弟子ができる?
次の日家にニュールを置いて街に出かけた。例の包丁を売りに行くために…
お世話になった鍛冶屋について一呼吸置いてから戸を開けた。
すると小さい割にガタイがいい髭もじゃのドワーフが店の裏から出てきた。
「いらっしゃ…おっ、しばらく見ねえと思ったらアインじゃねえか。」と近づいてきて背中をバシバシ叩かれる。
俺は苦笑しながら布に包んだ包丁を取り出して「いくらになるか査定してほしい」といい、店のカウンターに置いた。
ドワーフの親父(カボ)が布をめくって包丁を見た瞬間カボの声色が変わり、真剣な目でこちらを見て「アイン…これをどこで手に入れた」と威圧気味に聞かれて俺は少しちびりそうになった。
「それは俺が打った物だ」と負けじと押し返すと、カボがため息をついて「これは到底値段をつけられるシロモンじゃねぇ」と言うから俺は「と言うと?」ガボが「国宝クラスだよこりゃ」
耳を疑った…「ん?今なんと」と聞き返してしまうほどに。
少しの間沈黙が流れた。するとガボが「うちの娘を弟子にしてくれ」と言った。
なぜ娘なのかはさておき、確かに弟子は欲しいところだった。だが、「弟子になるなら本人の意思を聞きたい」とガボに言った。ガボは「ちょっと呼んでくる」と言い残し早足で娘を呼びに行った。
数分して「包丁を持って裏に来てくれ」とガボがでかい声で俺を呼んだ。
裏に行くと
ガボと茶髪で空色の目をし、整った顔だがガッチリした体格の女の子?(ガボの娘)が緊張した顔で座っていた。「まあ座んな」とガボが言う。するとガボの娘が
「はじめまして、私はガボの娘のエア・アイウィンと言います」と自己紹介する。
俺も「はじめまして、俺は鍛治師のグリーズ・アインと言います。」と自己紹介をした。
するとガボが「早速本題に入ろう」といい俺を見た。
俺は布をめくって包丁をみせた。するとアイウィンが感動した声を上げていた。
アイウィンが「手に取ってみてもいいですか?」と聞いてきたので「どうぞ」
「ただ、かなり切れるから気おつけてくれ」と言う。
アイウィンは包丁を隅々まで見ていたかと思うと返してきたかと思うと
そして近づいてきて倒れるように土下座し、「大変恐縮ではありますが弟子にしてください!!」
と熱のこもった声で弟子入りをお願いする。
俺は弟子が欲しかったので「いいですよ」と言ったのだが、アイウィンが「弟子にしてもらうまでここから動きません!」と言っていた。
俺はさっきより大きな声で「だから、いいですよ!」と言うとアイウィンが「弟子に…え?」とかなり戸惑っていた。ガボが「この辺の鍛冶屋は基本的に製法や工程を隠すんだけどな」と苦笑しながら呟いていた。
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この小説は趣味程度でやりますのでかなり更新が遅くなります。
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