第12話 画面の侵略者

第十二話 画面の侵略者

 

 

 ミラーシティの内側は見るも無惨だった。建物は古びており、いくつかは植物に埋もれている。だが、新築の建物もいくつか見え、今でも使われてはいるようだ。

「ここが……ミラーシティ……。」

 街の内側に入ったシオンは呟く。正直予想が外れた。相当荒んでいるだろうと思った街は、確かにいくつか荒んだ建物は見えるが、街としての機能は失っていないように見えた。

「ここまでこれたの、嘘じゃないよね!嘘じゃないよね!」

 アキラは興奮が止まらないようだ。そうだな。確かに前人未踏のことをやってのけたのだから。

「うるさい。敵にバレたらどうすんだ。」

 ユーリはアキラをそう言って制する。

「そうだね。装備は言った通りにしてあるけどできるのであれば敵に出会いたくはないね。」

 シオンはそう言って前を見る。

「じゃあ、行こうか。」

 すると、その時ソウヤが戻ってきた。

「敵のことを見てきたよ。」

「どうだった?」

「それがねえ……、全く魔族がいないんだよ。不気味なほどにね。」

「そうか……。」

 確かにシオンもそれはずっと思っていた。

(最終防衛ラインなのに敵がいない。最低人数しかいないとかそういうことじゃなくて、全くいないんだ。)

 逆にそのいないというのが不気味さを演出している。

「でも敵がいねえことほどいいことはないじゃん。」

 ユーリがそう言う。

「そうだよ!もう行こう!」

 そうアキラが言った瞬間、

「ヴンッ。」

 急に何かが起きる。シオンの体が動かない。

「バリンッ!」

 そして相手の殴りで吹き飛ばされる。

「い……一体何が……。」

 シオンは立ち上がり、前を向く。

「!」

 そこには一人の魔族がいた。その魔族はあまり強くはなさそうに見えた。体つきも普通のごく二十代の一般男性と変わりない程度だ。

(なんだコイツは。)

 そうシオンが考えていた時、近くにいたアキラとユーリが同時に攻撃を仕掛ける。

『クロスナイフ』

『天下無双流 瞬天』

 だが、瞬時にいなくなり、二人の攻撃は空振りに終わった。

(速い!しかも……。)

 魔力探知が得意ではないアキラも気づいた。

(魔力量がハンパじゃない!)

 ホウタとは格が違った。魔力の量が完全に常軌を逸している。これが彼の言っていたことか!

「おい、どうやってここまできた?」

 相手の魔族は建物の屋根から自分達を見下ろしながら言う。

「西ルートで進んできたんだ。でも、やけに魔族の量が少なかったからここまでこれた。」

「なるほど……。」

(コイツらが報告にあったヤツか?にしては覇気というものがない。)

「まあいいか。」

 そう言うと相手は地面に降りてくる。

「今あまり僕は気分がすぐれなくてね。ちょうどその憂さ晴らしがしたかったんだ。君達……」

 そう言って構えると、

「僕のサンドバッグになってくれないか?」

 その言葉と同時に一気に距離を詰めてくる。

(速い!でも反応できないわけじゃない!)

 シオンは少し後手にまわりながらも反応し、相手の攻撃に備える。だが、

「パンッ!」

 相手は自分の腕を触っただけだった。

「え?」

 戸惑っていた時、

「ヴンッ。」

 またあの攻撃だ。でも受けたシオンは何かされたが、その瞬間、彼の時は事実上止まっている。そのため彼は状況を理解できない。

 その時に、相手は思い切り力を乗せたパンチを放つ。

「バリンッ!」

「がは……ッ!」

 強い衝撃が自分を襲い、彼の体を弾き飛ばした。一瞬の出来事に、二人は反応と理解が追いつかない。すると、動揺する二人にも同様に触る。

「ヴヴンッ。」

 シオンは遠くからその様子を見た。それは信じられない光景だった。彼らは絵のように、四角形の画面のようなものに入っていた。それを相手は叩き割るように殴る。すると、

「バリリンッ!」

 二人がそれから射出されるように飛び出してくる。

「意味のわからん魔法だな……。」

 このような魔法は見たことも聞いたこともない。それはもう一人も同じだった。

(アイツの技、見たことある?)

