「短編賞創作フェス」秘密
水曜
第1話
むかしむかしの おはなしです。
ひとりの とこやが おしろへ よばれました。
これから おうさまの かみを きるのです。
「ここで みたことは だれにも いっては ならぬ」
そういって おうさまは ぼうしを とりました。
ぴょこん。
なんと そこには ろばの みみが あったのです。
とこやは どきどき しながら かみを きりました。
「びっくりした」
だれかに はなしたくて たまりません。
「ひみつって くるしいなあ」
とこやは たえきれなくて、もりへ いきました。
ふかい あなを ほって、おおきな こえで さけびます。
「おうさまの みみは ろばの みみ!
おうさまの みみは ろばの みみ!」
きぶんは すっきり。
つちを かぶせて かえりました。
あるひ ひつじかいが もりで あしの ふえを つくりました。
ふいてみると ふしぎな うたが ながれます。
「♪おうさまの みみは ろばの みみ~」
こどもたちが おもしろがって まねを しました。
「♪おうさまの みみは ろばの みみ~」
いつしか まちじゅうの ひとが うたうように なりました。
おうさまの ひみつは みなにばれてしまったのです。
……この物語を聞いたエルフの子供たちは皆が首を傾げました。
「耳が驢馬みたいに尖っていることのどこが秘密なの?」
「短編賞創作フェス」秘密 水曜 @MARUDOKA
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます