作刀7
真っ暗な中俺は鍛冶場に入る。そして、炭に火を付けて火床に入れて火を大きくする。
俺は材料を持ってきて側におき、アイウィン達にふねに水を張るように指示して、焼き刃土を塗っておいた材料を焼き刃土が剥がれない様にそっと火床に入れる。
刀身全体を赤めるために
俺は火の色や刀身の色を見て大体の温度を確認しながら後少しで冷やせる。
俺はアイウィンに「この温度だ!覚えろ!」と言って火床から取り出してふねに入れて急冷して焼きを入れる。手に伝わってくる確かな冷めていく感触、音を聞いて割れがないことを確信する。
取り出すサインを刀が教えてくれる。そうして刀を取り出して割れや歪みを見るが特にない。ルードがその間に火を片付けているので、アイウィンにあとは任せて鍛冶場を出ると皆んなが鍛冶場の様子を見ていたみたいで、俺は「見たければ入って来て良かったのに」言うとリーシアが首を横に振り、「大丈夫です」と言った。
俺は「???」となっていた。
片付けが終わってアイウィンとルードが鍛冶場から出てきて「迫力があったな〜」や「あの温度か〜」などを話し合っていた。そうして俺たちは全員まとめて布団に入ったのだが…
リーシアとニュールの2人から抱きつかれて、身動き一つ取れなかった。
俺「あ、あの〜2人とも〜動けないんですけど…」
リーシア「シラナイナ〜」
ニュール「ワカラナイナ〜」
俺「あっ…何でもないです」
リーシア・ニュール「よろしい」
俺はなすすべなくその場に固定されて何とか寝たが、あまり深く眠れなかった。
目覚めてから大あくびをして顔を洗って鍛冶場に向かう。
アイウィンに前回集めてきた砂鉄を製鉄することと、俺が刀を研いでいて、日を跨いででもやりそうなら引きずりおろしてでもやめさせるように指示しておいた。そうしないと完成するまでやり続けてしまうからだ。前世で完成するまでやっていたら、丸3日なにも食わずで続けて栄養失調になりかけてやばかった時がある。
そうならないようにしたいので頼んでおいた。正直引き剥がしてくれれば誰でもよかったが一番近いアイウィンに頼んでおいた。
そうして俺は刀を砥石に当てて研ぎ始めた。
「シャリ、シャリ」と音を立てて滑らしていくと少しずつ削れて、少しずつ綺麗になっていく。刀全体の研ぎ目が均一になってきたら砥石目の細かいものに変えて研ぎ目が均一になるまで研ぐ。何度も繰り返しているうちにだんだんと綺麗になってきて、少しずつ鋭くなっていく。これは研げば研ぐほど切れるのではないかと思いつつ砥石に当てて、研いで行った。そうして段々と肌や刃紋が見えてきて切れ味も増して行く、目釘穴を空け、
「おいおいもうこんな時間か。全然気が付かなかった…」と言うと、アイウィンが「これ以上続けてやるのはマズイです。もう寝ましょう。」と言われて、集中が切れて眠気が一気に来て、布団に入った。翌朝思いだすがアイウィンに言われたことがほとんど思い出せないが「フラフラの状態で布団に入った瞬間に寝た」ぐらいしか思い出せていない。
俺はアイウィンに「昨日みたいな感じてヤバそうだったら頼む」と言い残して
「カッカッカッ」と鏨を叩き、慣れた手つきで掘っていく。そうして銘を切り終えた。
刀
『 銘・表:
裏:梶 直人 作 銘 一行陽陰』
やはりネーミングセンスは皆無だと1人で苦笑しながら仕上げの砥石の上に置き、滑らせていく。(やはりここでも感じる。この少しでもずれたりしたらダメになってしまうような感覚)俺は気を引き締めて研ぐ。
そうしてラストの仕上げに取り掛かろうとした時にルードとアイウィンが2人が俺を引き戻してくれた。俺はハッとして外を見るともうすでに夜中になっていた。(やっば、呑まれてた)と思いつつ「ありがとう」と言って手を洗って布団に入り、爆睡するが何だか寝た気がしない。
昨日の続きで、最後の仕上の砥石に取り掛かる。磨いているうちに、だんだん自分の姿が反射して映ったり、地金肌の模様が見えてきたり、刃紋がよりくっきりわかったりと色々なものが見えてきていた。
ようやく完成したが、
俺はまず
そうして火床に火を入れて、薄い鉄板を加熱して
完成した柄を
俺「どこまでできた?」
アイウィン「玉へしまでです」
俺「じゃあ小割りして硬さ別に分けて置いてくれ」
アイウィン「わかりました。」
俺は作業場に戻るべく立ち上がった。
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この小説は趣味程度でやりますのでかなり更新が遅くなります。
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