[いや、見たことがない。おそらく魔法なんだろうが、初見では魔法ではないと思ってしまうな……。]

※ここから先のシオンのもう一人の声は[]で話します。ご了承くださいませ。

 ゆっくりと二人も立ち上がる。

「あんなんアリかよ。」

「全くだ。」

 流石に二人も意味がわからないようだ。

「画面に収められるのか……。画面はヤツが出してるのか?」

 シオンは彼の魔法は、“自分の出した画面に敵を入れる魔法”だと考えた。それは概ねあっているのだが、後にそれが違うと知るのである。

「しかもあの時動けねえ。というか何も感じねえ。多分別次元に行かされてるって感じか。」

(別次元……。)

 確かに平面に立体のものを入れ込む、ということは確かにそういうことでもある。でも、そんな簡単にはできない気がした。

「それ自体はあまり攻撃力はないけど、その後に敵の最大火力をブチ込まれるから実際すごく痛い。」

 アキラもかなりダメージを一回で追ったようだ。

「しかも自分よりも二段階は速いよ。初速でも無理だと思う。」

 パーティ内で一番速いアキラでも捉えられず、反応することが不可能なスピード。そして膨大な魔力によって強化されたフィジカル。どこをとってもぬかりがない。

「結構いいでしょ?僕の魔法。」

 相手が急に話し始める。

「考察はいい線行ってるけど少し違うってことだけは言っておくよ。」

 そう言って相手は構える。

「実際この魔法を使っているのは自分だけだし、他の魔族や人間が使っているのは見たことがない。」

「……何が言いたい。」

「この魔法最大の武器は魔法の解像度だ。」

「?」

「ここに来ているということはホウタを倒しただろう?」

「そうだな。」

「アイツの魔法は単純過ぎる。現に情報がほぼ筒抜けになる。つまり応用技の予測が可能であり、使っている魔法でさえ特定されてしまう可能性がある。」

「だから?」

「初見クリアが簡単ってこと。現にすぐにわかったでしょ?」

「!」

(確かにそうだ……。ホウタの魔法は簡単に見破れたし、対策も簡単だった。その点コイツは……。)

「魔法が意味不明過ぎる。まさに小学生に英検一級の問題を解かせているみたいだろう?」

「急にリアルでわかりにくい例えやめて。」

※ホントに英検一級は難しいです。大人でも解けないものがあるレベル

「まあそんな感じなんだよ。技の強弱以前に実態がわからない。だからこそ……。」

 その瞬間、一気に距離を詰めてきて、3人を触る。

「ヴヴヴンッ。」

「ほいっ。」

「バババリン‼︎」

 速技で3人を一気に殴り飛ばす。

「初見、という強さを発揮できる。」

 だが、シオンが立ち上がりながら言う。

「でもわかったぜ。」

 フラフラ、と立ちながらも相手を見て言う。

「オマエの技の発動条件は、“発動相手を触る”ことだろ。」

「流石だな。」

 相手はそう言い、こう続けた。

「ここまできたことだけはある。」

 全員この言葉には驚いた。

(認めた……!)

 相手が自分の手を明かした。これで少しだが希望が見えた。

(だが、かなり面倒だな。)

 アキラは考える。

(触れば発動、ならば最悪近距離で拳を受け止めた時に技が発動するってことか?ならそれ接近戦超不利じゃね⁉︎)

 それはあった。触るだけで発動するならば近距離戦など不利に決まっている。勝てる見込みもない。だが、相手はゴリゴリの近接タイプ。しかもスピードも速い。逃げて距離を取ることさえ難しい。

(完全に相手の間合いってことか……。)

 今この戦いは相手の有利に進んでいる。このままいけばジリ貧で負けだろう。

(でも幸いなことにヤツは主な攻撃手段が殴りだ。これなら魔力での防御で最低限までダメージを抑えられる……!)

