背後に気をつけろ

青甘(あおあま)

第1話

「はあ、はあ」

必死に走り続ける。


後ろには魔物が追ってきている。


「なんでこんなことに」




少し前

 俺はよくあるテンプレの異世界転生とやらをした。

もちろん、いわゆるチートというやつももらった,

しかし、その使いようがイマイチ理解できていない。

それなのに、このような状況になったのは神様が転移先を適当に決めたため。全くもって笑えない。




「くそ、最初はどこかの街にでもするのが普通じゃないのかよ!」

「ガアアアァ」

「ひいいいい」


後ろからはどんどん魔物が近づいてくる。

(まずい、まずい)

自分の死期がそこまできていることに焦りが大きくなる。

「誰か助けてくれよーーー!」

叫ぶ。

俺の持つチート能力がなんなのかもわからない状況だ。

「とりあえず、魔法は使えるんだろうな」


「よし、がファイアーボール」


ポフ。

何も出てこない。

「一体どういうことだよ神様ー!」


「グオオオオオ」

魔物はもう俺の後ろまで来ており腕を振り上げる。

「これは死ぬ」


キーン。

死ぬと覚悟していたが、死ぬことはなかった。

「大丈夫かい」

なんと魔物に助けられた。


「はい、ありがとうございます」

「ここは危ない。こっちにくるんだ」

そう言われ俺はついていくのだった。

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