拵え1

「まだ着かんのか!」と怒号が聞こえる。

「申し訳ありません」と同時に「大変です!馬車が何かに破壊されました。」

「なに!?すぐに逃げた奴隷を探せ!あれがバレるとまずい。」

「既に偵察部隊を向かわせました。」

「よくやった。できるだけ生きて捕らえたいが、最悪殺してでも連れてこい。」

「はっ、朗報をお待ちください」

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 そろそろ本格的に刀の拵えを作ろうと家にある材料を色々かき集めたのだが…色々足りない

 鞘に塗る漆または代用品(ニス)や、塗料、柄紐なんかが足りない

 俺「明日街に買いに行くか。アイウィンとルード一緒にきてくれるか?」

 ルード・アイウィン「もちろん!」

 俺「ハモったなぁ」

 そんなことを言いつつ、火床に材料を入れる。とりあえずは今ある材料で作れる物は作る。

 とりあえず俺は鍔を作るために玉鋼(小割)を積み沸かしをしていた。

 温度を見極めつつ炭を動かしたり追加したりする。温度が上がり、(ここだ)と思ったところで火床から取り出して叩く。

 火花が少し散って、心地よい音とリズムで温度が下がるまでに叩く。

 そうして、3回ほど折り返し鍛錬をし、厚さ70〜85mmぐらいまで叩いて平たくし、面の形を楕円形にしていく。

 ある程度の姿ができたので、あとは鑢で削ったり、模様を彫ったり、塗装をしたりする。もちろん塗料がないので彫るまでになってしまう。

 鍔の形はごく単純で、円に近い楕円形の真ん中に茎穴なかごあながあり、その周りに切羽台せっぱだいやその左右に小柄穴こづかあな笄穴こうがいあなそれ以外の(肌)に桜を2個彫った。

 そうしているうちに、気づいたら夕陽が眩しくて俺は「夕陽が眩しいな」と言ってやっと気づいた。驚きのあまり「んっ?!夕陽?!もうこんな時間か!さっきまでひるだったのに」と1人でアワアワしていた。

 急いで片付けて掃除をしてから錆止め(油)をして鍛冶場を後にする。

 ニュールが「やっと全部出来た!」と言って問題集を見せてきた。

 リーシアはまだ少しかかりそうなので、俺はニュールに「今から問題出すけど行ける?」

 と聞くと、「もちろん行ける」と言ったので、問題を口頭で出していき、ニュールが書いていく。

 少しして答えを見せてくる。

 俺は「合ってるな」と言い、リーシアに教えるように言ってから家に戻った。

 家に入り、椅子に座ると俺は前から試したいことをした。

 魔獣を倒したことにより、どうやら複数のスキルを習得しているようだった。

 2進数方式アイテムボックスに視力強化や身体能力強化、精神異常無効があった。

 俺は「2進数方式アイテムボックスってなんだ?」と思い、目の前にあったコップを見ると「収納」と言った。

 すると、目の前にゲームの画面にあるようなものが急に出て来て

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 収納個数      1

 収納場所    0001

         ……

 最大収納可能数 543

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 と表示した。

 俺「なるほど」と言い、2進数方式アイテムボックスの要領がわかった。

 ちなみに取り出すには収納場所を言うと自分の手の取りやすい位置に出てくる。

 視力強化や身体か強化、精神異常無効は後回しにして夕飯を作り始めた。

 作り始めてから少しすると、ニュールやアイウィンが戻ってきて、手伝ってくれた。

 できた食事を食べて、片付けをして寝る。いつものごとくニュールとリーシアが潜り込んできて、俺を抱き枕にするが慣れたので無視して眠りについた。

 朝起きて外へ出ると何やら騒がしい。俺は耳をすまして聞いていると、金属同士がぶつかり合う音や、鈍い殴打する音が聞こえてきた。

 俺は(ただ事ではないな)と思い鍛冶場にある一行陽陰を持って、音のする方へと走って向かった。

 音のする方に近づくにつれて、指揮する声や戦っている相手の雄叫びが聞こえてきた。

 俺は近くの草むらに隠れて様子を伺っていると、なんかに見覚えがあるような人がいて、装備を見てすぐさま思い出した。

 俺(この人たちあの消し飛んだ山を調査してた騎士団だ)

 そんなことを考えつつ俺は戦っている相手を見る。

 するとそこには前倒した魔獣の大きい版のが3体いた。

 騎士団はかなりおされている状況で、前見た2割ほど少なくなっていた。

 俺は刀に手をかけて、1呼吸置いて身体強化のスキルを発動させる。すると体が軽くなった感じがした。

 俺はそのまま低く構えて草むらから一気に地を蹴り、飛び出して一体の首を切ったあと、木を足場にして2体目を切る。

(なんだかさっきからずっと止まって見えるな)と思いつつ、木に足をついて蹴り飛ばす。

 3体目を切るとそのままの勢いで離れたところに着地して、少し走ってから刀の曲がりや刃を見るが、全く曲がったりしていなかった。しかし柄がもう限界なようで、少しヒビが入っていた。

 俺「まあこうなるか」と独り言を呟きながら持ってきた布で拭ってから鞘に収めて家に帰った。


 騎士団長「もはやここまでか。」

 副騎士団長「諦めないでください!」

 騎士1「騎士団長だけでも」

 騎士2「時間稼ぎ程度はできます。」

 騎士団長「何か手はあるか、もう既に2割ほど部隊がやられたというのに…」

言い終わるのと同時ぐらいに突風と轟音がして騎士3が近づいてきて「団長!ま、魔獣が3体全て討伐されました。」

目の前には負傷した騎士と見事に真っ二つになった魔獣が3体分転がっていた。


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この小説は趣味程度でやりますのでこれから更新がかなり遅くなります。

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