 その間に……。

(突破口を見つける!)

 シオン達に残された方法は相手の攻撃を耐えながら突破口を見つけることだ。

「考えていても仕方がないよな……。よし!」

 そう言って剣を抜く。

「全員、全力で耐えろよ!」

「無論!ここまで来たら勝つしかない!」

「絶対に殺す!」

 3人が気合を入れ、相手の前に立ちはだかる。

「できるの?君達に。」

 相手はこちらを軽視している。その隙を突いて殺してやる。

[焦るなよ。一つ一つ、手堅くいくんだ。]

 先輩のアドバイスを聞き、一気に攻めかかる。

「先手必勝!」

 シオンは一気に斬りかかった。だが、最初は避けられる。

(先程よりスピードが一段階上がった。私のスピードに合わせてきたか。)

 シオンの武器は単純な戦いへの順応スピードだ。戦いに応じて自らのステータスを合わせていくことで、幾度となく成長をしてきた。いわば戦闘センスの塊。

(なるほど……。)

 シオンの攻撃を見切りながら考える。

(コイツ、剣でこちらの間合いを適切にとってやがる。)

 彼は剣を広範囲に振ることで、相手が自分に近づくのを防いでいるのだ。

(考えたものだ。戦いへの順応性は高そうだ。こういうヤツは早めに殺ったほうがいいな。)

 そう判断し、彼はシオンの剣を避けた時に刀を横から触れる。

(まさか!)

「ヴンッ。」

 剣が画面に閉じ込められ、彼は間合いをとる手段を失った。

(能力は無生物にも通じるのか!完全に見誤った!)

 シオンは急いで一気に距離を取る。すると、相手はその画面に収められたまま、剣をこちらに投げてきた。

(そのまま……?)

 すると急に画面が粉々に弾け、内側から剣が勢いよく飛び出す。

「うわっ、あぶねっ!」

 シオンはなんとか避け、剣は後ろの建物にグサッと刺さった。

「危ねえなあ。刃物は取り扱い注意だぜ?」

 刺さった剣を抜きながら言う。

「フン、だから俺の魔法で覆ってたじゃないか。」

 相手もそれに対して皮肉混じりの返答をする。

(能力は無生物にも適用される。しかも解除のタイミングはアイツが決めれる。)

 これほど使い勝手のいい魔法はないだろう。何もかも自由自在。使いやすさは◎だ。

「でも触られないようにすれば大丈夫なんだろ?」

 シオンの問いに彼は意を介しかねるようだった。

「簡単だよ。触れるなら触ってみろって言ってんだよ。」

 その時建物の陰からナイフが勢いよく飛んでくる。

「これは触れないだろ?」

 シオンもナイフが投げられたのを確認すると距離を詰めた。

(くっ、どこからナイフが飛んでくるかわからないせいで余計神経が削られる!目の前の敵に集中できない!)

 彼の魔法は相手を適切に捉えなければならない。そのため集中が削がれると外れる可能性があるのだ。

 シオンの剣を避けながら反撃のタイミングをうかがう。

(よし、集中が削がれてる。この状態なら!)

 近距離で魂を解放し、敵にぶつける。

『残魂解放 魂の刃動!』

(近距離でなら、どうだ?)

 流石の敵も、この近距離では避けられないようだ。

「くっ……!」

 なんとか両腕で受け止めようとするが、流石に無理だ。上になんとか弾く。だが、ガラ空きになった胴体に、シオンの剣撃が入る。

「ドスッ!」

 剣は深くは刺さらなかったが、確実に出血させ、彼を削った。

(まずは一撃!連撃も狙っていく!)

