たったここ数年のことなのに、私たちの人と人との距離は、大きく変わりました。これは、そんな変化をSF作品として昇華した物語です。ジャンルとしては青春小説(SF)だろうと思うのですが、甘美とまではいえない、けれど単なるうしろめたさの共有でもない、蜜のような秘密を彼らは抱えていきます。先がほしくなるようでいてこのままでいたいと思わせる余韻は、作者様ならではの持ち味ではないでしょうか。