第10話 お片付け開始!

 確かに一人親で完全に仕事に行っているのなら、琥太郎の言う通りだろう。


 昼間は子供を保育園に預けて親は仕事、帰宅して来てからは夕飯を作ったり掃除をしたりして家事いう仕事に加えて子供をお風呂に入れたり寝かしつけたりしなければならないのだから、琥太郎の言う通り親子で遊んでいる暇というのはないのかもしれない。 だからきっと琥太郎は今豪に向けて切なそうな表情を見せたのかもしれない。


 子供にとって親というのは本当に必要な存在で、子供の頃を思い出せば分かると思うのだが、親が仕事で一人家にいる時というのは寂しかったのではないだろうか。 一人でいる時っていうのは本当に何をしても楽しくはない。 もしかしたら兄弟でもいるんだったら話は違うのかもしれないのだけど。 そうそれに琥太郎は完全に一人っ子なのだから豪の質問に寂しさが溢れてしまったのであろう。


 もしかしたら慧はそれを思って、今回、家政夫を雇ったのかもしれない。 いや慧が色々とやってしまうドジのせいで家に帰宅してからの仕事が増えてしまう事に見兼ねて家政夫にを雇ったという所だろう。 人の家の事だから分からないのだけど、きっとそういう事だ。


 とりあえず豪は琥太郎が何もしてない事に安堵し、今度は床の掃除を始める。


 まずは掃除機をかける前に物を片付けてからだ。


 しかしさっきのリビングテーブルの上も凄かったのだが床の方も負けてなかった。 逆に言えばどうしたらこんなにも物が散らばるのか? というのが知りたい位だ。


 きっとタンスの上にあったであろう衣装ケースが床に置いてあって中身が出たまま、タンスは開けっぱなしでネクタイも床に落ちている。 それにプラスしてさっき上げたお菓子のカスや飲み物の溢した後がちらほらと見受けられるのだ。


 確かに琥太郎が朝、豪に言っていた通りなのかもしれない。 そう床には一切琥太郎が遊んでいそうな玩具はない。 寧ろ慧がやらかしたであろう物しか散らばっていないのだから。


 洋服に関しては服を何処にしまっているのかが分からなくて引っ張り出した感じもある。 ネクタイの方もきっとそうなのであろう。 洋服に関しては散らばしたというよりかは出して時間がなくてそのままっていう感じなのかもしれない。 そう生前はここの家に住んでいた奥様が家の中の物について管理していたのだから亡くなったまたはいなくなってからは、慧が何処にあるのか分からなくて探したという可能性だってある。 それに加えて慧がドジだっていう事もあるのであろう。

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