 シオンはその後も攻めようとしたが、相手はなんとかそれをかわし、自分に触ろうとしてくる。なんとか回避しようとしたが、肩に手が触れる。だが、魔法は発動しなかった。

(?なんで今発動しなかった?)

 急なことにシオンは戸惑う。

(もしかして、まだ何か発動条件があるのか?触るだけではなく、もっと複雑な何かが……。)

 シオンが考え込んでいるのを見て、彼も敵が何かに引っ掛かっているのを感じた。

(気づかれたか?やっぱり無理矢理しようとしたのは間違いだったか?)

 建物の間を利用して逃げるシオンを追いながら考える。

(相手が気付く前に仕留めたい。なんとしてもここから先へ進ませるわけにはいかない。)

 スピードのギアを一段階上げ、シオンへと近づく。

(まだスピードを上げれるのか……!)

 正直、今の段階ではこのスピードが最速だ。これ以上は上げれない。

(敵に追いつくことも逃げることもできなくなってしまう!こうなったら……。)

 シオンは急に振り向くと、瞬時に何かを投げる。それは敵の頬をかすめた。

「ちくしょう、外れた!」

 相手は急な攻撃に一瞬足を止めた。頬をかすめたのはナイフだとわかった。

 先程シオンが投げたナイフはあの銀の純度が高い、あのナイフだ。

(傷の治りが遅い。しかもあれ多分銀ナイフだな。刺されなかっただけマシか。)

 あの銀ナイフはアイツでも有効そうだ。ちゃんと先程より傷の再生が遅い。

「銀ナイフは有効だ!投げまくれ!」

 その声と同時に各方向からナイフが飛んでくる。

(どうやってこの数のナイフを投げた⁉︎)

 敵の視界に飛び込んできたのはほぼ全方向から飛んできたナイフの雨。全部を回避するのは難しく、流石に何本も刺さる。

(おそらく敵の戦士も一緒に投げたのだろう。でも!それでもこの数はあり得ない!第一全方向をカバーできない!)

 つまり……。

(もう一人いる……!私がまだ出会ってないヤツが一人……!)

 相手が動揺するのを見て、シオンは考える。

(あの数を全て捌くのは無理なようだな。しかもあの感じ、ソウヤを把握してなさそうだ。)

 そう。彼はソウヤを視認しておらず、敵の数を今まで3人と誤解していた。そのため投げられたナイフの数に対して驚いていたのだ。

「ゴフッ!」

 銀のナイフがいくつも深く刺さったせいだろうか。敵は吐血した。

(この銀ナイフ……、ほぼ純銀なのか。俺でも触れん。)

 すると、さらに多くの銀ナイフが飛んでくる。

「まだストックがあったか!」

 相手もこれは予想外だったようで、完全にびっくりしている。だが、相手は冷静に自分に当たりそうなナイフを横から触る。すると、

「ヴン。」

(よし。)

 いくつかのナイフを次々と画面内に収めていった。しかし、そっちの対応に集中していた隙に、シオンが今度は接近戦を仕掛ける。

「どのくらい反応できるかい?」

「舐めるなよ。」

 相手はいくつかナイフが刺さったまま、シオンの剣に反応する。だが、ナイフが刺さっていることで相手の動きは鈍かった。

(このぐらいでやっとか。でも、いつかはナイフのストックが切れるから、その時でおしまいだな。)

 なんとか攻撃の合間に敵はナイフを振り落とそうとするが、深く刺さっているので抜けやしない。

「集中しろよ。」

 そうシオンがいい、敵を吹き飛ばす。その瞬間、ユーリも飛び出し、追い討ちをかける。

(出てきたか。戦士め!)

