第5話 魔突閃!

第五話 魔突閃‼︎

 

 

 魔突閃。

 それは戦闘術において最強であり、至高の技とされている。人類の出せる最強の戦闘術であり、これを出せるものは少ない。だが、人類はこれがなんなのかを解明できておらず、唯一の謎をもつ技である。

 

 

魔突閃について20年ほど研究を行なっているガロウ博士はこう語る

「魔突閃……私の研究ですか。いいですよ、教えましょう。……それは赤黒く光る。いわば魔力の暴走……的なものだと思いますよ。」


暴走?

「はい。多分ですがそうだと思います。」

 

何故そう言えますか?

「根拠は発生した時の状況にあります。人というのは不思議なものです。追い詰められると必要以上の、いや全力以上の力を出します。魔突閃はそれがキッカケだと思うんです。」

 

どういうことでしょう?

「私は魔突閃を実際に出した人たちに聞き取りを行いました。すると色々な条件下でしたが大概は強力な魔族と出会し、死にかけた時に出た……というのが一番多かったんですよ。まあ、中には提出する書類が間に合わなくて筆に必要以上に力をかけたら出た、なんてのもありましたけどね。」

 

つまり?

「おそらくですが発動の条件は追い詰められたり、その他の理由で気持ちが昂ることでしょう。その時に体がそれを克服するために全力以上の力を発揮する。多分そういう原理でしょう。」

 

魔突閃を発生させる前と後で違いはありますか?

「大有りですよ。まず発生させると打撃の威力は約三倍程度まで上がります。たった三倍ですがこれは振り幅があります。者によってはそれ以上の火力を出す時もあると思いますよ。また、発生させるとその後の魔力効率が格段に跳ね上がり、身体能力と魔法出力が大幅に上昇します。さらに……これは私の体験なのであまり気にしないでもらったほうがいいんですが、アレは快感ですよ。何度も出たりするのはその快感にも理由があるんじゃないかと思っていますよ。一時的なゾーンみたいなもの。その快感を体験するために再び起こそう、という気持ちになるんだと思います。」

 

それだけですか?

「快感、と言ってもただ気持ちいいだけじゃないですよ。まるで美しいものを見てスッキリするような、久しぶりに運動をしてスカッとするような、そんな快感です。それとみんな言うんですよ。アレを発生させると世界が変わるってね。」

『魔突閃!』

 大一番という状況。勝てるという確信。そして自分がやらなくてはならないという使命感。それらが全て魔力に乗った。魔力は赤黒くなり、打撃の威力は三倍になる。確実にダメージを与える。

「ガアッ‼︎」

 顔面を思いっきり打ちのめされ、カムラの体は吹っ飛んだ。

(何だ……この感覚は。)

 周りの何もかもが美しく見えた。何もかもが新鮮だった。まるでモノクロの世界に色がついたような——そんな状態だった。

(なんなんだこれは……。)

「今のは魔突閃だ!シオン!」

「魔突閃?」

「戦闘術の中でも最も強い技だ!」

 敵の攻撃を避けながら続ける。

「今、それを経験したことでノリに乗ってるはず!一気にかたをつける!」

 3人全員で一気に距離を詰める。だが、相手も一筋縄ではいかない。次なる技を放ってくる。

『群生魂・速射体(そくしゃたい)‼︎』

 球から大量の弾丸のようなものが放たれる。まだこんな技を持っていたとは。

「うおっ、危ねえ!」

 全員なんとか避け、呼吸を整える。敵は遠距離がメイン。近距離戦になれば魔突閃を発生させたこちらにアドバンテージがある。

『群生魂・速射体!』

 また相手は弾丸を発射してきた。今度はさっきよりも飛び散る範囲が広い!普通は避けるが何故かシオンは避けなかった。

「オイ何してんだ!避けろ!」

(抑えきれないんだ。この好奇心が、そして、この力が!)

