第二章 学年別対抗戦
第12話 異能学園対抗祭
生徒会に入ってから数日が経った、生徒会補佐の仕事は主に他の生徒会役員の手伝いと雑用だけだった、雑用は今の所生徒会室の掃除ぐらいしかしていない、だが今日は本来なら休日なはずだったが色々仕事が溜まっていたみたいでその仕事を消化していっている。
「ねえ〜進ちゃん〜仕事捗ってる〜」
「口じゃなくて手を動かしてくださいよ希空先輩!」
今は希空先輩の仕事を手伝っている、そしていつからかは忘れたが、いつの間にか俺の事を進ちゃんと呼び出していた、でもツッコむ前に仕事が大量に押し寄せて来てツッコミようもない、あと希空先輩の書類を書くスピード遅すぎ!。
「も〜お堅いな〜進ちゃんは〜そんなんだから女の子にモテないんだよ〜」
「俺がモテるかモテないかは希空先輩には分からないでしょー!」
「じゃあモテてるの〜?」
「モテて…………な…いけど」
認めたくないけど俺はモテてない!モテたい!彼女が欲しい!という煩悩を無理矢理抑える。
「ほらね〜」
「そんな事より早く手を動かしてくださいよ!」
「はいはい〜分かってますよ〜」
最近思う、完全に希空先輩のおもちゃにされて踊らされてるという事に、どうにかしてこの現状を打破しなくては!。
「仲良くなったよね!希空先輩と進ちゃん!」
「別に仲良くありませんから煌坂先輩!」
そういえば気づいた時には既に煌坂先輩も俺の事を進ちゃんと呼ぶようになっていた、これ以上広まらないように願うばかりだ。
ちなみに俺の目の前には燐と郡城先輩が一緒に仕事をしている。
「朱嶺くん、こちらの資料を作るのを手伝ってはくれないか?」
「分かりました郡城先輩」
ああ俺もあんな風に必要最低限の会話だけだったら楽なのに、まあちょっと距離を感じるけど、こっちの人は最初からほぼゼロ距離みたいな感じだし、仕事ができる郡城先輩の方がダントツでいい。
「ねえねえ〜手が止まってるよ〜進ちゃん〜」
「分かってますって!」
ちなみに今日は生徒会長と副会長は異能学園の合同会議?みたいなものに参加しているから、生徒会室に今はいないそしてもう行ってから二時間ぐらい経ったからもうそろそろ帰ってくるはず。
「会議から戻ってきたよ」
やっぱり帰って来た。
「それでみんなに発表があります!」
発表?なんだろう。
「今年も異能学園対抗祭を開催する事が決まりましたー!拍手!」
パチパチパチパチ。
異能学園対抗祭?何だそれは合同で体育祭みたいな感じなのかな?。
「雫〜進ちゃんよく分かってないみたいだよ〜」
希空先輩は俺がよく分かっていない事を察知したみたいだ、確かに知らないけど。
「えっと……ごめんなさい、どう言う行事か分かりません」
「「「「「えーーー!!!」」」」」
俺と指摘した希空先輩以外が全員驚いている。
えっ?そんなに驚かれるような事だったのーー!!。
「あのー進次郎くん、異能学園対抗祭っていうのは、第一から第八まである異能学園が一度に集まって競い合う伝統的な祭典なんだよ!」
無茶苦茶、至近距離で水無月先輩が詰め寄って饒舌に話し始めた。
「えっと体育祭みたいなものですよね?」
「全つ然違う!」
さらに距離を詰められてほぼ顔がくっついていると言っても過言ではない状況だ。
「異能学園対抗祭は!一般の方にも開放していて、屋台もズラーっと来て、テレビにも中継が入る本物のお祭りのような特別な行事なんだ!」
熱量がすごい!水無月先輩には申し訳ないけど物凄くドン引きしている。
「あ〜また始まったよ〜駿の対抗祭バカが〜」
「駿の言う通りで一般の方も来られるし、何より軍の関係者の人が一足先にスカウト目的で来る人もいる、まあそういう大切な行事なんだ」
「はあ、何となくどれだけ凄いかは分かって来ました」
「それに私達の代で今のところ総合優勝をとって二連覇している、今年も総合優勝を狙うしかありません」
二連覇してるならちょっと出るか分からないけどプレッシャーが凄いな。
「競技は前回と同じの団体戦、個人戦、障害物競走、水泳、エアレースの計五つを五日間かけてする事に決まったの」
何か青春してるな感があるな、まだ始まってすらないけど。
「それで五つの競技を学年別で競い合う事になっていてチーム戦以外は三人に絞らないといけない、だから例年通り第八異能学園で学年別対抗戦、まあ前哨戦みたいなものをやろうと思うけどどう?」
そしていち早く水無月先輩が立ち上がる。
「僕は勿論賛成!」
「私も賛成〜」
アンタは面倒くさいだけだろ!。
「私も賛成に一票!」
「私は大っ賛成だね!」
「私も賛成で」
「えっと、じゃあ俺も賛成で」
これが同調圧力の恐ろしさか、まあ俺はどっちでもいいけど。
「じゃあ決定でいいね、そうなったら早速必要な書類が大量にあるからそれを作らないとね」
えっ?聞いてないんですけどーーー!!!。
そしてその日はそんじょそこらのブラック企業以上に働いた、しかも大量の書類作りの休憩時間になぜか希空先輩の書類を作らされて希空先輩は優雅に休憩してという意味の分からない事態になったりしながら終わった頃には既に深夜で家に帰ってすぐさまベッドへ直行して倒れるように眠りについた。
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