第16話 個人戦①

 学年別対抗戦四日目。


 学年別対抗戦が始まって四日目に突入したた、二日目は水泳、三日目はエアレース、そして今日は個人戦だ。


「おはよっ進次郎!」


「ああ浩介、おはよう」


「やっと個人戦の日だな、二組のアイツをボコボコしてくれよな!じゃなきゃ俺がアイツに土下座するハメになるからな頑張ってくれよ」


 憂鬱だなあ、でも負けちゃったら浩介は土下座だから本気で潰しにいかないとな。


「あっああ、浩介も上位目指して頑張れよ!」


「おう!俺トーナメント表見てくるわ!」


 そう言って走り去って行った。


「俺もトーナメント表、見に行くか」


 浩介の後について行った。


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「最悪だよマジで」


 トーナメント表を見てみたら、なんと二組の奴としかも一回戦で戦う事になっている、正直面倒くさい。


「おっと!これはこれは特例一番さんじゃないですか!」


 うわっ!絶対見計らって来たでしょコイツ!それと何か煽り性能高くなってねえかこの二組のやつ。


「お手柔らかにお願いしますね!」


 そう言って握手を求めて来た、全然目が笑ってねえよ。


「よろしく」


 そう言い握手をした瞬間、露骨に握る力が強くなった、少し痛いがまだ耐えられる範囲内だな。


「ちょっと!離しなさいよ!」


 そこに燐がやって来て、無理矢理引き剥がす。


「燐、別に大丈夫だから」


「そう言ってるぜ?」


 コイツを見たらなんか全てにキレそうになるんだが、そんな異能でも持ってんのかよ。


「アンタは黙ってさっさとどっかに行きなさいよ」


「はいはい、じゃあまた後でな特例一番くん」


 そう言って二組のやつは何処かに行った、それよりも特例一番くんなのか、さんなのかそっちの方をちゃんとして欲しい、後普通に不愉快だったな。


「アンタも!ちゃんと言い返しなさいよね!」


「別にいいじゃんか、面倒くさいし」


「よくない!あんなのに舐められ続けたら今後そういう奴に舐められ続けるわよ!」


「ちょっと燐ちゃん落ち着いて」


 そこに莉子ちゃんが仲裁しに来てくれた、助かった莉子ちゃんナイス!。


「熱くなり過ぎたわねごめんなさい、ちょっと頭を冷やてくるわ、言い忘れてたけど決勝まで私以外に負けるんじゃないわよ進次郎」


「おう!」


 燐は案外素直だからな、いい奴だよな。


「そういや!莉子ちゃんに聞きたい事があったんだよ!」


「えっと何かな?」


「あのさ、もう遅いんだけど莉子ちゃんはチーム戦以外の種目出なくてよかったの?」


「そんな!私なんかが出たら恥を晒すだけだよ!」


「そうでも無いと思うよ、異能もちょっとずつだけどコントロールできるようになってるし、今なら無双しちゃうかもよ!莉子ちゃんはそんなに自分を過小評価しなくていいよ」


 嘘偽りなく本心でそう言った。


「ありがとう進次郎くん、励ましてくれて」


「いやっ別に励ますつもりで言ったんじゃ」


「私ももう行くね」


 そう言って莉子ちゃんは走り去って行った。


「どんな言葉をかけてあげれば良かったんだろう」


 莉子ちゃんが他の種目に出なかったのは多分自分を過小評価してかつ自信もなかったからだと思う、流石にそこら辺に首を突っ込むのは無粋だったと反省する。

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