「キキン!」

 弾丸は彼に命中したものの、まさかの全弾弾かれた。

「何ッ⁉︎」

(コイツ!魔力で全身をおおって攻撃を弾きやがった!いきなり成長しすぎだろ!)

 その時顔面がズキッと傷む。

(クソッ、さっきの魔突閃のダメージが消えない!ずっと傷むんだ!ここまでのダメージ……近距離に来られたら終わりだ!だからこそ!距離を取らさせる!)

 大量に球体を取り出し、一気に投げる。

「先手必勝ォォ‼︎」

『巨群生魂(きょぐんせいこん)・大渦(おおうず)‼︎‼︎』

 球体が渦を巻きながら収縮していく。そして周りにいた幽霊を取り込んでいく。

「全ての幽霊を使った攻撃だ!威力は今までの比ではないぞ!」

 キン……と収縮が止まると、

「撃て。」

 カムラのその言葉と同時に大量の幽霊が打ち出され、周りを焼き尽くした。教会は跡形もなくふき飛び、外の墓石も多く吹き飛んだ。周りの地面は焼きただれ、火の粉が燻っている。

「ハア……ハア……。」

 巨群生魂・大渦。幽霊の体と魔力に自分の魔力を乗せて放つ技で、他の技とは一線をかく威力をもつ。周りの幽霊をも巻き込んで放つため、近くの幽霊は消滅する。また、自身の魔力も消費してしまう。そのためもうカムラの魔力はすっからかんだ。

「魔力の……消費がすごいな……もう魔力がない……。」

 煙が少しずつ晴れていく。

「だが……もう終わったんだ。これほどの火力、流石に死ぬだろう。」

「当たればな。」

「⁉︎⁉︎⁉︎」

 いつの間にか3人は教会の屋根にいた。

(は?)

 見えなかった。大渦を撃つ直前まではちゃんと目の前にいた。つまり大渦が放たれてから当たるまでの短い時間で屋根に移動したということになる。だが、それはほぼ不可能だ。

 移動したアキラとユーリも驚く。

(一体いつ移動した⁉︎急なことでわからなかった……。)

(それよりもなんだあの火力……。流石に死ぬぞ。)

「クソッ!」

 球体を投げ、攻撃しようとする。

『群生魂・蛇体……』

 だが、飛んできたナイフで貫かれ、消滅する。

「させないよ。」

 地面にユーリとシオンは降りてくる。

「アキラ、そこからちゃんと当てろよ。」

「はいはい、分かってます。」

 アキラはまだ屋根の上だった。

(上からなら球体を全て狙えるな。いい立ち回りにされたね。)

 カムラは唇を噛む。反射で手をポケットに入れる。だが、その時に気づいた。今の状況に。

(予備の球体が……ない!)

 もう全て使ってしまったのだ。球体はなくなっていた。全て使用してしまったのだ。

(マズい……!)

 カムラは振り向き、逆側に走っていく。教会の中に入る。そして教会の奥に進んでいった。

「一体急に何をしているんだ?」

 ユーリが言うが、その答えをシオンが導き出す。

「もしかしたら……いや、そうとしか思えない!」

 ダッと駆け出し、カムラの後を追う。

「切れたんだ!球体のストックが!」

「!」

「今なら仕留めきれる!アキラ!お前も降りて来い!」

 カムラは教会の奥の祭壇の場所に向かった。

(廟の近くに行けばゴーストがいるはず……!そこで補給をしたのちヤツらを殺す!)

 祭壇の近くに地下の廟の入口があり、そこから地下へと行ける。カムラはその扉の取手を掴もうとしたが、上からアキラが降りてくる。

「させるか!」

「退けえ!」

 アキラはナイフで攻撃するが、魔力を纏っていないため、効き目は全くない。逆にカムラの突進で弾かれてしまった。

「ハア……ハア、早く……補給を……!」

 扉を開け、地下に入っていった。

「追うぞ!アキラ、ユーリ!」

3人はカムラの後に続いて地下へと潜っていった。

 

 

