だけ腕が出てきた・・・そして続いて

頭が・・・。


俺はその光景を見て腰を抜かしそうになった。


「え?なにが起こってるんだ?、箱から誰か出てきてるぞ」


「すいません・・・あの腕を引っ張っていただけませんか?」


「え?ああ・・・」


そう言われて大吉は、言われるままに出てこようとしてる人物の腕を

引っ張った。

箱から出てきたのは、どこから見ても女の子。


「このタイムキューブ窮屈なんですよね」


「君・・・ダレ?」


「あ、驚かせてごめんなさい」


キューブから出てきて女の子は改めて自己紹介した。


「私、長澤 桃ながさわ ももって言います、未来からやって来ました」

「名前は漢字で、果物の桃と同じ字です」


「はあ、どうも・・・って未来?」

「今未来って言った?・・・まじで未来? え?未来だよね、未来?未来って

あの未来?・・・うそぉ」


「そうです、今あなたが七回も言った未来からです」


にわかには信じられない光景と彼女・・・なにかのサプライズ?

誕生日でもないし、記念日でもない・・・そんなことされる身に覚えはないし

またそんなことをする奴もいない、彼女の美穂だってもうそんなことは

しなくなってる。


「あ、ごめんなさい、ちゃんと説明しないと分かりませんよね」

 

そこで桃は自分の時代、!00年後に何が起きたか大吉に分かるよう説明した。


「ほう、100年もすればタイムスリップとかできる時代になってんだ」

「だけど未知のウイルスは阻止できなかったんだね」

「なるほど、いつの時代でも男は歴史の犠牲になるんだな・・・」


「で、君は自分の彼氏を探すためにこの時代に来たってわけ?」

「で、俺に白羽の矢が当たったってわけね」

「あのさ、男って他にも大勢いるでしょ、なんで俺だったの?」


「あなたの承諾も得ず、来ちゃってごめんなさいですけど、ご相談したくても

できなくて・・・迷惑だったでしょうか?」


「そりゃ100年も時代が離れてたら相談したくても無理だよね」

「迷惑って言うか・・・今は、このありえないことにめちゃ驚いてるだけ」


「もし100年後に帰っても私には素敵な未来は待ってないんです」

「この時代で幸せを掴まなくちゃ」


「そうなんだ・・・信じられない話だけど信じるしかないのかな?」


「お願いします、来ていきなりですけど、あなたのところに置いてくれませんか?」


「え?ホテルとか旅館とか決めて来たんじゃないの?」


「いいえ、あなたんちにお世話になろうと思いまして・・・なにも準備してません」


「はあ、着の身着のままで押しかけて来たわけか・・・」


とぅ〜び〜こんて乳。

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