包丁制作3

水でへした後切れ込みを入れたところを中心に折り返して叩く。これこそ“かえ鍛錬たんれん”である。ニュールが「なぜそんなことをするの?」と聞いて来たので俺は「折り返して叩くこと不純物を叩き出して、粘りを出して強い鋼にする」と言う説明をしたら「私のいた王国の鍛冶屋さんはそんなことしていなかった。」と言っていたのでこの世界の鍛冶屋はどう言う製法や工程で作っているかとても気になった。折り返したところで軽く整えてからまた泥汁をかけて藁灰をまぶして火床の中に入れ、炭をかぶせてまたギリギリまで炭を入れて沸かす。

今回は包丁を作るだけなので3回くらい折り返し鍛錬をする。

まずは1回目をやるのでニュールには「火花が飛び散るから少し離れた方がいいと言っておいた。」ニュールは素直に離れている。

そして火床に目をやると少し沸き初めていたので一度取り出し、藁灰をまぶしてもう一度火床の中に入れた。

そして完全に沸いたのを確認してから藁灰をまぶして金敷かなしきの上に置き全力で叩いた。すると火花が飛び散り、爽快な音が何度も鍛冶場に響いた。

そしてまた長方形の分厚い板に叩いて伸ばす。

それをあと2回繰り返すのだか、もうそろそろ日が暮れるので俺は火を片付けて寝ることにした。ちなみに夕食は半分こした。


朝起きて今日の目標を立てた。テコ棒と材料が折れそうだったのでテコに付け直してから折り返し鍛錬を終わらせるとこまでやる。

炭に魔法で火をつけて、鞴で空気を送る。そうしているとニュールが目をこすりながら起きて来た。「おう、おはよう」「おはよう〜」と言い作業を見ていた。

とりあえず昼前までに後一回ところまで折り返し鍛錬が終わり、一度休憩してから折り返して形成に取り掛かる。今回は前世で“菜切り包丁”と呼ばれている包丁を作る事にして頭で完成形を想像しながら材料を伸ばしていく。とりあえずこの長方形の分厚い板から叩いて素延べしていく。

包丁の大まかな長さまで伸ばすと、次に火造りをする。刃になる部分を手槌で打ち出していき、かなり包丁の形になってきた。

あとは槌による凹凸や曲がりを直したところで今日の作業を終了してニュールの首輪の解除の方法を探ることにした。

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この小説は趣味程度でやりますのでかなり更新が遅くなります。

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