 地下の廟へ続く階段は意外と長かった。シオン達が少し進むと広い空間に出た。

「ここは……。」

 その部屋には真ん中に石棺が置かれており、奥には何か壁画のようなものが刻まれている。だが、その壁画にはアキラにとって見覚えのあるものがあった。

「アレは……魔王印……!」

「そうです。よく気付きましたね。」

 奥からカムラが出てくる。手には複数個の球体を持って。

「魔王印って何だ?」

「世界に魔族を産み落としたとされる魔王……始祖の魔王にまつわるものにだけ付けられる特殊な印だ。」

「その通りです。あくまでこれは伝説ですが……。」

 そう言いながら石棺を触る。

「この中には始祖の魔王の亡骸が入ってると云われています。まあ半信半疑ですけどね。」

「中を確認してみればいいじゃねえか。」

 ユーリが言うが、

「いや、それはダメだ!」

 アキラがそれを即時に否定する。

「魔王印は封印の証でもあるんだ。これもそれが付けられてるならこれには封印の呪いがあるはず!」

「封印の呪い?」

「魔王を復活させたとしても、その呪いがあれば魔王の力を三分の一程度まで抑え込むことができると言われているんだ。また、魔王の遺した遺物はいっぱいある。それを封印し、悪用されないようにもしているんだ。」

「つまり始祖の魔王は復活するのか?」

「いや、それはありませんね。」

 カムラが言う。

「それならここをダンジョンにはしないはずでしょうし、何より“復活の魔法”なんて聞いたことありますか?」

「確かに、ないね。」

 シオンはハッキリという。

「つまり、ありもしないことを恐れてやった、その結果誰にも真相が分からなくなった、と。」

「魔王の遺物は年々経年劣化で壊れてきてるから魔王印自体が意味がなくなろうともしているんだ。でもここにはまだ魔王印とその呪いが残ってる。つまり多分本当なんだろうね。」

 アキラが結論づける。

「じゃあ全部終わったら開けてみるか。」

 シオンがそう言う。

「いや、だから呪いが……。」

「呪いごと火葬すれば良いでしょ。」

「む……無茶苦茶な……。」

「まあ魔族的にはどちらでもいいですよ。どのみち意味なんて無いですから。今更ですよ。」

 カムラはそう吐き捨てる。

「……ていうかアキラ。お前なんで魔王印とか知ってるんだ?」

「いや……、魔王印の付いているものは珍しいアイテムだからね……。金になるんだよ。」

「結局金かい!」

 ユーリがツッコむ。

「別にお喋りもいいですけど気付いてます?」

 カムラがいきなり言う。

「補給、終わりましたよ。」

 その時、足元でコロコロ、と何かが転がる音がした。

『群生魂・巨体!』

 狭い空間での巨体。間違いなく潰される。だが、そうはさせない。ユーリは真上に剣を振る。

『断天(だんてん)!』

 天井を切り裂き、全員で上に脱出した。

「助かった!ユーリ。」

「まだくるぞ!」

『群生魂・蛇体!』

 大量に飛び出してくる。

「斬って詰めるぞ!」

 3人は攻撃に飛び乗り、根本を目指す。まだまだ前からは攻撃が飛んでくるが全て斬って捨てる。

(一体何個補給した?そう多くないはずだが……、気をつけよう。)

 カムラに近づいた。もう少しで間合いに入る!その時、カムラが笑った。

(笑った?)

 その時、攻撃の隙間にいくつかの球体が見えた。

(まさか!)

