155 VSアンデッド軍団


 まずアンデッド軍団の側面に召喚転移を果たすと、早速こちらも軍団で対抗するため召喚し始める。


 今回軍団を組織するカードの内訳としては、こんな感じだ。


【Eランク】

 ・グレイウルフ 30枚

 ・グリーンキャタピラー 20枚 

 ・ファングハイエナ 10枚

 

【Dランク】

 ・オーク 50枚

 ・ホブゴブリン 50枚

 ・アシッドスライム 30枚

 ・ミディアムマウス 50枚

 ・ロックハンド 50枚

 ・ロックフット 50枚

 ・ロックリザード 40枚

 ・ウィップバルブ 20枚

 ・ブラウングリズリー 10枚

 ・ソードディア 20枚


【Cランク】

 ・ソイルセンチピート 1枚

 ・ジャイアントサーペント 30枚

 ・アサシンクロウ 59枚

 ・ロックイヤーウィグ 20枚

 ・ロックベアー 20枚

 ・フェアリー 15枚


【Bランク】

 ・ロックゴーレム 10枚

 ・リザードシュトラウス 20枚


【Aランク】

 ・スパークタイガー 1枚

 ・バーニングライノス 1枚


【ネームド】

 ・サン(サン・デビルズサーヴァント)D

 ・ジョン(キャタピラーモンキー)D

 ・トーン(トレント)D

 ・アロマ(アロマラビット)D

 ・ホブン( エリートゴブリン)C

 ・アンク(アサシンクロウ)C

 ・レフ(グレネスレーヴェ)B

 ・グイン(ホワイトキングダイル)A


 合計615枚


 ここまで多種多様のモンスターを召喚したのは、初めてだ。


 何もしなくても魔力が減っていくので、あまり長時間出し続けるのは難しい。


 だがこの戦力であれば、十分だろう。


 では早速、開始の合図だ。


 まずはグインに、先制攻撃を命じる。


「薙ぎ払え!」

「グオウ!」


 俺の命により、グインがウォーターブレスを放った。


 前方にいるスケルトンたちが、簡単に吹き飛んでいく。


 ふむ。ゲヘナデモクレスやユグドラシル、そしてカオスアーマーの魔力玉を見た後では、どうしても見劣りしてしまうな。


 だが、威力としては申し分ない。


 当然の結果として、アンデッド軍団とダークエルフ達からの注目が集まる。


 特にダークエルフ達の表情は、絶望という雰囲気が伝わってきた。


 まあこれだけのモンスターが新たに現れれば、仕方がないだろう。


 そう思いながらも、続けて俺は軍団に突撃を命じた。


「行け! 敵アンデッドどもを蹂躙じゅうりんせよ!」


 すると俺の命を聞いた600を超えるモンスターたちが、続々と駆けだしていく。


 同時にアンクをダークエルフ達の元に飛ばし、声真似を発動して敵でないことを伝えさせる。


「我々は敵ではない。アンデッド軍団を共に倒す味方である。我々は敵ではない。アンデッド軍団を共に倒す味方である」


 アンクがそのように連呼しながら、ダークエルフ達の上空を飛び回った。


 相手に戸惑いはあるみたいだが、これで多少は大丈夫だろう。


 そうしている間にも、モンスター軍団とアンデッド軍団がぶつかる。


 俺のモンスターは、軍団指揮のスキル効果もあって、Eランクでも精強だ。



 名称:軍団指揮

 効果

 ・一定数の味方の数に応じて、味方のあらゆる行動に補正がかかる。

 ・ある程度の距離や数が入り混じっていても、狙った個体と情報共有などの意思疎通が容易になる。



 加えて俺自身も、軍団行動のスキルで強化されている。


 

 名称:軍団行動

 効果

 ・一定数の味方の数に応じて、あらゆる行動に補正がかかる。

 ・ある程度の距離や数が入り混じっていても、狙った個体と情報共有などの意思疎通が容易になる。



 このような機会があまりなかったから、思わず召喚し過ぎた。


 正直この数と質は、相手の規模からして過剰戦力だろう。


 見た限り敵のモンスターランクは、概ねF~Cほどだろうか。


 もちろん中には、それ以上の個体も見受けられる。


 しかしそれも数は多くないし、対処は可能だろう。


 数こそ俺の軍団の方が少ないが、質はこちらが圧倒的に上だ。


 そしてモンスター軍団に加えて、カオスアーマーを纏ったこの状態こそが、俺が最も力を発揮した状態に他ならない。


 今後のためにも、この経験は重要だ。


 そう思いながら漆黒のマントを発動して、俺は敵の中で一番強そうな巨大なスケルトンの元へと向かう。


「グゴゴゴゴ!!」



 種族:ガシャドクロ

 種族特性

【闇属性適性】【闇属性耐性(大)】

【物理耐性(中)】【魔法耐性(小)】

【生命探知】【マナドレイン】

【再生】【瘴気しょうき生成】



 あの巨大スケルトンは、ガシャドクロというらしい。


 サイズはおよそ、10メートルくらいだろうか。


 口から黒いけむりを出しているが、おそらくあれがスキルで生み出した瘴気しょうきだろう。


 フェアリーの時のように耐性を突破されたら事なので、近づき過ぎないようにする。


 にしても一番強そうなこいつで、ランクはせいぜいBくらいだろう。


 やはりこの数と質は、過剰戦力だったようだ。


 そう思っていると、ガシャドクロから腕が伸びてくる。


 対して俺が長く伸ばしたシャドーネイルで斬り払うと、簡単にガシャドクロの手首から先が飛ぶ。


 凄い切れ味だ。なら、次はこれを試してみよう。


 俺は続けて尻尾に魔力を送ると、ガシャドクロの眉間に向けて勢いよく伸ばす。


 見た目以上に速度が出たが、ガシャドクロは咄嗟とっさに残った腕で守りに入った。


 だがそれを物ともせずに貫通して、ガシャドクロの頭部を尻尾の先端が打ちくだく。


 すると頭部に核となる魔石があったのか、ガシャドクロは大きな音を立ててバラバラに崩れ始めた。


 想像以上に強力だったな。カオスアーマーを纏っていれば、最早Bランクは俺の相手ではない。


 そうして俺は地面に下りると、近くにいるスケルトンにも拳を振るう。


 当然それだけで、スケルトンは破裂するように砕け散った。


 次に上位個体のスケルトンの攻撃をあえて受けてみるが、カオスアーマーに傷は一切つかない。


 これは防御面でも、十分に優秀そうだ。


 それから俺は、次々に敵を倒していく。


 だが結果として、ガシャドクロ以上の敵は現れなかった。


 ちなみにガシャドクロは、他にも数体ほどいたみたいである。


 しかしそれも、味方のモンスターたちが撃破した。


 レフやサン達も、大活躍である。


 特にライトウェーブを使えるグインは、敵アンデッド共を纏めて消し飛ばしていた。


 ただ味方にも多少被害が出ているので、その点は反省してほしい。


 生き返るカードでなければ、大問題である。


 そうして強い個体がほぼほぼいなくなれば、あとは簡単だ。


 またこちらにもやられたモンスターが出たが、そのほとんどは低ランクのモンスターだった。


 それに俺のモンスターは、時間が経てば復活する。


 なので損害を気にせずに戦えるのは、かなり楽だった。


 そうしてアンデッド軍団は壊滅し、国境門から新たに現れる敵も逐一ちくいち掃討している。


 さて、これで残る問題は、あと一つになった。


「あ、あなた様はいったい、何者なのでしょうか?」


 するとダークエルフの代表者が目の前に現れて、俺にそう問いかけてくる。

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