安比に贈る、安比神の物語
雪吹時雨
第1話 プロローグ
安比には安比の自然を司る神がたくさんいる。
その中で最上位、全ての神のまとめ役に、すいかの神様がいる。
「おーい!暖かくて、少し忘れとったが、もうスキーの季節じゃないか?安比を司る神が一柱、雪崩の雪神、雪くんよ、雪を降らせてくれ!」
「はーい!満遍なくするために、風ちゃん手伝って♥」
雪神の雪くんは風神の風ちゃんとラブラブの番だ。
「うん❤!雪くん!暴風の風神の私と、雪崩の雪神の雪くんが合わされば、吹雪カップルになれる…。」
「え、やめろよ。吹雪いきなりふらすなよ。スキーできるだけでいいんだから。風はサポートだけで充分だ。」
「は?うるさい!炎!なによ!雪くんとの共同作業の邪魔をしようってんの!そうはいかないんだから!」
溶岩の炎神、炎君が2人の間に口を出したことで、カッとなりやすい気質の風ちゃんはキレて無意識に嵐や竜巻を起こしている。
「すまんすまん。嵐と竜巻抑えて。謝るから。
………ハァ...風はキレやすいとこ直せよな…。重大な欠点だよ…。
ごめん!!!ごめんって!!!!なんで聞こえてるんだよっ!!!竜巻やめろ!!!風の刃痛い!!!もう言わないから!!!止めてって!!!」
「風ちゃん。キレるのはそこら辺にしといて。炎くんがそこまで怒ってないうちに。
スキー出来るようにしなきゃなんだから。とりま雪降らせてるから、薄い所とかに移して。つまり…微調整頼む!」
「雪くんがそう言うならそうするけど…♥
別に炎に怒られる筋合いないし!💢
炎に怒られても怖くも悲しくもないからねーだ!」
「分かったから、すいかの神様の指示きちんと遂行しろよ。」
「は?やってるし!私は喋っててもできる天才なんですぅ!」
炎くんと風ちゃんはとことん仲が悪い。それには理由があるらしいが。
・・・・・・・・・・
「ふぅ。少し時間かかったけど、降らせられたね。」
「うん!私が大体均等にしといたよ!」
「そうか。ありがとうな。これでスキーやスノボ、雪遊び目当ての観光客がやって来るさ。あやつらもな…」
すいかの神様に2人は報告。すいかの神様も満足気だ。すいかの神様には、毎年毎年待っている人々がいるらしい。スキーの季節にやってくるようだ。
・・・・・・・・・・
「お!遂に雪が降った!スキーができるな…」
安比の管理人も雪神の雪くんが降らせた雪をみて、暖かめの冬も少し遅いがスキーができそうなことに安堵した。
安比に贈る、安比神の物語 雪吹時雨 @39appikkm
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