『群生魂・針体!』

 攻撃の中に技を隠し、放ってきたのだ。だが、スピードが圧倒的に遅かった。先刻の約二倍ぐらい遅い。たったの二倍かもしれないが、こういうギリギリの命の削り合いというのではかなりの影響を与える。

「遅いなぁ!魔力全部使い果たしたか⁉︎」

「チッ!」

 そう言いながら球体を投げる。すると今までとは違う動きを球体はした。

(?何だ?膨らみ方が……。)

 すると球体の形が歪んでいき、人の体のようになる。

『個偶魂・人殺羅体(じんさつらたい)‼︎』

 人ではないが、歪な形の化け物ができる。体が曲がりくねっており、手が短い。だが、その分動きは速かった。

「幽霊の体を変えて、攻撃させてるのか!」

 シオンが正体を掴む。

「その通りです。ですがただの体型変化だけではありませんよ。」

 複数体が襲ってくるが、腕のリーチが短いため全く届かない。そう思ったが相手の攻撃は頬をかすめた。

「なるほど……自由にいつでも体が変わるのか。」

 攻撃をする直前、人殺羅体の体が変わり、腕が伸びたのだ。それのせいで危うく脳を斬られるところだった。

「そうです。一体しか幽霊を使っていないのでソウルリールを適用させることができるんです。」

「つまり遠距離で攻撃も可能ってわけか。」

「まあやろうと思えばですけど。生半可に攻撃しても意味ないですしね。ここまで追い詰められたからには効率のいい立ち回りをした方が勝率は上がりますから。」

「その通りだな。」

 シオンは拳を構えながら言う。

(敵は五体。魔力のこもった攻撃一発で倒せたら嬉しいんだけどそう簡単にいくかなあ。まあ削ってけば勝てるか。)

 前に走り出し、五体の人殺羅体と対面する。

(スピードは速いけど攻撃にそのスピードが乗るかというと違う。体を直前に変えるせいで攻撃スピード自体はそこまでない。なら……。)

 そう言って間合いに入る。相手も腕を刃物に変形させ、攻撃を仕掛ける。

(こっちの拳の方が速い!)

 そう言って二体まとめて拳で葬り去る。残りの三体もアキラの投げナイフでやられた。

「ナイス!」

 だが、人殺羅体の消える煙で見えなかった相手が、今度は  じきじき々に襲ってきた。

(またあの刀か。)

 手には変魂刀が握られていた。変魂刀が腹にかすり、出血するが、ダメージはあまりない。

(多分原理的にはさっきの改造幽霊と変わらないだろうから多分アレもリーチが伸びるな……。)

 一旦距離をとり、呼吸をする。

(あれだけ弱ればさっきの魔突閃が出ればおそらく倒せるんだけど……、そうはいかないよね。)

 諦めていいんか?

「えっ⁉︎」

 誰かの声が響いた。誰なのかは分からなかった。でも確かにそうだ。

(勝つためには……もう一度出すしかない!)

 グッと拳に力を入れる。

(最大火力の魔突閃を!)

 出せるかどうかは分からない。でもやるしかないんだ。

「なんとかヤツの動きを止めてくれないか?」

 二人に聞く。するとアキラから快い返事が返ってきた。

「なんとかいけると思う。何秒留めればいい?」

「できたら5秒。無理でも3秒は留めて欲しい。」

「全く、無茶を言うね。」

 そう言ってポケットからロープを出す。

「これで足を縛るよ。腕は斬り落とせ。」

「それで充分だ。行くぞ!」

 シオンが一気に駆け出す。それに合わせてユーリも飛び出した。

「そろそろ終わりにしましょう!」

 カムラもそろそろ限界のようだ。球体を多めに出してきた。

「全力で行くぞ!」

「来い!ゴミ勇者!」

 カムラが構え、大量に技を打ち出す。

『群生魂・多重蛇体‼︎』

 大きく、多くの幽霊が飛び出してくる。それをなんとかかすりながらもくぐり抜ける。

(まだ来るか……、でも。)

 手には球体が握り締められていた。

(コイツで一気にぶち抜く!)

 手に力がこもる。それによって注意力が散漫になった。

(今だ!)

『クライムロープ!』

 本来は崖などを登る時に使うロープを、決まったところに投げられるのをいいことに、ロープを攻撃に転用したのだ。

 ロープがギュルルッと巻きつき、動きを封じた。

(腕に……巻き付けられた⁉︎マズい!球体を投げれない!)

