第13話 お昼はお子様ランチ♪
すると玄関のは先程までなかった青い靴がある。 そこに頭にハテナマークを浮かべる豪。 だってそうだろう。 さっきまでそこには青い靴がなかったのだから。
そして豪の方はゆっくりと部屋の中へと足を踏み入れる。 一体、琥太郎は何処に行っていて今家の何処にいるのであろうか。 豪が琥太郎の事を探していると、琥太郎は部屋の奥の方にある部屋でお人形を使って遊んでいた。 そうさっき豪が掃除している時と全く同じように琥太郎はその部屋で遊んでいたのだ。 これはまるで狐につままれたような感じになったのは気のせいであろうか。
昼ぐらいになってきて今琥太郎がいる部屋というのは太陽の日差しが降り注ぐ部屋になってきたようで、琥太郎はそこで暖かそうに遊んでいたのだから。
だが今あった事はなかったかのように豪は琥太郎へと近付き琥太郎の身長までしゃがみ込むと、
「琥太郎君はお昼何が食べたい?」
と優しく問うのだ。
ま、人間なのだから一回目というのは怒らないという事なのであろう。 しかも琥太郎と豪というのは今日会ったばかりなのだからそんな事があったからと言って怒る訳には行かない。 そう子供というのは初めて会った人というのは警戒心が強いからだ。 これからここの家で暫く仕事をする事になっている豪からすれば最初が肝心と言った所だろう。 だから今回の事については問わないという所なのかもしれない。
その豪の問いに対し琥太郎は豪の事を見上げ、一瞬だけ見た後に直ぐに顔を俯け小さな声で、
「お子様ランチ……」
と小さな声で言うのだ。
「お子様ランチ……?」
その琥太郎の言葉に豪は復唱すると立ち上がり、
「琥太郎君はお昼、お子様ランチでいいんだね?」
そう琥太郎が豪にそう強請ったのかは分からないのだが、琥太郎の言葉に豪は笑顔になると、
「じゃあ、お子様ランチ作って上げるね……」
と言うのだ。
それから豪は立川家の冷蔵庫を覗き材料がある事に安堵すると、冷蔵庫の中にある食材で琥太郎リクエストのお子様ランチを作り始める。
チャーハンの方はお椀にご飯を入れてひっくり返すと丸くお山のようになる。 流石に旗は無かった為そのチャーハンに旗を立てる事は出来なかったが挽肉を使ってハンバーグを作り、お子様用プレートに乗せる。 後はお子様用マグカップにコーンスープを入れてリビングテーブルへと運ぶ豪。 自分の分は家から作って来た弁当をテーブルの上へと広げるのだ。 そして豪は琥太郎に、
「お昼出来たから琥太郎君、おいでー」
と琥太郎に声を掛けるのだ。
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