運命操作?
アキノナツ
もうッ!
ガチャ?
排出確率?
何それ?
さっぱり。
ソーシャルゲーム?
ナニ? 美味しいの?
煽ってる?
煽ってないですよ。だって分かんないんだもん。
お前さ、彼女とのデート中にスマホ画面見っぱなしってふざけてる?
彼女と思ってるの私だけ?
テーブルでポテト摘みながら、向かい座ったスマホ画面とデート中の男の顔を見てる私。
そして、この言葉たちは私の心の中に仕舞われて、音として発していない。
溜め息、出そう……。
あー、私にその排出確率をなんとか出来る魔法でもあればいいのに。
こっち見てよ。
今日の為に髪のお手入れ頑張ったんだよ。巻き髪にも挑戦したんだから。
黒目が大きく見えるって言われてるコンタクト入れてみたんだよ?
可愛く見えない?
私って魅力ないの?!
このリップ新色なんだよ?
あっ、ストローに着いちゃった…。
スマホを睨みつけちゃった。
フェイスマッサージだって頑張って、お肌ツルツルにしてきたのに、眉間に皺寄っちゃうじゃん!
さっさとお目当ての出ちゃってよ!
その邪魔なゲームさん、分かってます?
女の恨みってね。男に向かないのよ。お相手の存在に向くの!
そんなゲーム、滅びてしまえッ。終わってしまえってんだッ。
「やった…」
視線が合った。
ぽッと顔が熱くなる。
「見てッ」
彼が嬉しそうに画面をこちらに向ける。
ふわふわと浮いてる女の子。
……可愛いわね。
悔しいけど、そう思うわ。
「レアキャラ。今日のこの時間しかダメでさ。どうしても出したかったんだ」
「そ、そう。そうなんだ。おめでとう?」
「ありがとう。君と居ると確率が上がるような気がするんだ」
褒められてる?
「それは、どーも…」
「これ、どうしても欲しかったんだ」
嬉しそう。ニコニコしてる。大好き。
笑顔にさせてる存在が私じゃないのが癪だけどッ。
「よかったね」
しまった…ッ!
ちょっと拗ねた感じに言っちゃった…。
「だって、このキャラ、君に似てるんだもん」
最高の笑顔。
見惚れちゃって、ぼんやりしちゃってた。
顔が間近に来てるのも気づかないほど。
耳に吐息を感じて肩が少し跳ねちゃった。
「好きだから」
この早鐘の心臓をどうにかしてぇぇぇ!
運命操作? アキノナツ @akinonatu
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