 ロープはしっかりと張っているので、歩くことも不可能だ。さらに腕の動きも封じた。絶好のチャンスだ。

「シオン!これでいいだろ⁉︎」

「充分だ!いくぞユーリ!」

「おう!」

 ここぞとばかりに一気に距離を詰める。こちらの体力的にもこれが限界だった。複数回の大ぶりの避け動作。手傷の数。全員が限界だった。

(今ならいける気がする。)

 シオンの手に魔力が集まる。再びあの感覚が戻ってくる。

(マズい!なんとか避け動作を……!)

 だが、しっかりとロープが張っているので動けない。どうやらここまでのようだ。

「俺は顔面!ユーリは胸を狙え!心臓と脳を一気に潰す!」

 間合いに入る。でも相手ももう手段は選ばない。

「自爆上等!」

『群生魂・爆殺体(ばくさつたい)‼︎』

 手に握っていた球体が音を立てる。だが、もう遅かった。既に相手は攻撃動作に入っている。

(まだだ!ここで決められずにオマエらは死ぬ!そんな簡単に俺は倒せない!)

 カムラももうなりふり構わない。自分ごと爆殺するつもりだ。

 

 さて、皆は覚えているだろうか。魔突閃の発生のキッカケを。勘のいい人なら気付くはずだよ。

 

 

 そう、彼らは“追い込まれている”んだ。極限にまでね。

 

 

 ここぞ、って時に出るんじゃない。勝ちに貪欲な方に最終的に女神が微笑むんだ。

 

 

 彼らは勝つことしか頭になかった。それが繋がっただけ。

 

 

 ここまでくると才能なのかもね。でも今はどうでもいい。今はただ、勝ちを!貪欲に狙うだけ!

『『魔突閃‼︎』』

 二人の魔力が一気に赤黒くなる。爆裂した魔力がカムラの顔面と心臓を直撃した。

 追い込まれた状況。最終局面の緊張。勝ちへの情熱。それらがキッカケとなり、炸裂した。

「ガッ……!」

 クロスするように二人は技を決め、予定通り心臓と脳を同時に潰した。カムラの体は崩壊し、消えていった。

「出た……“魔突閃”……!」

 ユーリも驚いているようだ。斬撃が今までの比じゃなかった。圧倒的だった。

「ふい〜、なんとかなったな……。」

 シオンは地面に座り込む。

「やったな。」

 ユーリもこちらを見て、拳を向けた。

「ああ。」

 拳でハイタッチをし、ガッチリといい音が出た。

「やっと終わったんか。」

 奥からアキラとソウヤがくる。

「途中で大渦使われたから死ぬかと思ったやん。それまでに倒してくれ、最悪死ぬわ。」

「それはごめん。アキラもナイス束縛。」

「それはいいんだけど……ロープがね……。」

「え?」

 すると千切れたロープを取り出す。

「ロープごと切れちゃってね。それだけの威力ってことはわかるんだけど……、流石に酷くない⁉︎」

「ごめんごめん。後で買いに行こう。」

 そう言ってしまった。後悔した。

「それよりドロップ品は?」

「まあまあいいものだったよ。折れた剣の代わりにもなりそうだよ。」

 そう言って剣を取り出した。

「何だその剣。」

「多分1番のドロップ品だと思う。後で鑑定してもらおう。」

「それ以外は?」

「まあまあってところかな。金にはなると思う。」

「じゃあさっさとおさらばするか。こんなところ。」

 そう言ってシオンは立ち上がる。

「そうやね。幽霊がまた寄ってくるよ。」

 ソウヤがそう言ったので、全員で出口を目指した。そして難なく結界は開き、脱出に成功した。

 

 

 この事は大きな衝撃を与えた。無名のパーティが激ムズのダンジョンをクリアする。しかも一人も欠けずに。彼らが世界を変えるのはもうそう遠くないのかもしれない。これでやられる一方だった西ルートが少し変わった。その事実は敵方にも伝わり衝撃を与えた。だが、問題はないようだった……。

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