勝負の行方(7)

 宮本副編集長は、ミーティングルームにアリスを呼び出し、ここには2人しかいない。

 アリスは緊張していない様子。合格の自信があるのか、というよりも編集者という仕事を楽しんでいるだけで、毎日が楽しくて、ワクワク状態。

 そんな中、合否の判定が下される。果たして、アリスのテストの結果は。


 アリスを編集者として、一応合格とする。勤務態度他は、問題なし。18歳の仕事としては非常によろしい。超一流の編集者としては疑問。いつかは、私を超えるでしょう。一応認めます。


 その評価にアリスは不満、というか。

「副編集長、一応ってなんですか!? それでは合否の判定ではありません」

 確かに、アリスの言う通り。

「あのねー、そもそも、1ヶ月間で判断できる訳ないでしょ!?」

 確かに、宮本副編集長の言う通り。


「確かに、それはそうですけど……」

「あなたのあの目、もの凄い情熱を感じたから私はテストをした。それに、不合格と言ったら、あなた辞めるでしょう!? 違う……? なんか、いさぎよいっていうか、なんていうか、まぁ、嫌いじゃないけどね」

「……」

「だから一応合格なの。あなたに辞められたら私が困る。それに、夢先生の担当はどうするの!? 無責任なことはしないでよね。一応じゃなく、ちゃんと合格が欲しいなら、あと2年待ちなさい。わかった!?」

「わかりました。ありがとうございました」

 アリスは深々と頭を下げた。


 アリスは、けじめをちゃんとつけたかった、一応じゃなくて。しかし、夢先生の気持ちを踏みにじる訳にはいかない、それは絶対にダメと思った。


 この件は、宮本副編集長から滝沢編集長へ報告し、社長に報告された。そして、この件を報告しないといけない人物があと2人いる。それは、アリスの母親と妹だった。

 アリスは帰宅後、結果報告すると。2人そろって、「一応って何!?」、と言われ。アリスはこの2人に、その訳を説明していた。

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アリスドリームストーリー2 アリスの異世界探求 K・Sメッセ @ksmscst

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