第2話 懲罰
翌日
「やってくれたな」
「へへ」
「へへじゃねーよ!」
このスキンヘッドのマッチョの人は俺の義父で名前は
「この学校は普通の学校に見えるかもしれないが軍の学校なんだぞ!」
そう一応この学校、第八異能学園は軍が運営している高等教育機関だ。
その格式高い入学式の最中に新入生代表の生徒が遅刻してそれだけじゃ飽き足らず式場に使っていた体育館の天井と床を壊す暴挙、何かしらの罰が下るのは仕方のない事だ。
「本当にごめんって列寺おじさん、ミスって式場の天井に着地しちゃってさ」
「入学式場として使っていた体育館の屋根に穴と着地の際に破損した床、入学初日にこんなにも問題を起こした新入生はお前だけだぞ!」
「へへ」
「だからへへじゃねーよ!はあー、まあいい俺はこれでもこの学校の校長であり理事長だ、それ相応の懲罰をお前に課さねばならない」
入学初日に懲罰か、というか軍だから懲罰なのか?まあしょうがないか、甘んじて受け入れないとな。
「で懲罰って何をすんの?」
「他の教師たちもお前が俺の義理の息子であることは分かっている、だから普通のより厳しめの懲罰を課すことになる」
勿体ぶりやがってさっさと言ってくれよ!。
「だから結局懲罰って何すんだよ」
「そうだな、本来なら訓練量を2倍にするのだがお前じゃ涼しい顔でこなせるだろうから、これから一週間本来の訓練量の5倍、特別訓練、お前の異能での体育館の屋根及び床の修繕をしてもらう」
「はー!一週間も!訓練とかそういうのは分かったけどさ、流石に屋根の修繕に使えるよう異能なんか今持ってないんだけど!」
「うちの学園のエンジニアがいるからそいつに頼んでおくから、な!」
「分かったよ」
最悪だよ、まぁ俺が壊さなかったらよかった話なんだけどな。
訓練よりも俺的には天井と床を修繕する方が面倒くさいな。
「後もう今日の訓練の時間は終わっているから今から俺の後ろにいるコイツから特別訓練を受けて今日は帰れ」
入学初日から訓練なんて流石軍の学校って感じだな、後ろの奴って?。
周りを見渡してもそんな人はいない。
「何言ってんだよ、どこにも」
「ここにいるんだけど」
「うわっ!」
背後からいきなり声が聞こえて振り返るとロングの赤い髪の身長が170センチぐらいの女の人が立っていた。
何処から出てきたんだよこの女の人!。
「校長、本当にご子息の訓練を私が担当させて貰ってもよろしいのですか?」
ちょっと。
「大丈夫だ、そんな柔な鍛え方はしてない」
ちょっと!。
「でしたら早速訓練場へ行きます」
ちょっ!。
「分かった」
待っ!。
そして訳もわからず謎の女の人は列寺おじさんとの会話を終わると俺を抱えてきた。
「ちょっ!!」
「じゃあよろしく頼むぞ、
大佐ってめっちゃ階級高いじゃないか!!。
「了解しました」
「俺の話も聞いてよーーーー!!」
俺の声は届かず女の人は校舎を駆け抜けて訓練場へと走り出した。
「大丈夫なんですか?」
と列寺の秘書は言った。
「大丈夫どころか、恐らくピンピンしているはずだ、あいつはどんな訓練を受けたとしてもあの体はびくともしないだろうからな」
「そうですか、いらぬ心配でしたね」
「そうだな」
___________________________________________
「うわーーーー!!!」
あー吐きそうになってきた。
いつなったらとまるんだよーーー!!!
そう思っているといつの間にか止まっていた。
「着いたぞ、ここが訓練場だ」
「はぁ、もうちょっと丁寧に扱ってくださいよ!吐きそうになったじゃないですか!」
「そうか」
うわー全然どうにも思ってねー。
「まずは特例一番の実力を教えてもらおうか」
「あの異能なら知ってますよね、多分」
「ああお前の異能が『コピー』だということは既に知っている」
「知ってるのになんで実力を教えろって言うんですか、別にいいでしょ」
そう言うと無茶苦茶目の前まで迫ってきた。
「良くない、異能を使わなくても強い奴なら沢山見てきた、私は異能だけでは測れないお前の実力を知りたいんだ」
面倒くせー。
「それにお前は前例のあるコピーの異能とは少しいや大幅に違う点がいくつかある、その点も確認する必要がある」
確かに俺のコピーは他の人が持っていたコピーとは違う点がいくつもある。
「分かりましたよ」
「では始めるぞ」
「はい」
入学早々厄介なのに絡まれたな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます