第3話 特別訓練
訓練場に着いてからは更衣室で動きやすい服装に着替えて来た。
「準備はいいな、今回の特別訓練は模擬戦だ」
はぁ、なんだかんだ久しぶりだな訓練だとしても誰かと戦うのは。
「現時点でのお前の力量が知りたい」
「はい!」
「ルールはどちらかが負けを認めるまでもしくは戦闘不能になるまでだ、武器が必要ならそこにあるのを使え」
「はい、でも武器は必要ありません」
俺がコピーしてる異能には武器はかえって邪魔になるのもあるからな。
「そうか、じゃあ早速始めるぞ」
「はい、いつでもどうぞ」
そのまま緊迫感のある空間が一分ぐらい達、そして一瞬だけ時が止まった様に感じた瞬間に大佐は動いた。
ビュンッと風を切った音がしたその一瞬で俺の頬から血が垂れいた。
「舐めてるのか!二度はないぞ!今度は殺す気でいくからな!」
大佐さんがその言葉を放った瞬間、背筋が凍るような殺気がした。
「どうなっても知りませんからね、俺が本気を出して」
『変速』
この異能『変速』は速度を自由自在に変える事ができる、だから一瞬で距離を取れた、そしてそのまま物凄い速度で大佐の周りを走って撹乱する。
「これじゃ、さっきみたいな不意打ちは上手くいきませんよ!」
大佐さんがどんな異能を持っているのかまだ分からない、だけどこうやって動き続ければ大佐さんは異能を使わざるを得ないはずだ。
「そう来なくては!休暇を返上してまで来た!意味がない!」
『炎獣』
すると突然大佐さんの周りに炎を纏った獣かが現れる、見ただけで鳥に虎にetc《エトセトラ》。
「おかしい」
さっきみたいな、目に見えない速さの攻撃はこの異能じゃできないはずだ、何かカラクリあるはずだ、気をつけないと。
と気を引き締める。
そして変速動き続けている俺にその炎獣達が自分と同じぐらいの速度で追いかけてくる。
ちょっと速度を上げないと追いつかれるな。
更に速度を上げて炎獣達を引き離した。
「そんなに速度を上げて逃げ回っても私の炎獣達は君を捕捉する」
なんだ?炎獣達が俺を追いかけるのをやめた、いや!炎獣達の口に炎が、まさか!。
「発射しろ!」
その大佐さんの掛け声と同時に炎獣達の口からボッと火の玉が発射された。
やっぱり何かやって来そうだと思ったんだよ、でもこの量の玉を躱すのは骨が折れる。
「ちょっ!」
やばい!躱すのが精一杯だ、この間に大佐さんがっ?大佐さんが何処にもいない!。
すでに俺の目に見える範囲に大佐さんがいなくなっていた。
「今度は私から目を離さないように気をつけるんだな!」
ゴツッ!と大佐さんの拳が俺の顔にめり込む。
「イッテ!」
大佐さんは俺に何かを求めているみたいだ、さっきので俺を気絶させる事もできたはずだ。
でも結局このままじゃジリ貧で終わり、二つ目を使わないと勝てそうにない。
『武器化』
すると進次郎の手が拳銃に変わる。
この異能『武器化』は俺の体のどこでも俺が思い浮かべた武器に変える事ができる。
これで一瞬で炎獣達を始末できるぞ。
『変速』
そしてバン!バン!バン!バン!と変速を使って弾を加速させ次々と炎獣達が消えていく、そして残るは大佐一人だけになった。
「ハハハハハ!面白い!だが私は強い!」
そう言いながら最初にやったやつみたいに信じられないスピードで俺に近づいた。
「まだまだだったが合格だ!次に期待しているぞ特例一番 朝霞進次郎」
「なっ!」
振り返った時には既に目の前に拳があった、そして意識が途絶えた。
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