(ここでチェンジだ。)

 そう目線でシオンに伝える。

(了解。)

 自然な流れで近接要員がシオンからユーリにかわる。

(なるほど。近接一人、他は全員遠距離からのサポートに回るつもりか。)

 それがシオン達の作戦。近距離で戦う人を最小限にすることで簡単にチェンジが可能であり、ダメージを負った場合の回復手段がほぼない彼らにとっては一番いい先方だった。

(この戦闘の仕方ということは魔法使いや僧侶はいないっぽいな。そうじゃなきゃ全員で近接戦闘を仕掛けてもいいはずだ。)

 そこから相手はこちらに魔法使いや僧侶がいないことまで見抜いてきた。シオンはそれを見ながら考える。

(相手もこちらの構成と作戦に応じて戦法を変えてくるだろう。ここはアイツのホームグラウンド。慎重にいこうか。)

 シオンは渡されたナイフを握り、建物の陰から投げる。

(くそっ、物陰からちまちまと……!)

 たったこれだけの戦法だが、敵の注意を対面している奴から引き剥がすことができる。ただでさえ不利な状況をひっくり返すこともできるだろう。

 今回シオンが投げたのはほぼ斜め後ろの位置からだ。見える見えないのぎりぎりで投げてきやがる。なんとか後ろに手を回し、ナイフを横から触る。

「ヴンッ。」

 画面に入れることに成功したが、ユーリはそれを待っていた。

(正面ガラ空き!入れられる!)

『天下無双流 戦乱華扇!』

 連続斬りでダメージを蓄積させる。

(これ以上は……。)

 相手が退き気味になる。そこを突く。

『刺突!』

 これは単純な剣術でもなんでもない。ただの基本だ。だが、彼は基本的に突き技を使わない。その理由は簡単だ。肉に深く刺さってしまうから。つまり反撃のチャンスを生む可能性がある。だが、今は違う。

(相手は追い込まれているんだ!)

 剣を勢いよく突き出し、体に突き刺す。

「おりゃあ‼︎」

 そのまま剣をひねって回し、上へ斬りあげる。

「ガアッ……。」

 敵はふらふらと後ろへ倒れそうになり、建物に寄りかかる。しかしこれも敵の戦術であった。

「もうわかってるよな。俺の魔法は無生物対応型だ。こういうことも、できるんだぜ?」

 そう言うと腕に魔力を集約させる。

「アニメとかであるだろ?こういう攻撃。」

「ヴンッ。」

 瞬時に寄りかかっていた建物が画面に収まる。

「な……に?」

 すると、相手はその画面を持ち、こちらに投げる。そしてユーリの直上にくると、魔法を解除した。画面が割れ、建物がそのまま落ちてくる。

「画面の中だと重量ゼロだからね。こういう使い方もできるんだよ。」

「ドドオオオン‼︎」

 地面に大きな音を立てて家が落ちる。ユーリはどうなったかわからない。だが、家そのものを投げたため、10トンは下らないだろう。

「よく聴け、勇者ども。」

 そう言って敵は周りを見渡す。

「僕の名はカシイ。ミラーシティ、いや、鎮守府将軍だ。」

 物陰で敵の自己紹介を聞きながら彼らはユーリの心配をする。

『天下無双流 断天!』

 自分の直上をぶち抜き、ユーリが飛び出す。頭や体からところどころ出血しているものの、致命傷は負っていなさそうだった。

「よくもやってくれたなあ!このやろう!」

 ユーリは一気に近づく。だが、

「黙って聞けよ。三下が。」

「ヴンッ。」

 画面に入れられ、そのまま殴られる。

「ガシャアアン!」

「グフエッ!」

 シオンは飛んできたユーリを受け止め相手を見る。

「こんなもんじゃねえだろ?来いよ。」

「後悔すんなよ?」

 シオンとカシイが近づいていく。

「誰かくるのは久しぶりなんだ。満たしてくれ、僕を。」

「わかった。」

 そう言って魔力をねる。相手もそれに気づき、魔力を集約する。

「血で満杯にしてやるよ。」

 シオンがそう言い放つと、

「できるもんなら、やってみな。」

 そう言ってカシイも構える。

 

 

 魔王の一歩手前の戦いが、幕を上げた。

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