第8話 ど、どうしよう!?
豪達が外に出てきてから、どれくらいの時間が経ってるのであろうか。 その間にも勝手に時間というのは過ぎて行ってしまうもんだ。 だけど子供相手に時間等気にもせずに豪の方は琥太郎の前へとしゃがみ込む。 それで、ただただ琥太郎が答えを出すのを待っているだけだ。
さっき豪が出した質問みたいなのは、子供の琥太郎でも答えられるもんだろう。 豪の方は別に琥太郎が家で過ごそうが保育園で過ごそうが気にしてない様子だ。
そして急かせようともせず、ただただ本当に琥太郎が答えてくれるのをしゃがみ込んで待っているだけだった。
すると急に琥太郎の方は声を上げ、そこはちゃんと豪の瞳を見据えると本当に子供ながらに真剣に考えたのか、
「じゃあ、保育園に行かない……」
そう答える琥太郎に豪の方は琥太郎へと笑顔を向けると、
「本当に琥太郎君はそれでいいんだね」
そう言いながら豪はその場へと立ち上がるのだ。
「うん!」
そう元気に返事する琥太郎。
「よしっ! じゃあ、部屋に戻ろうか?」
そう豪は言い、軽くなのだが琥太郎の背中を押すと琥太郎の方はその豪の行動に答えるかのように家の中へと入って行くのだ。
その頃にはとっくに慧の姿は家の何処にもなく、
「もう、パパはお仕事に出掛けたのかな?」
半分独り言のように半分は琥太郎に問うように言う豪。
だが琥太郎からは返事がある訳ではなく、鞄を置いたと思った琥太郎は直ぐ様に玩具箱から玩具を出して来て遊んでいたのだから。 そんな琥太郎に少しばかり胸を撫で下ろすと豪は琥太郎の保育園へと連絡を入れるのだ。 そして豪の方は慧の家を片付け始める。
床にはお菓子のカスやジュースの零してある絨毯、キッチンの方も似たようなもんで飲み物の零し後は勿論の事、食べ物やガラスの破片なんかも細かい破片ではあるのだがあるような気がする。 勿論、ダイニングテーブルの上というのは粉物の粉が散らかっていたり、一部そのままの食器や物が置いてあったりしてダイニングテーブルが本来の役目を果たしてないような気がする。 流し台だって、そこは夜は子供の世話で大忙しなんであろう。 お皿は流し台の中でそのまんまの状態だ。 そこからちゃんと閉め切っていない蛇口からは水が次から次へとリズムかるに落ちて行ってしまっていた。
確かにこんな状態だと豪はやりがいがあるっていうもんだろう。 だが先ずは何処から手を付けるのか? っていうのが問題だ。
しかし子供がいるのに、流石にこの状況というのはあまりいい環境とは言えない。 だが、さっき琥太郎がこの状態っていうのは、「パパがやらかしてるんだよ」と言っていた筈だ。 という事は慧からしてみたら、こういう事というのは日常茶飯過ぎて、自分でも何回も片付けを試みているのだが同じ事の繰り返しで、最終的には自分で片付けるのを諦めてしまったという事なのかもしれない。
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